発達と老化の理解

【老化に伴うパーソナリティ(性格)の変化と理論】ビックファイブによる研究とは? vol.354

2021-06-02

こんにちは。介護ラボのkanaです。今日は「発達と老化の理解」の中から『介護労働の特性と健康問題』についてまとめていきます。

ライチャードの5つのタイプについて

Contents

1.パーソナリティ(性格)の変化
 1⃣パーソナリティ変化の理論
 2⃣ライチャードの引退後の男性の適応と人格
 3⃣ビッグファイブによる縦断的研究

1.パーソナリティ(性格)の変化

パーソナリティとは?

パーソナリティは、一般的な言葉で言うと「性格」に近い心理学用語です。パーソナリティとは、環境に適応的に行動するときのその人の行動の一貫したパターンや傾向といえます。個人差がありますが、いくつかのパターンに分類できると考えられています。

高齢になると、一般的には「頑固になる」「優しくなる」といったパーソナリティの変化があるように思われていることも多いですが・・・老化に伴って生じる特有のパーソナリティの変化は本当にあるのでしょうか??

1⃣パーソナリティ変化の理論

環境の適応について

環境への適応について、老年期特有の課題があるならば、それが高齢者に共通したパーソナリティの変化を生じさせる可能性が考えられます。例えば老化によって生じる身体機能や活動性の低下は、高齢者の行動に大きく影響を与えています。

心理学的な理論でも、エリクソン(Erikson,E.H.)の生涯発達理論では、老年期には「統合」対「絶望」という心理社会的危機があることが示されています。

また、エリクソンの理論を発展させたペック(Peck,R.C.)の自我発達理論では、老年期に訪れる仕事や役割、身体的状況、さらに亡くなることへのこだわりを捨てて、新たな価値観や生活道への転換が求められることが発達的な課題として示されています。

こうした老年期に特有の課題が多くの高齢者に共通的に生じるならば、パーソナリティの変化に影響を与えている要因になると考えられます。

パーソナリティの個人差

一方で、老年期に生じる共通の課題があったとしても、その受け止め方は人によって異なっています。老年期において、それまでの人生における経験の個人差は大きいものです。高齢になって老化現象が生じるということだけを理由にパーソナリティの変化が生じるのではなく、もともと経験の違いによってもっとパーソナリティの個人差は大きいという考え方が出来ます。

また、老化現象や環境変化への受け止め方や対処方法の傾向がパーソナリティであり、それは老年期以前にすでに確立している部分も多いと考えられます。

さらに、老年期の人を取り巻く環境的な変化は高齢者の行動や心理に大きく影響を与えます。職業からの引退や配偶者や親しい人の喪失体験などの大きな環境変化は、その後のパーソナリティの変化と捉えるよりも、老年期に生じやすい環境的変化による影響と考えられます。

ある世代における大きな社会的経験(戦争、経済状況など)や時代背景も、パーソナリティの変化にみえるという側面もあります。

老年期のパーソナリティの変化

以上のことから、老年期に特有の状況や課題はあるものの、それに影響されて生じるパーソナリティの変化は、それほど大きくないのではないかと考えられています。ただし超高齢期では、老化現象の影響が大きくなり、それが活動性や外向性の低下に影響しているという指摘もあります。

しかし、基本的にはそれぞれの人が中年期までに形成してきた考え方や価値観、行動の傾向が老年期も維持され、老年期に変化があっても緩やかな変化であると考えられています。大きな行動や考え方の変化は老化の直接的な影響よりも・・・

  • 大きな生活上の環境変化
  • 個人的経験
  • 世代に応じた社会的環境の影響

などが大きいと考えられます。

2⃣ライチャードの引退後の男性の適応と人格

ライチャード(Reichard,S.)は、引退後の男性を対象として、サクセスフルエイジングが出来る人とそうでない人の人格の傾向について、以下のような5つのタイプにまとめました。

  • 円熟型(適応):ライチャードの研究では、適応的な人の中で最も人数が多いとされている。このタイプでは、老年期への移行がスムーズであり神経質でなく現実を受容し、活動や人間関係に満足している傾向がある。また、生活が報われている感覚を持ち、過去への後悔や喪失感が少ない状態で老年期を迎えている。
  • ロッキングチェアー型(安楽椅子型)(適応):全体的に受け身的であり、老年期における責任がないことや受け身的な欲求となったことに満足している。そのため老化は不利を補償するものとして歓迎していると考えられている。
  • 自己防衛(装甲)型(適応):不安に対する防衛機制が上手くはたらくタイプとされている。活動性を保つことで老化による身体的機能低下への恐怖・不安を防ぐので、受け身感や無力感に直面しない。強い防衛機制が老化への恐怖から防いでいることで適応しているといえる。
  • 外罰(憤慨)型(不適応):人生の早い時期に目標を達成できなかったことを苦々しく思っており、失望について他者を責める傾向がある。また、自分自身の老化についても許容することが難しいとされる。
  • 内罰(自席)型(不適応):失望や失敗のあった過去を振り返り、その憤慨を自分自身に向けて自分の不幸を責める傾向がある。また、抑うつ的であることが多く、歳を取るにつれて不適応感や不幸感が強調されていく傾向もある。

3⃣ビッグファイブによる縦断的研究

コスタ(Costa,P.t.)らは、パーソナリティ特性について、5つの核となる次元を見出しました。この5つの次元は、

❶神経症傾向

❷外向性

❸開放性

❹協調性

❺誠実性

であり、「ビックファイブ」と呼ばれています。

ビックファイブ

ビックファイブに基づいた質問式生活検査として「NEO人格目録」が開発されています。NEO人格目録を使った縦断的研究によって、5つの人格の各次元で、年齢経過にかかわらず集団内でのある個人の相対的位置が安定的であることが示されており、コスタたちはパーソナリティは30歳以降に安定すると述べています。

また、別の縦断的研究では世代間の違いを除去し、年齢変化による5つの次元の平均得点の変化をみると、老化によって平均値の変動が認められるものの個人内での変動は少なく、また平均値の変化もほぼ平均的な範囲内に入ることから、老化によって質的にパーソナリティが変化するわけではないといわれています。

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kana

はじめまして(^-^)/
介護ラボのカナです。
ブロガー歴2年半(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士として就業中。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」「介護福祉士」 ◉現在福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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