こんにちは 介護ラボのkanaです。今日は「認知症の理解」の中から『認知症の人への休息と睡眠のケア』について書いていきます。
時間の見当識障害に対して準備すること
Contents
1.休息と睡眠のケア
1⃣休息のケア
2.睡眠準備の障害
1⃣時間の見当識障害
◉睡眠準備(習慣)
2⃣不安感や孤独へのケア
3.不眠
1⃣昼夜逆転
2⃣夜間せん妄
(1)環境や人間関係・社会心理的状況の変化
(2)脱水
(3)その他の要因
3⃣夜間頻尿
1.休息と睡眠のケア
人間のとって、休息と睡眠は大切な時間です。認知症の人は、この時間が崩れ、生活全般に大きな影響があらわれることがあります。また、一緒に暮らしている家族などにも影響を及ぼします。
適切な休息と規則正しい睡眠がとれることが理想です。今回は、認知症が休息と睡眠に及ぼす影響とそのケアについて考えていきます。
1⃣休息のケア
認知症の人は、状状況を認識することや理解することが苦手なため、判断するのに時間が掛かったり、自分がしたい行為とは別の結果となる判断をしてしまいます。
思うような状況にならない、結果が得られないことや不安感から、繰り返し同じ行動を取り続けることが起きます。
こうしたことが、日常生活の様々な場面で起こり、ストレスを感じてしまいます。
また、認知症の人は、自分で必要な情報かどうかの認識も難しい人も多くいて、大量の情報が脳に入ってきます。すると、脳が疲れてしまい、イライラしたりすることもあります。
まずは、認知症の人が分かりやすい環境整備を行い、環境から受けるストレスを失くします。そのうえで、休息する時間(休憩時間)を日課の中に取り入れ、メリハリのある生活づくりをしていきます。
ただし、日課に合わせた生活を強要してはいけません
- 昼寝の習慣がある
- 好きな本を読む
- 好きな音楽を聴く
- 好きな飲み物を飲む
など、生活歴を読み解き、その人に応じた休息の仕方を援助します。
そして、休息する時には、脳だけでなく身体も休まるようリラックスした姿勢が重要です。
2.睡眠準備の障害
1⃣時間の見当識障害
認知症の人には、「今が何時なのか」「今は夜かどうか」などが分からなくなる人がいます。
そのため、寝るための準備である、
- パジャマに着替える
- 歯磨きをする
- 電気を消す
- 寝室へ向かう
などが出来ないこともあります。
時計を見て何時なのかを一緒に確認することもよいですが、生活リズムを整えることが大切です。
おおむね同じ時間に繰り返し行うことで習慣化していくことが大切です。そうするとスムーズに睡眠の準備が出来るようになり、眠りにつくことが出来ます。
◉睡眠準備(習慣)
★介護者がパジャマを用意して着替えてもらうよう促す
- 寝る前の歯磨きをするように促す
- トイレへ行くよう促す
- 一緒に電気を消す
- 寝室へ誘導しベッドに横になるよう促す
2⃣不安感や孤独へのケア
認知症の人は、施設などで周りの人が自分の部屋へ行き睡眠の準備を始めると、食堂やリビングで1人ぼっちになったと孤独を感じて不安になります。
また、部屋へ誘導してもなじみがないため寂しさを感じ家族を探したり、「ここは自分の部屋ではない」と訴えたりします。こうした不安感が募ると睡眠できません。
介護者は、しっかりと関り、認知症の人が安心するような言葉掛けをし、団らんするなど、認知症の人が孤独を感じないよう心掛けます。
また、照明も急に暗くすると不安になることがあるため、徐々に落としていきます。
部屋には、自宅においてあるなじみの物を置くことや、記憶に強く残っている自宅の部屋の様子を調べ、レイアウトを近づけることも大切です。枕もなじみの物だと安心します。ここは自分の居場所だと安心してもらえる工夫がカギとなります。
3.不眠
1⃣昼夜逆転
認知症の人の中には、生活リズムを自分で整えることが苦手になり、日中ウトウトと眠る傾眠がみられます。まずは、日中の傾眠を改善することが重要です。
眠れないと昼間と勘違いして、夜間廊下を歩いたりしてしまうことがあります。また、眠れないため、睡眠剤を服用することがありますが、認知症の人の場合、服用したことを覚えていません。
そのため、睡眠剤の影響で足元がふらついても歩こうとし、転倒の要因になることもあります。睡眠剤の服用の前に出来るケアを行うことが重要です。
眠れない時には無理に寝てもらおうとせず、一緒にお茶を飲んだり、会話をするなどしてリラックスをするようにします。夜、お風呂に入り身体を温めることでも眠気をもよおします。
足浴や手浴でも一定の効果があります。
日中何もすることがなく、退屈で起きておくのは難しいため、アクティビティや散歩などを取り入れ、活動的に過ごす時間を作ります。
しっかり身体を動かして、動いたら水分や食事をしっかり摂ることを目指します。
起床時にカーテンを一緒に開け、朝日を浴びることも生活リズムと作るうえで有効です。
2⃣夜間せん妄
急に意識の混濁が起こり、興奮し、幻覚が見えたり、辻褄の合わないことを言い出したりすることがあります。こうした状態を「せん妄」といい、夜に現れることを「夜間せん妄」といいます。
夜間せん妄があらわれると、睡眠障害となります。
せん妄は時々、認知症の症状と勘違いさえることがありますので、せん妄の主な原因と考えられることを、以下(1)~(3)でまとめていきます。
(1)環境や人間関係・社会心理的状況の変化
認知症の人は、見当識障害があるため入院や入所した場合などには「環境の変化から受けるストレス」が大きくなります。
特に夜は暗くなり、不慣れな場所で、家族とは違う人がいる中で過ごすストレスはとても大きなものになります。こうした状況が原因となり夜間せん妄を引き起こします。
孤独を感じないような関りを持ち、不安を取り除くよう援助します。また、認知症の人が落ち着く環境作りへの配慮が必要です。
(2)脱水
水分摂取量が足りないため、脱水になり夜間せん妄不を引き起こすことも多くあります。
1日に必要な水分量が摂れているかを確認し、摂れるよう援助していく必要があります。
また、夕方から夜にかけて、水分を極端に摂らないのもよくありません。
(3)その他の要因
脳血管障害や感染症、服用している薬の副作用が原因で起こることがあります。せん妄がみられた場合、いずれにしても医療職への情報提供が必要です。
3⃣夜間頻尿
- 過活動膀胱
- 膀胱炎
- 心不全
- ドネペジルなどの薬の影響
などにより、夜間も頻回にトイレに行く頻尿があります。このため睡眠障害を引き起こします。こうした場合、医療職と連携してく必要があります。
ほかにも、認知症の人は、先に述べた昼夜逆転などにより眠れず、さっきトイレに行ったばかりでも、行ったこと自体を忘れる「記憶障害」のため、またトイレに行こうとします。
結果的にトイレが気になり過ぎて、ますます眠れず睡眠障害を引き起こします。
日中の活動量は足りているか、ストレスが蓄積していないか、孤独感や不安感はないかなど、眠れない原因をアセスメントし原因を除去していく必要があります。
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