こんにちは(^▽^)/ 介護ラボのkanaです。今日は「人間の理解」の中から『介護サービスを支える組織の機能と役割』について、昨日と今日の2回に分けてまとめていきます。
教育・研修、人間関係づくり
Contents
1.理念や運営方針と事業計画の作成
1⃣理念や運営方針の作成・共有
2⃣事業計画の作成・共有
2.教育・研修づくり
3.人間関係づくり
1.理念や運営方針と事業計画の作成
1⃣理念や運営方針の作成・共有
質の高い介護サービスの提供は、法令の順守や健全な組織運営だけでは実現できません。法制の順守や健全な組織運営は、事業を運営するにあたってのミニマムライン(最低限)です。
法人としてどのような介護サービスの提供を理想としているのか、事業所として何を目的としているのかといった、いわゆる組織の理念や運営方針を掲げ、職員がそれを共有していなければ、質の高い介護サービスの提供は実現しないでしょう。
そもそも「同じ目的・志を持った集団」が組織です。
その目的や志をわかりやすい言葉で表現したのが「理念」や「運営方針」といえます。
理念や運営方針を職員間で共有することが出来てはじめて、質の高い介護サービスの提供のスタートに立てるといえます。
「理念」や「運営方針」を示すのは、経営・管理部門の役割です。また職員間で理念や運営方針を共有していく為の教育・研修の企画も経営・管理部門の役割になります。
一方、日常場面でも、ミーテイングや業務を通じて理念や運営方針の共有がされていきます。こういった日常場面での理念や運営方針の共有は、中間管理部門がその役割と責任を担います。
理念や運営方針は、いわば組織の「目標宣言」です。
利用者やその家族、また地域に向かって理念や運営方針を示すということは、『有言実行』しているかどうかを周囲からみられる環境を自ら作ることになり、組織にとっては厳しい環境にあえて身を置くことになります。
しかし、組織が自らの理念や運営方針に真摯に向かう態度を継続していれば、やがて大きな信頼を得ることになるでしょう。
そして、その理念や運営方針に共感して就職してくる介護福祉職もいるはずです。
2⃣事業計画の作成・共有
組織の理念や運営方針を具体化する計画が、事業の年度目標であり年度計画です。事業計画は、例えば介護サービスに関する目標・計画であれば、どのようなサービス(日々のケア、家族支援、行事、地域支援)を提供するのかを、中間管理部門が中心となって現場部門と話し合い、経営・管理部門にその内容を提出・報告し決定されていきます。
内容を吟味して事業所単位でまとめ、さらに事業所ごとの内容を吟味して法人単位でまとめます。
事業計画の作成過程には、法人・事業所の全職員がかかわるべきですが、事業計画の感性に責任を持つのは、経営・管理部門になります。
決定された事業計画の内容を全職員が共有・理解して、日々の介護サービス業務に取り組むことが出来るようにするのが、組織の役割です。
2.教育・研修づくり
本来、職員の教育・研修は、事業計画の一部として設定されるものです。しかし、そういった人材育成に関することは、組織の基盤となるものであり、重要性が高いものであるため、事業計画とは区別して検討・計画をする必要があります。
新人研修や2年目研修、3年目研修といった決まりきった研修計画を行うだけでは質の高い介護サービスは提供できません。
介護の経験年数やキャリアに応じた教育・研修だけではなく、職員1人ひとりが抱えている課題に関する教育や研修、職員が興味のある分野の研修、あるいは今後取得したい資格に関する研修といった、職員の希望や状況を考慮した教育・研修を行う必要があります。
その教育・研修方法も、
- 内部研修
- 外部研修
- Off-JT
- OJT
を考慮しながら、計画的に行うことが求められます。
人材育成には介護福祉職1人ひとりの個別性を尊重したきめ細やかな計画が必要となるのです。計画を作成するには職員本人と面談を繰り返すことも必要となるでしょう。
このように考えると、教育・研修計画の作成は「中間管理部門」の役割となります。その上で、その予算化や資金の確保は「経営・管理部門」の役割となります。
いずれにせよ、組織の中で人材育成のきめ細やかな計画・仕組みを設けることは、新たな人材確保が厳しい現状では、介護サービスの質の向上だけでなく、介護福祉職の離職を防ぐ意味でも重要といえます。
3.人間関係づくり
公営期財団法人介護労働安定センターが毎年度度実施している「介護労働実態調査」では、『前職の介護職を辞めた理由』の上位に、”職場の人間関係に問題があったため”という項目が必ず上がっており、人間関係を理由とする離職が多いことが分ります。
いったん離職者が出ると、次に新しい介護職員が入ってきても、介護サービスのレベルはすぐには以前のレベルに戻らないのが通常です。
職員の数が基準通りに揃ったとしても、暫くは新人職員に業務を教えるために複数勤務(教える職員と新人職員の2人一緒に勤務すること)の期間があります。
新人職員が職場に慣れ、以前からの職員と連携できるようになるには時間が掛かります。夜勤業務を1人で担当出来るようになるには2~3か月掛かるでしょう。
また、利用者や利用者の家族との人間関係の構築も一朝一夕にできるわけではありません。新人職員が介護業務を覚え、一人前になるにはそれなりの期間が必要になります。
実際、法人・事業所で1人の職員が育つには、多くの職員の労力や時間が掛かっています。離職は、今までにかけた労力や時間が失われるということでもあります。
職場の人間関係によって離職者を出してしまうことは、法人・事業所にとって大きな損失といえます。
質の高い介護サービスを持続的に提供するために、法人・事業所は、良好な人間関係の構築を個人任せにするのではなく、組織として計画的に行っていく必要があります。
中間管理部門は、そのための企画などを検討し、そのための予算を経営・管理部門に認めさせるという役割を果たさなければなりません。
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