【感覚器系】老化による視覚・聴覚などの機能変化と生活への影響 vol.289

こんにちは(^▽^)/ 介護ラボのkanaです。今日は「発達と老化の理解」の中から『感覚器系の老化』について書いていきます。

加齢による五感の変化

Contents

1.感覚器系の機能の変化と生活への影響
 1⃣視覚機能の変化
 2⃣聴覚機能の変化
 3⃣平衡感覚の変化
 4⃣味覚の変化
 5⃣嗅覚の変化
 6⃣皮膚機能の変化
 7⃣生活への影響

1.感覚器系の機能の変化と生活への影響

1⃣視覚機能の変化

視覚機能

視覚は人間の活動において大切な役割を果たします。物の形や大きさ、動き、色など、外界からの情報の約80%は視覚によるといわれています。

人間の視力は40歳頃から低下し、75歳を過ぎると急速に低下していきます。視力低下の原因は、

  • 水晶体の弾力性の低下
  • 毛様体筋の萎縮による調整力の低下
  • 光を通す機能である透過性の低下

によるものです。

このことにより、「近くの物がぼやけて見える」「細かい字が霞んで見えにくい」「少し暗くなると新聞や読みづらい」などの訴えを聴くことがあります。これを『老視』といいます。

老視は適切なメガネの使用によって解消できます。視野も加齢に伴って狭くなります。加齢に伴う視野の縮小は、網膜の神経細胞の減少による感度低下や、視覚伝導路の機能低下、その他に眼瞼下垂円背などが影響しています。特に上側の見える範囲が狭くなるため、高い場所などにある表示の見落としが多くなります。

Q&A

  • 網膜:網膜は眼球壁の最も内側にある厚さ約0.2mmの透明な膜組織。光(視覚刺激)を感じ取り、それを視覚情報に交換するという重要な役割を持っている。
  • 視覚伝導路:右目と左目の資格の情報は、右半分の視野は両眼の網膜の左半分に投影され、左半分の視野は両眼の網膜の右半分に投影され、視神経を伝わって脳へ行く。更に左右共に眼球の左側の情報は大脳の左半球に、右側の情報は右半球に伝えられる。
  • 眼瞼下垂:目を開いた時に上瞼が下がってしまい、黒目にあたる部分が隠されてしまう状態を指す。垂れ下がった上瞼により、目の一部が覆われることになるので視野が狭くなるといった機能障害をもたらすことがある。
  • 円背:脊柱後彎症(せきちゅうこうわんしょう)。様々な原因によって、本来は腹部の方に凸である脊柱が、後方に凸に変形してしまう(背中が丸くなる)病気の総称のこと。
明暗順応

光覚は光の明暗を識別する力のことをいい、加齢と共に明暗順応の時間は延長します。暗順応の低下により、明るい場所から急に暗い部屋に入った時などに調節に時間が掛かります。また暗い場所から明るい場所への移動は羞明が強くなります。

明暗順応▶光の強さに対する目の調節作用。網膜の光感受性が明所で低下(明順応)し、暗所で増大(暗順応)すること。

色を判断する色覚は、水晶体の変性によって起こり、透過率が低下し色が黄色味を帯びてくすんで見えたりします。

  • 白色と黄色の区別
  • 青色と紫色の区別
  • 青色と緑色の区別

などが困難になります。逆に赤色や橙色(だいだいいろ)は目に留まりやすいといわれています。

2⃣聴覚機能の変化

聴覚の役割

聴覚は他者との音声言語によるコミュニケーションや、音楽を聴く楽しみ、危険の認識など、大切な役割を果たしています。

加齢に伴う聴力の低下は50歳を超えると著しくなるといわれています。

最も大きな変化は内耳にあらわれ、聞こえにくくなるだけでなく、音がゆがんではっきり聞こえなくなります。このような難聴を感音性難聴と言い、高齢者の難聴の多くを占めます。周波数の全域にみられますが、特に高音域での聴力低下が著しくなります。

低音域は部分的に聴き取ることが可能ですが、一部の高音域が聞き取りにくいため、本人は「変に聞こえる」と感じていることが多くなります。

また1時(いちじ)と7時(しちじ)などの似たような音の聞き取りが悪くなったり、どの方向から音や声が聞こえているのかが分かりにくくなったりします。

外耳や内耳の何らかの原因による難聴を「伝音性難聴」といいます。

この難聴は、音が小さく聞こえる状態になるため「補聴器」の使用により聞こえやすくなります。

3⃣平衡感覚の変化

平衡感覚の機能

内耳は平衡感覚の機能も担っています。内耳にある前庭と三半規管が担当しています。小脳と連動し、身体の各部の位置関係や回転などの調整を行っています。また、身体を移動させるときに姿勢の維持も行っています。

加齢と共に平衡感覚の維持が困難になり、バランスを崩したり転倒しやすくなります。

また、前庭、三半規管、小脳の調節が乱れて、めまいを起こしやすくなり、自己や転倒の危険性に繋がります。めまいは・・・

  • 浮動性めまい:身体がふわふわ浮いているような感じ、あるいはゆらゆら揺れているな感じのめまいのこと。
  • 回転性めまい:「目が回る」「天井がぐるぐる回る」などと表現されるめまいのこと。内耳と視覚が筋肉からなる、身体のバランスを保つ平衡機能の異常により起こる。
  • 一過性の脳虚血

に分けられます。

4⃣味覚の変化

味覚の変化

舌の上にある味蕾(みらい)で味を見分けます。加齢と共に味蕾が減少し味覚に変化が生じます。高齢者の場合、濃い味のものを好むようになります。

しかし、近年の研究で味覚は未来の減少に殆ど左右されず、「酸味」「塩味」「甘味」「苦味」の味の影響はごくわずかであるという報告もあります。

味覚に影響を及ぼす原因として、

  • 唾液の減少
  • 義歯の不具合
  • 口腔内の清潔の状態
  • 喫煙
  • 疾患や内服薬

などによって変化するといわれています。

5⃣嗅覚の変化

嗅覚の変化

加齢と共に嗅覚の機能も衰えます。「腐敗した臭い」や「ガスの臭い」などに気付きにくくなります。このとによる安全面の配慮が重要になります。

6⃣皮膚機能の変化

皮膚機能の変化

皮膚は全身を覆い、身体の内側と外側を分けています。保湿機能とバリア機能の役割を持ち、体内の水分が失われないように、また外界から病原微生物が侵入することを防いでいます。加齢と共に皮膚は薄くなり、弾力を失っていきます。汗腺の数も減少し、外気温に対して適切に反応できなくなります。

ドライスキン

皮脂膜も薄くなり、皮膚が乾燥しやすくなります。皮膚の乾燥はドライスキンと言われ、皮膚のバリア機能が低下し、傷つきやすくなり、細菌が侵入しやすくなります。

ドライスキン▶皮膚の柔軟性が低下し、かたくもろくなり、水分量が減少した状態のこと。

脂肪組織も薄くなり、「しわ」や「たるみ」も見られるようになります。また皮膚感覚は、

  • 温度覚
  • 触覚
  • 振動覚
  • 痛覚

などから成り立っています。加齢に伴い、非ぐにある感覚受容器(感覚点)の機能が低下し、外界からの刺激に対しての反応が低下します。また、加齢に伴う体温調節機能の低下、寒冷刺激に対する近くの低下などが適応力の低下に繋がります。

高齢者の場合、痛覚の知覚変化は複雑です。普段からあちらこちらに痛みがある場合が多く、身を守る役割を果たしている痛みを感じないまま過ごしていることもあります。

7⃣生活への影響

生活への影響

視覚・聴覚機能の変化により得られる情報が限られてきます。このことにより正しい情報が得られず危険を回避できないこともあります。また視覚機能の変化における調節力の低下や視野の狭窄によって、歩行時の転倒の危険性が高まります。

高齢者とのコミュニケーションにおいて、声の大きさや高さ、話す速度、文章の長さ、非言語的コミュニケーション、会話に適した静かな環境、内容が伝わっているかどうかの確認が重要です。

非ぐ機能の変化によるドライスキンは、皮膚にかゆみを生じます。掻くことによってさらにドライスキンを悪化させることになります。また生理的な原因だけでなく、

  • 環境
  • 入浴時のお湯の温度
  • ナイロン製品

などもドライスキンの原因になります。皮膚機能の変化は日常的に全身の状態を観察することが大切で、「けが」「やけど」「低体温」「褥瘡の発生」などに注意することが必要です。

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