発達と老化の理解

【血液・循環器系】老化による機能の6つの変化と生活への影響 vol.290

2021-03-30

こんにちは(^▽^)/ 介護ラボのkanaです。今回は「発達と老化の理解」の中から『老化(血液・循環器系)』について書いていきます。

血液を送る仕組みとは??

介護ラボのトップページ(色々なカテゴリーをまとめています)🌟

血液・循環器系の機能の6つの変化

1⃣血液の変化

血液の変化

血液は骨髄でつくられますが、老化による「血液の変化」として、加齢と共に洞穴機能のある赤い骨髄が減少します。高齢になると赤血球の数は減少しますが、白血球は殆ど変化がありません。

骨髄▶骨の中心にある腔所や海面室の小腔を満たす細胞と血管に富んだ柔らかな組織。元来は赤色で、赤血球・白血球・血小板を盛んにつくるが、年齢と共に脂肪に置換されて黄色くなり機能を失う。

赤血球のヘモグロビンは、酸素を組織に運ぶ役割をしていますが、赤血球の減少によって十分な酸素を運ぶことが出来ず、

  • 疲労しやすい
  • 身体がだるい

などの訴えが多くなり、活動量の減少に繋がることもあります。

ヘモグロビン▶脊椎動物の赤血球中に含まれるたんぱく質のグロビンと鉄を含む色素ヘムとが結合した色素たんぱく質。

2⃣血管壁の変化

血管壁の変化

老化により「血管壁の変化」があります。加齢により血管の内壁にコレステロール等が沈着してプラークを形成し、動脈硬化を起こしやすくなります。動脈硬化は血管壁が厚くなり、弾力が低下してかたくなります。そのため血液の流れに対する抵抗が増すことにより、高血圧になる傾向があります。
プラーク:コレステロールや脂肪が内膜に柔らかい沈着物となってたまり、それが厚くなって出来た血管のこぶのようなもの。粥腫ともいう。

例えば、

◉動悸やめまい
◉ふらふらする
◉息切れ
◉頭痛
◉気分が悪い
などの症状を伴う場合は、治療が必要なこともあります。血管壁の変化は『生活習慣』も大きく関係します。

3⃣血圧の変化

加齢(老化)により、

  • 収縮期血圧の上昇(最高血圧)
  • 拡張期血圧の低下(最低血圧)

がみられます。

また、血圧の変化を調節する働きの低下によって、上昇や下降に対応するために時間を要します。

血圧の変化

従って、高齢期の場合、急に身体を起こしたり姿勢を変えることによって「起立性低血圧」を起こす場合があるため注意が必要です。

収縮期血圧と拡張期血圧とは?

・収縮期血圧▶心臓が収縮した時の血圧。血液が心臓から全身に送り出された状態で血圧が最も高くなるため『最高血圧』とも呼ばれる。

・拡張期血圧▶心臓が拡張した時の血圧。全身を循環する血液が肺静脈から心臓へ戻った状態で、血圧が最も低くなるため『最低血圧』とも呼ばれる。

4⃣血液を送る仕組み

血液を送る仕組み

上大静脈の血液は重力に従って心臓に戻ります。しかし下大静脈の血液は重力に逆らって心臓に戻らなければなりません。そのため下大静脈に並行して走る動脈の拍動や下肢筋肉の収縮の力を得て心臓に戻ります。静脈には弁が付いており血液の逆流を防いでいます。

加齢(老化)に伴い下肢静脈瘤(下肢の静脈にある弁の機能が低下し静脈血が逆流し血管がこぶのように膨らんだ状態)が出来ることがあり、静脈炎や血栓を起こすこともあります。足の運動やマッサージ、弾力包帯の使用などにおり血行を促す必要があります。

特に臥床(寝ている状態)している時間が長い場合は、足首の運動や膝の曲げ伸ばしなどレッグパンピング(下肢の筋ポンプ作用)に準じた下肢の運動を行い血流をよくすることが重要です。

「介護ラボ」の人気の記事【1~7位】
【ピアジェ、エリクソン、ハヴィガースト】発達段階と発達課題 vol.77 
【比較】エンパワメントとストレングスとは?介護福祉職による支援方法 vol.45 
【老年期】ハヴィガースト、エリクソン、ペック、レヴィンソン、バルテスの発達理論 vol.283 
【介護福祉の基本理念・ポイント3つ】最も大切な理念とは? vol.8 
【障害受容の5つの段階】障害者を取り巻く4つの障壁(バリア)vol.49 
【発達理論】ピアジェ、エリクソン、バルテスの発達論を理解する vol.76 
【アセスメントの3つの視点】情報の解釈、関連付け、統合化とは? vol.195 

5⃣左心室の肥大

左心室の肥大

「左心室の肥大」→ 加齢(老化)に伴い心臓の筋肉が厚くなり、ポンプ機能の役割を担う左心室の心臓の筋肉が厚くなります。

6⃣心拍出量の低下

心拍出量の低下

加齢(老化)により、心拍出量の低下があります。心臓が1分間に送り出す血液の量を心拍出量といい、1回あたり約70㎖の排出量になります。心拍数が60回の場合は4.2ℓ/分です。

高齢者は、安静時の心拍出量は成人とあまり変わりませんが、運動時でも最大心拍数が上がらないため、1分の心拍出量は増加しません。

血管・循環器による高齢者の生活への影響

生活への影響

高齢者は、運動時に息切れしやすく、強い運動長時間の運動は持続しにくいといえます。また、最大心拍数が上がらないと全身への酸素の供給が不足する為、強い運動を持続する力は低下します。

また、血管の弾力性が低下しているため、毛細血管が損傷しやすく皮下出血を起こしやすくなります。打撲や怪我などに注意が必要です。

気になるワードがありましたら、下記の「ワード」若しくは、サイドバー(携帯スマホは最下部)に「サイト内検索」があります。良かったらキーワード検索してみて下さい(^▽^)/

ADL QOL グループホーム ケーススタディ コミュニケーション ノーマライゼーション バリアフリー ブログについて ユニバーサルデザイン 介護の法律や制度 介護サービス 介護予防 介護保険 介護福祉士 介護福祉職 他職種 住環境整備 入浴 入浴の介護 医行為 喀痰吸引 地域包括ケアシステム 多職種 尊厳 感染症 支援 施設 権利擁護 社会保障 福祉住環境 福祉住環境整備 福祉用具 経管栄養 老化 脳性麻痺 自立支援 視覚障害 認知症 誤嚥性肺炎 障害について 障害者 障害者総合支援制度 障害者総合支援法 食事 高齢者


人気ブログランキング

にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村

に参加しています。よかったら応援お願いします💛

Twitterのフォローよろしくお願いします🥺





Follow me!

  • X
  • この記事を書いた人
  • 最新記事

kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
よろしくお願いします♡

-発達と老化の理解
-,