発達と老化の理解

【❶発達段階:新生児微笑、社会的微笑】乳幼児期の4つの社会性の発達とスマーティ課題

2022-01-25

こんにちは💚 介護ラボのkanaです。「発達と老化の理解」の中から『各発達段階』について今回、次回次々回の3回に分けて書いていきます。

社会的参照とは?

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各発達段階での社会性の発達

1⃣乳幼児期の社会性の発達

(1)他者との関係の成立(新生児微笑・社会的微笑)

生後間もない新生児は微笑む表情を見せることがあります。この微笑は「新生児微笑」と呼ばれていますが、他者に向けられたものではなく、自動的な反応です。

赤ちゃんが生まれ持った本能によって無意識に起こるほほ笑みのことです。

専門的には、生理的微笑とも呼ばれ、 生理学的には単なる筋肉の動きが、笑顔のように見える現象で、新生児微笑が授乳のあとに見られることが多いのは、お腹が満たされて満足しているサインのためともいわれています。

新生児微笑は、日本以外にも「エンジェルスマイル」と呼ばれ、天使のような無垢な笑顔に癒されるのは万国共通の感覚として知られています。

そして、3か月頃になると周りの人に微笑むようになり、それを「社会的微笑」といいます。

新生児微笑が無意識に起こる動きなのに対して、社会的微笑は、赤ちゃんの感情表現で見られるものです。

一般的に生後2~3ヶ月頃に見られるため「3ヶ月微笑」とも呼ばれています。

両親を見てにこにこと笑ったり、時には声を出したりします。 新生児微笑とは様子が違うので、両親もすぐに気付きます。

社会的微笑は、赤ちゃんが周囲の刺激に対する反応として起こる微笑みなので、赤ちゃんの中に社会性が芽生えていることの証だといわれています。

8か月頃になると、知らない人には顔をこわばらせたり、背けたりする人見知りの反応が見られるようになります。

乳児は最初、

  • 自己ー他者
  • 自己ー対象(おもちゃなど)

2項関係によって他者や世界と関わっており、他者との共有はありません。

そして9か月頃になると、

  • 自己ー他者ー対象

という3項関係が成立するようになり、他者と対象に対する欲求や認識を共有するようになります。

この3項関係を成立させるために重要な役割を果たすのは、他者と同じ対象に注意を向けている「共同注意」です。

例えば、他者が見ているものに乳児も視線を向ける視線追従が見られます。

このように9か月頃には、自他の区別はともかく、他者に意図があることを理解し、それをきっかけに社会性の発達が著しくなるため、9か月の奇跡あるいは9か月の革命とも呼ばれています。

1歳6か月頃になると、例えば、自分の後ろにあるものなど自分の視線外にあるものでも、他者の視線を追って追跡するようになります。

また、1歳頃になると離れた対象に向けた指差しを行うことで、他者の注意を向ける行為をするようになります。

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(2)社会的参照
社会的参照

1歳頃になると経験のない人・物や出来事に出会ったときに周囲の信頼できる大人の表情や反応を見て、それに応じて自分の行動を決める場面がみられるようになり、これを「社会的参照」と呼びます。社会的参照は、2項関係による行動の1つです。

視覚的断崖を使った研究では、断崖にあたるところで台の向こう側にいる母親の顔を見て、その表情に応じて渡るかどうか決める行動が観察されます。

この視覚的断の研究は、ギブソン(Gibson E.J.)とウォーク(Walk R.D.)がおこなった、奥行き知覚能力の発達を調べたものです。
赤ちゃんが「深さ」をどのように認識するのか調べるなかで、社会的参照のような現象がみられました。

この実験では、赤ちゃんを高さのある透明の台に乗せて、深さをどう感じるか試しました。そのなかで、本来ならば透明で恐怖を感じる台の上でも、母親の笑顔を見ると安心して進む姿がみられたのです。

(3)遊びの中の社会性

乳幼児期の周りにいる養育者との関係を中心にした生活から、徐々に同年代の子どもとの交流機会が増えていきます。

はじめは、他者との交流がない「1人遊び」や「平行遊び」が中心ですが、3歳を過ぎることから他の子どもと関わり合いながら遊ぶ「連合遊び」や「協同遊び」も増えていきます。

(4)心の理論と発達

「心の理論」とは、他者の心理状態を推測する能力のことです。幼児の認知的特徴は自己中心性であり、自分の知覚や心理的状態と他者の状態を区別できないという特徴があります。

他者の心理は、「自分と他者が別であることがわかる」ということは、社会性の発達に欠かせません。

では、子どもは心の理論をいつ獲得して、他者の心理を理解できるようになるのでしょうか?

心の理論の獲得については、「誤信念課題」を用いた研究が多く行われてきました。

誤信念課題では、その場面を見ている子供には正しい情報を知らせておきながら、そこに登場する人物は誤った情報を正しいと思っている(誤信念を持っている)という状況をつくって、その場面を見ている子供に自分とは違う登場人物の考え(誤信念)が理解できているか質問します。

上記の質問は、「サリーアン課題」や「スマーティ課題」が代表的な課題です。

◉スマーティ課題とは?
スマーティ課題とは?
スマーティとはアメリカで有名な菓子の名称。スマーティの箱には他の物を入れて見せて、それを知らない他の子にその箱を見せた時に”中に何が入っていると答えると思うか”を問います。

その結果、4歳頃から誤信念の理解が出来るようになり、6歳ぐらいまでにはほぼ出来るようになると言われています。

今回はここまで。次回は「愛着の4つの発達・アタッチメント理論」についてまとめていきます。

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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