【高齢者に多い4つの呼吸器疾患】慢性閉塞性肺疾患(COPD)・肺炎・喘息・結核について vol.232

こんにちは💛 介護ラボ・カナログのkanaです。今日は「高齢者に多い疾患・症状と生活上の留意点」の中から『呼吸器系』について、4つの疾患を書いていきます。

ガス交換、呼吸リハビリテーションとは??

Contents

1.呼吸器系4つの疾患の概要
 1⃣慢性閉塞性肺疾患:COPD
 ●ガス交換とは?
 2⃣肺炎
 3⃣(気管支)喘息
 4⃣結核
2.4つの疾患の原因
3.症状
 ❶呼吸困難
 ❷咳
 ❸痰
 ❹発熱
4.治療方法
 ●呼吸リハビリテーション

1.呼吸器系4つの疾患の概要

呼吸器系疾患

これから呼吸器の中でも高齢者に多い「4つの疾患」についてまとめていきます。

2014年(平成26)の、厚生労働省「患者調査の概況」によると。高齢者に多い呼吸器疾患には、

  1. 慢性閉塞性肺疾患(COPD):26万1000人
  2. 肺炎:42万8000人
  3. 喘息:111万7000人
  4. 結核:2万人

という結果があります。

また2018年(平成30)の厚生労働省「人口動態統計」によると、肺炎は日本人の死因の第5位になっています。

呼吸器は生命を維持するための重要な役割があり、酸素を肺に取り入れ、二酸化炭素を外界に排出しています。そのため呼吸の通り道である上気道(鼻腔、咽頭、喉頭など)と、下気道(気管、気管支)、肺などに炎症や閉塞、けいれんなどが起こると日常生活でも呼吸困難感を伴うために生命に対する不安が生じるなど大きな影響があります。

1⃣慢性閉塞性肺疾患:COPD

COPD

慢性閉塞性肺疾患COPDとは、「肺気腫と」「慢性気管支炎」を呼ばれてきた疾患の総称です。鼻から入った空気は、咽頭・喉頭をを通って気管に入ります。気管は左右の気管支に枝分かれしながらだんだん細くなり(細気管支)、肺胞と呼ばれる多数の袋へと繋がっていきます。

COPDの原因

COPDの原因として、たばこの煙のような有害な物質に肺が長期に曝されると炎症を起こしますが、体質や年齢も影響します(中年以降の男性に多い疾患)。炎症により肺胞が破壊されると酸素の取り込みや二酸化炭素を排出する機能が低下し「ガス交換」が困難になります

また気管支の炎症でも、咳や痰が増加し、気管支が狭くなり空気の流れが低下する為息切れや呼吸困難が生じてきます。一度破壊された肺胞は不可逆であるため、治療による改善は難しくなります。呼吸機能を維持するには、酸素注入や病気の悪化を防ぐ生活が必要です。

COPD
●ガス交換とは?
ガス交換とは

ガス交換
肺にある数百万個にも連なったブドウの房のような肺胞と、肺胞を取り囲む毛細血管の間で行っています。吸い込まれた酸素は肺胞から毛細血管へ移動し、二酸化炭素は毛細血管から肺胞内の空気中へ移動します。

●外呼吸:肺におけるガス交換
●内呼吸:体の細胞と毛細血管の血液の間で行われるガス交換

2⃣肺炎

肺炎

肺炎とは、病原微生物(細菌・ウィルスなど)により、肺が急性炎症をきたした状態をいいます。

肺炎は、
●細菌性肺炎(原因微生物感染)
●非定型肺炎(細菌以外の病原微生物感染)
●肺胞性肺炎(肺胞壁に炎症がある)
●間質性肺炎(肺胞壁やその周辺の間質に炎症を起こす)
があります。また肺炎の発症場所では、病院の中か外かにより、病原微生物が異なるため
・院内感染
・市中肺炎
に分類されます。

市中肺炎は病院外微生物による細菌性肺炎で、健康な成人に発症し、原因菌として

  • 「肺炎球菌」
  • 「インフルエンザウィルス」
  • 「マイコプラズマ」

等が多いです。

さらに、加齢に伴う嚥下反射が低下することにより起こる「誤嚥性肺炎」もあります。

肺胞性肺炎では、ガス交換をする肺胞の炎症により、呼吸困難、痰、発熱などの症状がありますが、高齢になると発熱の症状は顕著でないこともあります。肺炎の場合、身体を動かすことで呼吸機能に負担を掛けるため、安静に過ごすことが必要になります。

安静にすることで運動機能の低下が生じてくるので、可能な限り機能低下しないような支援をしていくことが大切です。

3⃣(気管支)喘息

喘息

喘息は、慢性的に気道が炎症を起こし空気の通り道が細くなって呼吸する時にぜーぜー、ひゅーひゅーと鳴ったり、咳が多くなるなど息が苦しくなります。喘息が起こる背景には、複数の発症因子による慢性的なアレルギー性気道炎症があることが最近の研究で分かりました。
気道は上気道(鼻腔、咽頭、喉頭)と、下気道(気管、気管支、細気管支)に分かれます。

喘息発作が起こると、呼吸困難により死への不安を持つことがあります。さまざまな要因があるため生活習慣の見直しや、日常生活の過ごし方に気を付けることが大切です。

4⃣結核

結核

結核は、結核菌により全身に炎症が起こります(ここでは肺結核について書いていきます)。肺に結核菌が入るとそこで増殖し炎症が起こり、次第に肺が破壊されていくため呼吸する力が弱まっていきます。
最初は風邪の症状と間違いやすく、咳、痰、発熱の症状があります。これの症状が2週間以上続く場合は肺結核を疑います。また全身倦怠感、体重減少や食欲不振がみられます。

「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の分類」で結核は集団感染を起こすことがあり、第2型感染症に位置づけられています。また感染してもすぐに発病するとは限りません。人の身体は菌に対して免疫を作り対抗するので、結核菌は体内で抑えられていますが、何らかの原因で免疫力が低下すると結核菌は増殖を始め発病します。

発病すると、前項のような症状が見られます。日常生活では免疫力が低下しないように、食事や運動、人が多い場所を避けるなどに留意します。

免疫とは?

私達の身体は、常にウィルスや細菌、カビ、寄生虫など、体内への侵入に曝されており、免疫は細菌やウィルスなどの病原体が侵入すると自分(自己)と自分ではない物(非自己)を見分けるところから始まり、自分でないものを見つけるとそれを異物として攻撃し体内から取り除く働きをしている。これは個体が持っている免疫系の感染防御機能の働きが深く関係している。免疫には自然免疫と獲得免疫がある。

2.4つの疾患の原因

  • 慢性閉塞性肺疾患・COPDの危険因子は「喫煙」です。その他にも大気汚染などがあります。
  • 肺炎の原因は、一般的には肺炎球菌、インフルエンザウィルス、一般細菌以外のマイコプラズマなどの微生物が考えられます。
  • 喘息は発作を起こす誘因として、ハウスダスト、ダニ、気道感染、動物の毛などがあります。
  • 結核の原因は結核菌が身体に侵入することで感染します。感染しても免疫力が高いと発病に至ることはありませんが、高齢や何らかの原因で免疫力が低下すると結核菌が体内で活発に活動し発病に至ります。

3.症状

❶呼吸困難

呼吸困難

呼吸困難とは息がしにくくなる不快な感じを伴います。慢性閉塞性肺疾患:COPDや肺炎、喘息などで呼吸困難が見られます。
●慢性閉塞性肺疾患・COPDの場合、肺胞の機能が障害されて呼気を出しにくくなります。
●喘息の発作では炎症により気道が狭められるため呼吸がしにくくなります。
●肺炎では、気道に分泌物が増えると呼吸の通り道が狭められるので息苦しさを感じます。

❷咳

インフルエンザや風邪、肺炎、慢性閉塞性肺疾患:COPD、喘息など呼吸器疾患の殆どで咳を認めます。咳は肺の防御機能として重要で、気道内の異物を外に出そうとして反射的に生じます
咳は下気道における粘液や過度の分泌物、吸い込んだ異物を急速に外に排出するのに役立っています。肺炎や喘息などでは、気道炎症により刺激を受け咳が生じます。

  • 乾性咳嗽:痰を伴わない咳
  • 湿性咳嗽:痰と伴う咳

といいます。咳が過度になると気道の閉塞を持続させるため呼吸機能を悪化させることに繋がります。また、安眠にも大きく影響し、十分な睡眠がとれないため体力を消耗しやすくなります。そのため、日常の対応として咳が生じないための環境の調整、咳によって体力を消耗するのを防ぐ食事の工夫などの支援が必要となっていきます。

❸痰

気道粘膜は生理的に気道分泌液で潤っていますが、病気により異常をきたした気道分泌液が痰となります。慢性閉塞性肺疾患:COPDや肺炎、喘息、結核の発病で症状が出てきます。疾患により性状がサラサラの痰や、粘稠度の高い痰があります。

❹発熱

発熱

体温が平常時より上昇することを「発熱」といいます。通常平熱より1℃以上の上昇を発熱とすることが多いです。原因には、感染による発熱や腫瘍による発熱、不明な発熱もあります。また熱型には、
稽留熱(熱が下がらず1日の体温差が1℃を超えない高熱(38℃以上)が持続)
弛緩熱(熱が下がらず1日の体温差が1℃以上あり、37℃以下に下がらない)
間欠熱(1日に1度は体温が正常に下がる、体温差が大きい)
があります。

4.治療方法

  • COPD ▶「禁煙」が基本になります。治療には「薬物療法」や「呼吸リハビリテーション」「酸素療法」などがあります。
  • 高齢者場合、病状の急性増悪を引き起こしやすい呼吸器感染症を防ぐために、市区町村は、「インフルエンザワクチン」や「肺炎球菌ワクチン」の接種を奨励しています
  • 喘息の場合 ▶ 薬物療法が行われます。喘息は発作時の管理と慢性期の長期管理が必要で、そのため薬も発作時と慢性期とに分けて治療が行われます。発作がある時は、気管支の拡張作用のある薬が用いられます。
  • 結核に治療には ▶「薬物療法」や「手術療法」があります。

●呼吸リハビリテーション

呼吸リハビリテーション

呼吸リハビリテーション
口すぼめ呼吸や腹式呼吸の呼吸訓練を行い、その他運動療法や栄養療法なども行います。

※口すぼめ呼吸:口をすぼめてゆっくりと息を吐き出す呼吸法。これにより息を吐くときに口を細くし気管支の圧力を高めると、気管支が潰されにくくなり呼吸が楽になります。

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