【⑤福祉住環境コーディネーター１級の役割】高齢者・障害者向け居住施設で重要なこと　vol.657

こんにちは💚　介護ラボのkanaです。今日は「福祉住環境」の中から『福祉住環境コーディネーター１級の役割』について、６回に分けて書いていきます。今回は５回目です！

高齢者・障害者向け居住施設の状況

１．高齢者・障害者向け居住施設への助言や提言
　1⃣高齢者・障害者向け居住施設の状況
　2⃣高齢者・障害者向け居住施設で重要なこと
２．まとめ

福祉住環境コーディネーター１級は、地域における高齢者・障害者向け居住施設に整備・運営状況に関する状況を掌握し、求めに応じて福祉住環境の整備の観点から助言や提言が出来ます。

少子高齢化の進展速度に比べて、我が国の高齢者・障害者向け居住施設の供給は、住宅のバリアフリー化と同様に遅れています。

そして、

という大きな流れの中で、それら居住施設の整備・運営状況も絶えず変化しています。

とりわけ、制度改定によって当該施設の在り方が見直され、ハード面でもソフト面でも、その基準等が大きく変更される場合もあります。

欧米諸国に比べ、我が国の高齢者向け居住施設の供給はまだまだ圧倒的に少なく、地域事情に応じて、日常生活支援や介護・健康管理サービスなどを何らかの形で付加さえた安全で安心な居住性説の需要は今後さらに高まるものと予想されています。

また、介護保険施設のサテライト化も進展しています。

一方、障害者向けでは、「障害者基本法」や「障害者総合支援法」に基づき策定されている『障害福祉計画』等が設定している数値目標に準じて、グループホーム等の充実を図り、施設入所・入院から地域生活への意向を推進し、

へのまちづくりが目指されています。

高齢者・障害者向け居住施設で重要なことは、それが「収容の場」ではなく、「居住の場」であることです。居室面積やプライバシー、快適さなど、それまでの生活の継続性に対する配慮が担保されているかどうかが重要になります。

入居者は「介護の対象」ではなく、自分で出来ることは自分でという「自己決定」を基本に、プライバシーが守られる個室で、家族が訪問しやすい環境や地域との交流の場づくりを当たり前のものとしなければなりません。

食事に関しても、大食堂に皆集まっての「給食」のような方式ではなく、メニューが選択でき、かつ気の合う者同士で調理したり盛り付けを行うことが出来るなどイメージが尊重されることが大切です。

こうしたことが懸念されているのは、今日のような高齢化が進展するまでの長い間、高齢者や障害者はともに社会的弱者とみなされ、施設は普通の生活の場ではなく、「弱者を隔離して収容する場」のように思われ、扱われてきた過去があるからです。

したがって、豊かな居住を可能とする施設運営にとっての必須事項は、

などが担保されてるかどうかにあります。

そして、こうした集合的な居住施設には、居室というプライベート空間のほかに、皆が共同利用するパブリック空間はもとより、気の合ったもの同士が集えるようなセミパブリック空間も、居室の周辺に適切に配置されているかどうかも評価の対象となります。

これらの変化してきた施設の居住空間のあり方に対して、いつまでも旧来の病院モデルに捉われている施設事業者や設計者が未だに少なくない現実もあります。

今後、介護老人施設の建て替えがますます進む中で、単なる老朽化対応の建て替えではなく、質的に今求められている居住空間を的確に提案できる人材が求められています。

福祉住環境コーディネーター１級は、制度の変化やその意義をリアルタイムで把握し、利用者への情報提供と共に求めに応じて、施設改善・改修等への助言が出来るだけの知識・技術を備えておく必要があります。

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