介護過程

【ICFモデル】アセスメントの3つの視点と情報収集の方法 vol.130

2020-10-21

こんにちは 介護ラボ・カナログのカナです。今日は介護過程の中から・ ・・

アセスメントとICFモデルを活用した情報収集の例示

Contents

1.情報収集の意義
 1⃣アセスメントと情報収集
 2⃣アセスメントの3つの視点

2.情報収集の方法(ICFモデルの活用)
 1⃣直接的な情報収集・留意点
 2⃣間接的な情報収集・留意点
3.生活像を組み立てる3つの観点
4.ICFモデルを活用した情報収集の例示
 1⃣健康状態
 2⃣心身機能・身体構造
 3⃣活動
 4⃣参加
 5⃣環境因子
 6⃣個人因子

1.情報収集の意義

情報収集とは?

情報収集とは意図的な観察により利用者の生活の全体像を捉えることを指しています。情報収集は、利用者の出来ないこと(マイナス面)だけに留まらず、利用者自身の「何かに取り組もう」とする気持ちや潜在能力の有無、その人を取り巻く人や物的環境の強み(プラス面)など、利用者及び環境を含めた生活全般を捉えます。

介護福祉士は、日常生活を営むのに支障がある人を対象に「心身の状態に応じた介護ならびに介護に関する指導を行うことを業とする」と規定されています。

つまり、個別ケアの提供を求めているということです。同じ障害や病気を持っていたとしても、その人の生い立ちや価値観、どのような生活を送りたいかという希望が違えばケアの方法も変わってきます。そのため、利用者と関わろうとするとき、介護福祉職がまず気になるのは、「どんな状態の人だろう」や、「何に気をつけたら良いのだろう」ということになります。

提供者主体、もしくは利用者の生活課題に対応していない介護実践に陥らないためには、利用者の状況を客観的に観察し把握するという情報収集が重要となります。

介護過程の一連のプロセスからもわかるように、介護過程のスタート地点は情報収集です。ここで得られた情報が、次の情報の解釈・関連付け・統合化へと思考を進めるための題材となり、生活課題を明確にするための根拠となるものです。

また、明確になった生活課題を基本に介護計画の立案へと進めるため、情報収集の適否がその後の介護の介護過程のプロセスに大きく影響します。それほどに情報収集は大きな意義を持ち重要な位置を占めています。

1⃣アセスメントと情報収集

介護福祉職の中には、情報収集のみをもってアセスメントと理解している人がいます。しかし情報を収集することだけではアセスメントにはなりません。

利用者に関する沢山の情報を得ることは確かに重要です。しかし、情報がそこにあるだけでは、その人がどのような困りごと(生活課題)を抱えていて、どのような支援が必要なのかはわかりません。

得た情報を解釈・関連付け・統合化することで初めて、利用者の生活課題を明確にすることが可能になるのです。

2⃣アセスメントの3つの視点

アセスメントには3つの視点があります。それは、

  • 自立の視点
  • 快適の視点
  • 安全の視点

です。これらの3つの視点を介護過程の展開における「アセスメントの視点」として活用していきます。

3つの視点

この3つの視点は、介護福祉の理念、「自立支援」「個人の尊厳」という概念から、介護福祉職の役割である「命を守る」ということも踏まえて、3つめの安全の視点も導き出しています。

2.情報収集の方法(ICFモデルの活用)

情報取集では、主に観察技術とコミュニケーション技術を活用します。そして、情報収集には、

  • 直接的な情報収集
  • 間接的な情報収集

があり、双方の手法を駆使した収集が必要です。

1⃣直接的な情報収集・留意点

直接的な情報収集

直接的な情報収集とは、利用者と直接的な関わり合いを持ちながら自己の五感を介した観察により情報を収集する方法です。直接的な情報収集をより効果的に行うためには、観察点について、どのような目的で、何を観察するのかを明確に意識していることが重要です。

直接的な観察にあたっては、利用者や家族との人間関係が大きく影響します。利用者と介護福祉職との間で信頼関係が構築されていると利用者にこころを開いてもらいやすくなります。

情報収集の目的で利用者と向き合うためには、介護実践の基礎となる信頼関係の構築が前提です。そのうえで、どのような内容について、どのような方法で情報を収集することが、利用者への負担を掛けず効果的に行えるのかを考える必要があります。

2⃣間接的な情報収集・留意点

間接的な情報収集

間接的な情報収集とは、各種の記録やチームメンバー、他職種などからの情報提供によって情報を収集する方法です。チームメンバーがお互いに、チームの一員としての責任や役割を自覚し、情報の共有を意識した個別記録やケアカンファレンス記録などを充実できるよう取り組むことが望まれます。それらが共有されると同時に、チームメンバーや他職種からの報告、連絡、相談を介した情報収集をする必要があります。

間接的な情報収集は、チームと他職種間のコミュニケーション状態が良いかどうかに影響を受けます。目の前の利用者とのコミュニケーション技術に留まらず、チームの一員としてのメンバーシップを果たすための、チームコミュニケーション能力を高めることが求められます。

3.生活像を組み立てる3つの観点

1人の生活全般の情報は膨大です。そのため集めた情報をただ並べただけでは混乱してしまい、のちに解釈のために意味をなさないことがあります。

次項に書く❶~❸の観点で組み立てると、情報収集した生活像を立体的に捉え整理しやすくなると思います。また❶~❸の観点はICF(国際機能分類)とも密接に関連しています。

ICFモデルを活用することで、必要な情報が何かを考える基準に個々の介護福祉職によるばらつきが出ないよう、情報収集の標準化を図ることが可能になります

生活像を組み立てる3つの観点

  1. 人生のどんな時期にあって
  2. どんな健康状態で
  3. どのように生活している人なのか

この観点は以下の情報を含みます。

❶人生のどの時期にあって⇒この観点は、人の発達段階を参加に設定しています。つまり、

  • 年齢
  • 性別
  • 生活歴
  • 既往歴
  • 価値観
  • 趣味

などになります。これらはICFモデルでは「個人因子」に含まれます。

❷どのような健康状態で⇒これには病気の有無とその程度、障害の有無とその程度、利用者の思いなどが含まれます。

これらはICFモデルでは「健康状態」「心理機能・身体構造」に含まれます。

❸どのように生活している人なのか⇒これには生活活動の状況、生活環境、社会との交流などが該当します。

これらはICFモデルでは「活動」「参加」「環境因子」に含まれます。

4.ICFモデルを活用した情報収集の例示

ここからは「Aさん、女性、82歳」という架空の人物を例にとってICFモデルを使った情報収集の例を示していきます。6つの構成要素を具体的に書いていきます。

1⃣健康状態

病気や怪我だけでなく、生活機能の低下を招く可能性のあるもの、身体系の生理的機能の変調等、全てを含む広い健康上の問題を観察することが大切です。

例示の観察内容は、

  • 70歳代後半でアルツハイマー型認知症を発症した
  • 認知症高齢者の日常生活自立をⅢa
  • 便秘傾向にあり毎夕食後に緩和剤を服用している
  • 体温や脈拍、呼吸数や血圧などもわかれば記載するとよい

2⃣心身機能・身体構造

身体的の生理的機能及び心理的機能・身体構造を観察することが必要です。

例示の観察内容は、

  • 物忘れがあり、物事を理解するのが難しい
  • 誰にでも気軽に話しかけるが、同じ話を繰り返す
  • 歩行が不安定になることがある

3⃣活動

歩行・食事・更衣・洗面・排泄・入浴など身の回りの行為だけでなく、様々な家事行為、社会参加のために必要な活動等について観察することが必要です。今回の事例では情報が少ないですが、観察して気付いたことは記載することが必要です。

例示の観察内容は、

  • 掃除や洗濯たたみ、食事の運びや片付けは積極的に行っているが、手順が分からなくなることがある
  • 自分の部屋やトイレの場所が分からなくなり、立ち止まることがある
  • 食事は普通食だが、硬い物は義歯が合わず刻み食

4⃣参加

仕事・家庭内での役割、地域社会への参加等、人生において何らかの役割について観察することが必要です。

例示の観察内容は、

  • 長女との面会を楽しみにしている
  • 日中はフロアで過ごすことが多く、他の利用者との交流がある
  • 外出の約束を忘れることがある
  • 同じ話を繰り返し、他の利用者から注意されたことがある

5⃣環境因子

物理的な生活環境や人的つながり、利用している社会的・制度的サービスの有無等について観察することが大切です。

例示の観察内容は、

  • 特別養護老人ホームに入所してる
  • 部屋は個室でテレビがある
  • 長女が週1回面会に来る
  • 長女のことが分からなくなることがある

6⃣個人因子

個人の属性(年齢・性別・生活歴・ライフスタイル・価値観等)を観察することが必要です。

例示の観察内容は、

  • Aさん、女性、要介護3
  • 穏やかで優しい、遠慮がちな性格
  • 定年まで保育士として働いていた
  • 夫は他界している
  • 和菓子が好物

以上の観察内容の例示をICFモデルの記録に載せると次のようになります。

このように、直接的な情報収集と間接的な情報収集を合わせてAさんの情報を集め、ICFに分類し可視化することで、Aさんに対して必要な自立支援が見えてきます。

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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