こんにちは(^▽^)/ 介護ラボのkanaです。今日は「発達と老化の理解」の中から『老化』について書いていきます。
アルツハイマー病とピック病とは?
Contents
1.脳・神経系の機能の変化と生活への影響
1⃣脳の重量の減少
●アルツハイマー病とピック病
2⃣脳神経細胞の減少
3⃣脳の代謝の働きの低下
4⃣脳神経の働きの低下
5⃣体温維持機能の低下
●高齢期の体温7つの特徴
6⃣末梢神経系の変化
7⃣生活への影響
1.脳・神経系の機能の変化と生活への影響
1⃣脳の重量の減少
成人の脳の重量は、1200~1500gですが、20~50歳代をピークに脳の重量は減少します。アルツハイマー病やピック病などの病気によって脳の萎縮が著しく進行する場合もあります。
●アルツハイマー病とピック病
アルツハイマー病は、認知症の原因疾患として代表的な疾患の1つ。アルツハイマー型認知症では、脳における異常な変化を認めるようになり、慢性的かつ不可逆的な経過で記憶力や思考力の低下をきたします。
ピック病は、退行変性疾患の1つ。前頭葉、後頭葉など限局的に委縮する。
◉人格障害
◉認知障害
◉言語障害
◉感情障害
◉行動異常
◉判断力障害
などがみられます。
2⃣脳神経細胞の減少
脳には、約140奥の神経細胞・ニューロンがあります。神経細胞は細胞体と神経線維からなっています。中枢神経は多数の神経細胞が神経線維にあるシナプスで接し、神経伝達物質を放出して受け取った情報や刺激を他の細胞に伝達しています。
神経細胞の数やこの働きが加齢と共に低下するといわれています。このため、
- 物忘れ
- 抑うつ気分
などが生じる場合があります。
3⃣脳の代謝の働きの低下
脳の重量は体重の2~3%ですが、酸素消費量は全身の20%を占め、脳は多くの酸素を必要とすることが分かります。
脳が正常に働くためには、グルコース(糖)と酸素のエネルギー代謝が欠かせません。グルコースと酸素は血流により脳に運ばれます。
加齢に伴い脳の代謝が低下すると、脳の血流は減少します。
4⃣脳神経の働きの低下
人間には、12対の脳神経があり、「見る」「聞く」「味わう」などの働きをしていますが、加齢によりこの働きも低下します。
他の『脳のしくみ』記事はこちらから・・・
【こころって何?】脳のしくみついて vol.10
5⃣体温維持機能の低下
人間の体温は、37℃に保たれています。これは細胞が最も活動しやすい温度と言われており、通常体温は一定に保たれています。これは、熱の産生(産熱)と、熱の放散(放熱)のバランスが保たれているからです。
体温の調節には、大脳や間脳の視床下部が指令を出して調節しています。衣服を選んだり、室温を適温に調節するのは大脳の指令です。視床下部は自律神経やホルモンの中枢で、体温が一定に保たれるように調節します。
- 視床下部とは?
-
間脳の一部で、視床の下側にあり脳下垂体に繋がる部分。自律神経系の中枢で、体温調節・物質代謝の調節・睡眠・生殖など、生命維持に最も重要な統御機能を持つ。
熱の産生は骨格筋で行われ、筋肉が収縮することにより熱を発生します。寒い時には血管を収縮させることで熱が奪われることを防ぎます。
また、筋肉を動かす事(ジバリング:身震いするという意味で熱の出始めに寒気がして震える、口がガタガタ震えること)で、熱を産生したりします。
さらに、体温の上昇を防ぐために末梢血管を拡張したり、発汗によって熱を放出します。汗をかかないでいると「うつ熱」状態になり、熱中症を起こすことがあります。
●高齢期の体温7つの特徴
特徴❼つ
【高齢期の体温の特徴❼つ】
❶高齢になると基礎代謝が低下し、30~40歳代と比較すると、男性で20%、女性で15%前後熱産生量の低下がみられる。
❷筋肉量が減少し熱産生が減少する。
❸末梢血管の収縮反応が遅くなり、熱の放散が起きやすく低体温になる。
❹骨量や筋肉量が減少し、活動の低下に繋がり、骨格筋による熱産生が減少する。
❺暑さ、寒さを感じにくく、反応するのにも時間が掛かるようになる。
❻体温調節中枢の機能が低下し、発汗を促す自律神経からの汗腺への指令が遅れる。
❼高温の環境に置かれた場合の核心温(身体深部の温度)の上昇度が若い人より大きくなり、熱中症にかかりやすくなる。
6⃣末梢神経系の変化
加齢に伴い末梢神経の伝達速度は遅くなります。刺激を受けてから反応するまでの時間(反応時間)の遅れは、「視覚や聴覚」や「筋力」やの低下など複合的な要因によって生じます。
複雑な運動ほど反応時間が遅くなり、動作が緩慢になります。また自律神経は加齢変化が大きく、
- 血圧の調整作用の低下
- 肺のガス交換作用の低下
- 胃酸・消化液分泌量の低下
- 膀胱収縮作用低下による排泄障害
- 発汗・発熱体温調節機能低下
- 嚥下機能の障害
などが起こりやすくなります。
7⃣生活への影響
物忘れが起こりやすくなります。物忘れは病気ではなく、加齢にと共に生じ、「人や物の名前が思い出せない」など、体験の一部を忘れることです。本人は物忘れを自覚しています。
脳・神経系の加齢変化位により「記銘力」が低下しやすいといわれており、様々な情報を記憶することが困難になります。また、脳内の情報処理に時間が掛かります。
さらに、神経反射の低下によりとっさの行動が取りにくくなります。例えば、バランスを崩して転びそうになった時に、すぐに手を前に出すことが出来ず転倒しやすくなります。
また、知覚反射の遅れも見られるようになり、沸騰したやかんに触れてしまった場合、反射的に手を離すことが出来ずに火傷に繋がることがあるので注意が必要です。
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【記憶とは何か?】神経学では3つに分類される vol.11
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