こんにちは(^▽^)/ 介護ラボのkanaです。今日は「発達と老化の理解」の中から『高齢者に多い歯・口腔疾患』について、昨日と今日の2回に分けて書いていきます。
歯周病とドライマウスの原因と治療方法
Contents
1.歯周病
1⃣概要
2⃣原因
3⃣段階的症状(初期・中期・末期)
4⃣治療
(1)予防
(2)治療
2.ドライマウス
1⃣概要
2⃣原因
3⃣症状
4⃣治療
1.歯周病
1⃣概要
歯周病は「生活習慣病」の1つで、加齢により歯を失う原因疾患の1位、糖尿病や動脈硬化との関係が深いです。
歯肉の炎症が進行すると、炎症を起こす原因になる細菌を退治するため、口腔で産出される物質が増加し、膵臓のインスリンの分泌を妨げるため、歯周病は糖尿病が悪化する原因になります。
「平成26年度患者調査」によると、歯肉炎及び歯周疾患の総患者数は、約331万5000人で、平成23年度の調査結果よりも65万人以上増加しています。性別では女性の方が男性よりも多く、20歳代の有病率は約7割、30~50歳代で約8割、60歳代では約9割に上っています。
2⃣原因
歯周病は、細菌の感染によっておこる疾病で「歯周ポケット」に存在する、目に見えないミクロン単位の菌が原因となり、歯を支えている歯肉が炎症を起こし発症します。
歯周病は喫煙によりリスクが上昇します。タバコには、有害物質であるニコチンやタールが含まれており、ニコチンは血管収縮作用で歯肉が炎症を起こして出血した場合に止血しにくく歯周病が悪化しやくなります。
そしてタールは、歯の裏面に黒くこびりつき歯垢の除去を困難にし、歯周病のリスクが高くなります。禁煙により歯周病のリスクは低下します。
3⃣段階的症状(初期・中期・末期)
初期は痛みなどの症状がほとんどなく、自覚症状が出現した時点では進行していることが多いです。
自覚症状としては、
- 歯肉が赤く腫れる歯肉炎の症状から始まり、
- 放置することで土台の骨が溶けていきます。
歯周病の段階別症状
【初期症状】
・硬いものを噛むと歯肉から出血する
・歯ブラシによる刺激で歯肉から出血する
・歯肉が赤く腫れる
・歯石が付着し歯周ポケットが深くなる
・歯根骨が溶けて短くなる
【中期症状】
・口臭が強くなる
・食べ物を噛んだ時、歯肉の違和感が強くなる
・歯肉に重く鈍い痛みがある
・体調が悪くなると歯周病の症状が強くなる
・歯肉がやせる
【末期症状】
・歯がぐらぐらと動く
・歯が自然に抜け落ちる
4⃣治療
(1)予防
定期検診や歯石除去などの歯科受診を定期的に行い、口腔ケアを確実に行うことが重要です。
(2)治療
歯周病の治療は、歯垢や歯石などの歯の表面に付着する物質を、器具を用いて取り除きます。
2.ドライマウス
1⃣概要
ドライマウス・口腔乾燥症は、現代病で増加傾向にあります。欧米の疫学調査では人口の25%がドライマウスの症状があると報告されており、日本の人口に当てはめると約3000万人程度のドライマウスや、ドライマウスに関連した症状の人が居ることになります。
2⃣原因
様々な原因で唾液の分泌量が低下することによって、口の中が乾燥して発症します。糖尿病、腎臓病、ストレス、筋力低下、薬剤の副作用などが原因で発症することもあり、シェーグレン症候群の症状としても発症します。
ストレスから口渇感が強い人が増加しています。さらに、ファストフードなどの柔らかくて噛まなくてもよい食品が増えたことで、咀嚼時間が減ってしまい唾液の分泌が低下している場合もあります。
- シェーグレン症候群とは?
-
涙や唾液をつくる涙腺、唾液腺などの外分泌腺に慢性的に炎症が生じ、涙や唾液の分泌が低下し乾燥する自己免疫疾患。
3⃣症状
ドライマウスは放置して治療をしなければ、虫歯や歯周病、誤嚥性肺炎などの合併症を引き起こす恐れがあります。主な症状として、口渇感があり、口の中が粘つき舌の痛みや口臭があります。さらに、乾燥した食品が食べにくい、嚥下しにくいなどの症状があります。
口の中が乾燥した状態になることにより、ウィルスや細菌が侵入した際に、唾液による自浄作用が失われ、生体防御機能が低下し「感染症」を発症しやすくなります。
4⃣治療
ドライマウスは全身疾患の症状の1つとしてあらわれることが多いため、
- 問診
- 触診
- 口腔内検査
- 唾液検査
などで、ドライマウスの原因を特定し、「糖尿病」「更年期障害」「降圧薬などの内服薬の副作用」など、原因疾患に対する治療と組み合わせて行います。
例えば、「更年期障害」の場合は、婦人科、「糖尿病」や「内服薬の副作用」の場合は内科と連携を行います。
唾液を補うための対症療法として、こまめな水分補給やガムを噛んだり、夜間入眠中に口腔内の水分を蒸発を防ぐために夜間用のマスクを使用したり、口呼吸を防止するための口唇テープを使用します。
また保湿剤は水分が口腔内の粘膜に残りやすいため、保湿剤が入った人口唾液や保湿ジェルを用います。
さらに、唾液分泌促進剤を用いる薬物療法や、唾液の分泌を促進するための唾液腺マッサージや、舌・口唇・頬の運動などを行います。
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