介護の基本Ⅰ・Ⅱ

【❶こころの健康管理】ストレスの原因となる4つのハラスメント vol.337

2021-05-16

こんにちは。介護ラボのkanaです。「介護の基本」の中から『ストレスとこころの健康』について、今回と次回の2回に分けてまとめていきます。

ストレスとこころの健康

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介護従事者にとってのこころの健康問題

厚生労働省が2021年(令和3年)に公表した「労働安全衛生調査(実態調査)」によると、2020年(令和2年)11月からの1年間で、こころの健康・メンタルヘルス問題が原因で、1か月以上休んだ労働者が0.5%、退職した労働者が0.3%いました。

産業別にみると「医療、福祉」に分類される職業では、こころの健康問題で退職した労働者が0.5%と、全産業の中でも最も高くなっていました。

また、公益財団法人介護労働安定センターが2021年(令和3年)に公表した「令和3年度介護労働実態調査結果」では、30%近い介護従事者が「働く上での悩み、不安、不満等」として、

  • 「人手が足りない」:52.3%
  • 「身体的負担が大きい・腰痛や体力に不安がある」:30.0%
  • 「精神的にきつい」:24.7%

となっています。

こうした結果は、こころの健康問題が介護従事者にとって重要な問題であることを示しています。

ストレスとこころの健康

1⃣ストレスとは何か?

介護従事者は、利用者の生活や安全を支援する責任の重い役割を担い、仕事の性質上強いストレスを受けることになります。では、ストレスという言葉を聞いて何を連想しますか?

  • 嫌なこと
  • 怖いこと

を思い浮かべる人が多いと思いますが・・・

  • 嬉しいこと
  • 楽しいこと

もストレスの原因になります。

ストレスとは?

色々な体験、「怖い体験」「不安な体験」「悲しい体験」「ワクワクするような体験」や、いろいろな刺激、「大きな音」「強いにおい」「暑さ」「寒さ」などにより、精神的な緊張が高まった状態が『ストレス』と呼ばれています。

身体の反応としては、心臓がどきどきしたり、口が渇いたり、腋の下に汗をかくようなことがあります。

人類が現代のような身体に進化する前、他の動物から命を狙われていた時代に「外界の変化」に気付き、身体や精神の緊張を高めて迫りくる「危険に身構える」必要があったころから、身体に形成された反応です。

ストレスのことを「こころの危機反応」と呼ぶこともありますが、自分では「危機」と思っていない経験でもストレスの原因となることがあります。

様々なストレスの例として、

  • 身内の不幸
  • 家事
  • 仕事
  • 病気
  • 育児
  • 社会情勢
  • 昇進
  • 異動
  • 借金
  • 子どもの受験
  • 健康状態
  • 将来の見通し
  • 結婚
  • 離婚

など、1人ひとり様々な受け止め方をし、「身体の反応」「こころの反応」「行動の反応」などに影響します。

勿論個人差があるので、同じ状況でもストレスの原因となる人、ならない人がいます。

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2⃣ストレッサー(ストレスの原因)

ストレスの原因を「ストレッサー」と呼びます。ストレッサーは様々です。身内の不幸や家族の中の揉め事、借金などはわかりやすいストレッサーになります。

  • 初めての職場
  • 初めての1人暮らし
  • 初めての先輩や同僚との人間関係
  • 利用者との初めての関係

など、「初めて」の体験はストレッサーになります。

他にも、

  • 仕事で失敗したこと
  • 指導者から注意を受けた
  • 思うように仕事が出来なかった
  • 利用者さんの亡くなる場面に立ち会った
  • 利用者さんが転倒した
  • 利用者さんが誤飲した

などの場面を経験することもストレッサーになります。

自分ではなくても、同僚が大声で叱られていたり、休憩時間に人の悪口を気化されたり、気の合わない同僚と組んで仕事をするなどもストレッサーになります。

タバコを吸わない人にとっては、タバコの煙はもちろん、他人のタバコ臭い息がストレッサーになったりもします。

1人で夜勤が出来るか、朝起きられるか、忙しい時間帯の仕事をうまくこなせるかなどの不安や心配や、長時間労働や終わりの見通せない仕事、期限の迫った仕事もストレッサーになります。

そして職場の上司や同僚からのいじめや嫌がらせであるハラスメントは、強いストレッサーです。

結婚や出産、昇進、進学など、他人から見れば「幸せそう」に見える出来事も、本人にとっては新しい生活や新しい役割を体験することになるので、ストレッサーとなります。

同じで出来事でも、人によってストレッサーとして作用する力の強さは異なります。自分にとっては「たいして嫌なことではない」と思えることでも、同僚にとっては「我慢できないくらい嫌」な場合もあります。

逆に、自分にとっての辛さが、同僚には理解してもらえないことがあります。

人によってストレッサーが違ったり、ストレッサーの影響を受ける強さが違うことを理解しておく必要があります。また、睡眠不足だったり、体調が悪かったり、疲労がたまっていると、ストレッサーの影響を強く受けることになります

●パワーハラスメント
パワーハラスメント

パワーハラスメント(パワハラ)とは、上司や先輩が強い権限を背景に、部下や後輩に無理な仕事をさせたり、傷つく言葉を浴びせたりすることで、嫌な思いをさせることをいいます。

●セクシャルハラスメント
セクシャルハラスメント

セクシャルハラスメント(セクハラ)とは、相手が望んでいないのに性的な言葉を掛けたり、性的な話題の会話を求めたり、体を触ったりすることで、嫌な思いをさせることをいいます。

●マタニティハラスメント
マタニティハラスメント

マタニティハラスメント(マタハラ)とは、女性社員に対して妊娠や育児を理由に、職場の上司や同僚が嫌がらせをしたり、不快な言葉を投げかけたりすることで、嫌な思いをさせることをいいます。

●パタニティハラスメント
パタニティハラスメント

パタニティハラスメント(パタハラ)とは、男性が育児に参加したり、育児休暇を取得することに対して、職場の上司や同僚が嫌がらせをしたり、不快な言葉を投げかけたりすることで、嫌な思いをさせることをいいます。

ハラスメントは、強いストレッサーになります。様々な種類があり、雇用主には、法令でハラスメントがない職場づくりを求められています。

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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