発達と老化の理解

【高齢者に多い目の疾患】白内障・緑内障・加齢性黄斑変性と症状について vol.224

2021-01-23

こんにちは💛 介護ラボ・カナログのkanaです。今日は「高齢者に多い疾患・症状と生活上の留意点」の中から『皮膚・感覚器系』について、今日から疾患ごとに数回~数十回にわけて書いていきます。

高齢者に多い目の症状とは??

Contents

1.目の疾患とは?
 1⃣概要
 2⃣原因
 ❶白内障
 ❷緑内障
 ❸加齢黄斑変性
2.症状
 ①視力低下
 ②視野狭窄
 ③暗点
3.治療方法
4.老化に伴う視覚の変化

1.目の疾患とは?

これから皮膚・感覚器系の中でも高齢者に多い疾患として「目・耳・皮膚」についてまとめていきます。感覚系は外部からの情報を取り入れるしくみです。生体はその情報を特定の受容器で感じ取ります。その情報はニューロンを介して中枢神経系に集められ記憶と照らし合わせて認識されます。感覚は、
●特殊感覚(視覚・聴覚・平衡感覚・嗅覚・味覚)
体性感覚(皮膚感覚・深部感覚・深部痛覚)
内臓感覚(臓器感覚・内臓痛覚)
の3つに大別されます。今日はその中で目の疾患について書いていきます。

体性感覚、内臓感覚とは??

体性感覚とは、体表の受容器で受け取る皮膚感覚、腱・筋・関節などの運動器に広く分布する受容器で、受け取る深部感覚や深部痛覚があり、自らの身体状況を確認する。内臓感覚とは、尿意、便意、空腹感などの臓器感覚と内臓痛覚に分けられる。

1⃣概要

高齢者に多い視覚機能の障害を伴う疾患としては、
●白内障
●糖尿病網膜症
●緑内障
●加齢黄斑変性
などがあげられます。内閣府の障害者白書によると、平成25年度患者数は男性14.4万人、女性16.2万人、不明0.4万人で計31万人となっています。視覚の障害は社会生活やコミュニケーションでも影響が大きいため、生活への支障を踏まえて支援する必要があります。さらに高齢者にとってはQOLの点からも重要な感覚といえます。

2⃣.原因

❶白内障
白内障

白内障は、水晶体に混濁が出てきた状態で、老化現象の1つとも考えられています。水晶体はカメラのレンズにあたり厚薄によってピント調節をしています。また、目にとって害のある紫外線を吸収し、紫外線が網膜に達するのを防いでいます。老人性白内障では水晶体の周りの部分から濁りが始まることが多いです。徐々に進行してくると瞳孔の中央部分まで濁ってくるので視力が悪くなります。
糖尿病性白内障は、糖尿病が原因となって水晶体に濁りが出てくるもので、比較的若い年齢でも起こります。

❷緑内障
緑内障

緑内障は視神経が障害され視野が狭くなったり、部分的に見えなくなったりする疾患です。目の内部には房水という水分が循環しており、この循環によって圧力が発生し、眼球に一定の張りを与えて形が保たれています。この圧力のことを眼圧と言います。眼圧が上昇すると視神経が障害され、視野が狭くなる視野狭窄や、部分的に見えない部分が出来る視野欠損などの視野障害が起こります

❸加齢黄斑変性
加齢黄斑変性

加齢黄斑変性は、網膜の黄斑というと事に異常な老化現象が起こり、直接あるいは間接的に黄斑部が障害され視機能が低下してくる疾患です。見えている物の中心が歪んで見えたり、中心が暗いという中心暗転、硝子体出血などが起こります。※黄斑は網膜のほぼ中心にあり、物を見る要の部分です。

2.症状

①視力低下

視力低下は、「白内障」「緑内障」「加齢黄斑変性」の全てで見られます。目で物の形や存在を識別できる能力のことを視力といいますが、白内障では徐々に視力が低下してくる場合が多く、急に見えなくなるばあいは「網膜剥離」などがあります。
日常生活では、急に視力が低下した場合不安が大きいため、障害に応じた支援が必要になります。

②視野狭窄

「緑内障」では、見える範囲が狭くなります。視神経の障害が進むと視神経線維の数が減少する為、視神経からの情報が脳に伝わらないので視野が狭くなったり欠けたりしてきます。
しかし、視野障害は気づきにくいことが多くあります。その理由は、片方の目の視野が一部欠けていたとしても、もう片方の目で見えないところを補うためです
初期では鼻に近い部分が見えない状況ですが、ほとんどのひとは気付かないことが多く、中期になると見えない部分が増えてきます。後期になると見えない範囲が増える「求心性視野狭窄」になり歩くと人や物にぶつかることがあります。

③暗点

暗点とは、視野の中で部分的に見えない部分のことをいいます。「加齢黄斑変性」では、黄斑部が障害され中心暗点の症状が生じます(真ん中が黒く、見えないことを中心暗点と言います)。日常生活では見える範囲が狭まるので歩行や移動時の支援に留意する必要があります。

3.治療方法

それぞれの疾患により、「薬物療法」や「手術療法」を組み合わせて行われます。「白内障」では、眼内レンズの挿入で視力が回復します。

4.老化に伴う視覚の変化

  • 遠方視力より近方視力が低下する
  • 視野が狭くなる
  • 赤色系より青色系の認識が困難になる
  • 明暗順応が低下する
  • 識別に必要な照度が高くなる(物を見る際に明るさが必要になる)

老化に伴い上記のような症状が起こります。加齢による視覚変化と、疾患による視覚障害もあるので、何らかの症状に気付いた時は医療職へ繋げることが大切です。

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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