【③高齢者及び障害児・者の喀痰吸引概論】いつもと違う「3つの観察項目と痰の性状の変化」vol.529

こんにちは 介護ラボのkanaです。今日は「医療的ケア」の中から『高齢者及び障害児・者の喀痰吸引概論』について10回にわけて(呼吸のしくみから吸引についての理解、利用する家族の気持ち…など)書いていきます。今日は3回目です!!

痰を生じて排出する仕組み

Contents

1.喀痰吸引とは?
 1⃣痰を生じて排出する仕組み
 2⃣痰の貯留を示す状態
 3⃣いつもと違う「3つの観察項目と痰の性状の変化」
 4⃣喀痰吸引とは
2.まとめ

1.喀痰吸引とは?

1⃣痰を生じて排出する仕組み

呼吸器官の内部の表面は、分泌物によって常に湿った状態になっています。この分泌物は呼吸器官を湿らせ、吸い込んだ空気中に含まれる塵や微生物・異物を捉えて、気管や肺の奥に入らないようにしています。

一方、気管の内部の表面では、この分泌物が気管の奥に入らないように、喉の方に押し上げるような動きをしています。

そして気管からのどの部分まで押し上げられた分泌物は、通常、無意識のうちに食道の方に飲み込んでいます。塵や異物を捉えた余剰な分泌物を「痰」といいます。

喉や気管に絡まった痰は、通常は咳や咳払いをして排出することができます。

しかし、チリや微生物・異物を捉えた分泌物が増加したり、粘り気(粘性)が増したりすると、排出されずに空気の通り道である気管や喉などに溜まってしまいます。

痰の性状は分泌物が取り込んだ塵・微生物・異物の種類や量によって変化します。通常の痰の性状は無色透明またはやや白色に濁っていて、強いにおいはありません。

気道の内部の湿った状態が正常に保たれていれば、粘性はやや粘り気がある程度です。ふつうは、痰の排出については意識していません。

痰がいつもと違うと気付くには、いつもに比べて

  • 痰の色に変化がないか
  • 粘り気に変化がないか
  • 痰のにおいがおかしくないか

などに注意しておくことが必要です。

また、いつもと違うと感じた時には、必ず医師・看護職に連絡をするとともに、痰の性状を記録しておくことが重要です。

2⃣痰の貯留を示す状態

痰が溜まって貯留する状態とは、痰の量が増えたり、粘性が増したりして分泌物を食道の方に飲み込めずに、気道や喉、口・鼻に停滞している状態をいいます。

空気の通り道に痰が貯留すると、通り道が狭くなり、呼吸に合わせて音が聞こえることがあります。痰が貯留している場所や量によって音は異なりますが、例えば、

  • 口の中でゴロゴロと聞こえる
  • 鼻の奥の方でズルズルという音が聞こえる
  • もっと奥の方で、ゼロゼロという音がする

ことがあります。

また、痰が貯留すると人間のからだは痰を異物を判断して、反射的に体外に排出しようとして咳をします。痰が絡むような音を伴いながら咳を繰り返している状態は、気管の奥の方で痰が貯留している可能性があります。

3⃣いつもと違う「3つの観察項目と痰の性状の変化」

❶痰の観察項目【色】
◉白色の濁りが強くなる:何らかの感染がある
◉黄色っぽくなる:何らかの感染がある
◉緑っぽくなる:何らかの感染がある
◉うっすら赤くなる:口・鼻・喉・気管などに傷がある
◉赤い点々が混じっている: 口・鼻・喉・気管などに傷がある
◉鮮やかな赤色が混ざっている: 口・鼻・喉・気管などから出血している
◉黒ずんだ赤色が混ざっている: 口・鼻・喉・気管などから以前に出血していた

❷痰の観察項目【粘性】
◉さらさらしている
・透明色で量が増える場合:急性の気道の炎症など
・鮮やかな赤色:緊急対処を伴う出血がある
◉粘り気がある
・体内の水分が不足して乾燥している
・色の変化(黄色・緑色)を伴う場合は何らかの感染がある

❸痰の観察項目【におい】
◉腐敗臭:何らかの感染がある
◉甘酸っぱいにおい:何らかの感染がある

痰が貯留して空気の通り道をふさいでいる状態である「気道閉塞」の時には、呼吸の苦しさや呼吸の仕方、顔色が変化するということが起こります。全く空気が入らなくなった場合は、窒息する可能性があります。

自分で、「痰が溜まっている」「息が苦しい」などど伝えられる人もいますが、伝えられない人もいます。

このような状態の時には痰を除去して、酸素の取り込みを正常に戻すような対処が必要になりますので、迅速に医師・看護職に連絡することが大切です。

また、痰の貯留などによって、体の中の酸素が不足してしまう状態を「低酸素状態」といいます。気道閉塞は、痰の貯留のほかに気管に食物などが入らないようにするための咽頭の下にある喉頭蓋が上手く働かず、気管に何らかのものが入ってしまった場合の誤嚥などにも起こります。

4⃣喀痰吸引とは

貯留している痰を迅速に除去しなければ人間のからだは酸素を取り込むことが困難になり、場合によっては死に至ります。

貯留している痰を出し役するには、環境調整や体位の工夫などを行います。しかし、それでも自力で痰を取り出すことが難しい場合に、器具付を使って痰を吸い出すことを喀痰吸引といいます。

「喀痰吸引」は、医行為であり、「医師の医学的判断および技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、または危害を及ぼす恐れのある行為」です。介護福祉士が喀痰吸引を実施する場合は、必ず医師の指示書が必要です。

喀痰吸引は、吸引機に繋いだ管である吸引チューブを口や鼻から挿入して痰を拭い出します。口の中から管を挿入する場合を「口腔内吸引」、鼻の穴から挿入する場合を「鼻腔内吸引」といいます。

口から吸引した場合でも、鼻からの吸引が不要なわけではありません。また、鼻から吸引した場合でも、口からの吸引が不要なわけではありません。医師・看護師の指示に従い実施します。

喀痰吸引は、吸引チューブを口や鼻から挿入するため、使用する器具や実施する人の清潔を保持しておくことが大切です。

また、固い管を挿入しますので、口や鼻を傷つけないよう静かに挿入するとともに個々の利用者によって決められた吸引チューブの挿入の深さや、痰を吸い取る吸引圧を守ることが必要です。

吸引中、利用者は十分な呼吸ができなくなります。したがって、体の中の酸素が不臆して危険を及ぼす可能性もありますので、吸引前後の利用者の状態を十分観察するとともに、吸引チューブの挿入時間(吸引する時間)を確実に守ることが非常大切です。

2.まとめ

喀痰吸引は、痰を除去することによって利用者の呼吸をしやすくするために行うものです。

しかし、正しい方法で実施しなければかえって利用者の身体に危害を加えてしまう恐れがありますので、十分注意することが大切です。

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