医療的ケア

【②高齢者及び障害児・者の喀痰吸引概論】いつもと違う呼吸状態とは? vol.528

2021-11-23

こんにちは 介護ラボのkanaです。今日は「医療的ケア」の中から『高齢者及び障害児・者の喀痰吸引概論』について10回にわけて(呼吸のしくみから吸引についての理解、利用する家族の気持ち…など)書いていきます。今日は2回目です!!

呼吸困難がもたらす苦痛と障害

Contents

1.いつもと違う呼吸状態とは
 1⃣呼吸の回数
 2⃣呼吸の音
 3⃣呼吸の仕方
 4⃣呼吸の苦しさ:呼吸困難
2.呼吸困難がもたらす苦痛と障害

1.いつもと違う呼吸状態とは

いつもと違う呼吸状態かどうかを見る時は、以下を観察します。

  • 呼吸の回数が増えたり減ったりしていないか
  • 呼吸の音の異常を感じるか
  • 呼吸の仕方はおかしくないか
  • 苦しさを感じていないか

次項から、正常な呼吸状態と、いつもと違う呼吸について具体的に説明していきます。

1⃣呼吸の回数

呼吸が正常の場合、成人は1分間に約12~18回程度、乳児では1分間で約30回、5歳児では1分間で約25回といわれています。

しかし、何らかの呼吸器官の障害や発熱などによって、いつもより体内で酸素を必要とする時には、不足する酸素を補うために呼吸回数が増えることがあります。

とくに呼吸器の病気のある人では、歩行や入浴などの際に、活動のための体内の酸素の必要量が多くなるため、呼吸の回数が増えることがあります。

また、体内(脳)の酸素が不足しすぎている場合には、呼吸の回数が減ったり、停止してしまうことがあります。

2⃣呼吸の音

正常な呼吸の音は、スースーといった空気の通るかすかな音が聞こえる程度です。しかし、空気の通り道である「口・鼻・咽頭・喉頭・期間・気管支・肺」のいずれかで空気の通りが悪くなった場合に、呼吸の音が変化します。

例えば、気管支喘息などの病気は気管支が細くなることで呼吸に合わせて、「ヒューヒュー」「ゼーゼー」という音が聞こえたり、さらに痰や分泌物で空気の通りが悪くなると、ゴロゴロとした音がしたりします。

3⃣呼吸の仕方

正常な呼吸の仕方は、安静時には胸部や腹部が呼吸に合わせて比較的一定のリズムで膨らんだり縮んだりします。しかし、このリズムが速くなったり、呼吸の感覚が不規則に長くなったり短くなったりする場合は、体内の酸素が非常に不足してきた状態を示している可能性があります。

さらに、呼吸の仕方や腹部のみの動きでなく、肩を上下させたり、口をすぼめて呼吸したりする場合は呼吸が困難な状態と考えて対処します。

4⃣呼吸の苦しさ:呼吸困難

呼吸器官に異常がない場合、通常は呼吸の苦しさを感じません。しかし、呼吸器官やその他の病気などによって呼吸が上手く行えない場合には、呼吸することが非常に苦しく不快と感じることがあります。これを呼吸困難といいます。

本人が「苦しい」といえる場合だけでなく、意識がない状態の人や「苦しい」と訴えない人であっても、観察によって苦痛の表情や胸を搔きむしるなどの行為がみられたり、息が荒くなっていたりする場合は、呼吸困難があると考えて対処します。

呼吸困難には、軽い息切れの状態から、息が出来ないと感じるほど重篤な状態まで、様々な状態があります。

これまでに述べた、「呼吸の回数」「呼吸の音」「呼吸の仕方」「呼吸の苦しさ」について、いつもの状態との比較をし、おかしいと感じた場合は重篤な状態を示している可能性があります。医師・看護職に連絡して適切な対処をしてもらうことが大切です。

2.呼吸困難がもたらす苦痛と障害

呼吸が困難となり、苦しさを感じることは、それまで意識せずに行えていた呼吸が思うようにできないことから、

  • 「息が止まるのではないか」
  • 「死ぬのではないか」

という、生命が脅かされるような恐怖を感じることがあります。

このような恐怖や不安に加えて、呼吸の苦しさが改善されない場合は心身ともに衰弱してしまい、精神的に非常に不安定な状態となります。

また、呼吸困難となり、体内の酸素が不足していくことで、行動や意識にも変化が生じてきます。例えば、軽度の酸素不足の場合は注意力・判断力の低下や、行動が落ち着かなくなるなどの変化がみられます。

さらに、酸素不足が長期化した場合には意識が薄れて反応が乏しくなっていたり、呼びかけに反応を示さなくなったりすることもあります。

このように、呼吸の苦しさは身体への重篤な影響を与えたり、精神的にも不安や恐怖心をもたらしたりすることが考えられるため、早急に医師・看護師による医療的対応を行うとともに、苦痛を受け止める支援をすることが必要です。

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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