こんにちは(^▽^)/ 介護ラボのkanaです。今日は「障害の理解」の中から『精神障害』について、今日と明日、明後日の3回に分けて書いていきます。
精神障害の種類とストレスモデル
Contents
1.精神障害とは
1⃣原因についての古典的3分類・6種類
2⃣ICDのストレスー脆弱性モデル
3⃣ラザルスによるストレスモデル
2.障害の種類
1⃣ICD-10 Fコードにおける診断分類
3.まとめ
1.精神障害とは
今日から3回に分けて精神障害についてまとめていきます。今日は精神障害の種類とストレスモデルについて・・・。
1⃣原因についての古典的3分類・6種類
精神障害には様々な種類があります。古くはその原因をもとにして、「外因性精神障害」「心因性精神障害」そして、「内因性精神障害」の3つに分けられていました。
- 外因性精神障害:病気や外傷などから脳への直性的な影響によって発症する精神障害
- 心因性精神障害:性格やストレスなど心理的な影響によって発症する精神障害
- 内因性精神障害:外因性や心因性だけでは原因の説明ができず、それらに加えて遺伝的要因等のかかわりが疑われる精神障害
しかしながら・・・精神障害の原因は1つに限定できない場合も珍しくなく、現在では外因性・心因性・内因性という区別よりも操作的診断による区別を用いることが一般的になってきています。
- 精神障害とは?
-
今回まとめる精神障害は精神疾患と呼ばれる場合もある。実際のところ「精神障害」と「精神疾患」は同じような意味で使われることもしばしばある。「疾患」とは単一の病(例:統合失調症)ではなく、ある病の集合体や概念的なものに用いるとされており、やや広い意味を持つ言葉である。一方で医学的に「疾患」は、病的な状態について意味する言葉でもある。よって、医学的に明らかに病的な状態でない人や生活課題を持つ人などを含む「精神障害」という言葉は、「精神疾患」より広い意味を持つ言葉といえる。
精神障害の原因についての古典的3分類・6種類
●【外因性精神障害】
➡脳への直接的・生理的影響によって生じるもの
(例:脳器質性疾患に伴う器質性精神障害)
◆器質性精神障害
➡脳腫瘍や脳髄膜変、頭部外傷など脳そのものの病気によって生じるもの
◆症状性精神障害
➡脳以外の内分泌や代謝異常、感染症によって生じるもの
◆中毒性精神障害
➡体内に薬物・毒物が入り込むことで生じるもの
●【心因性精神障害】
➡性格や心理的な負担、ストレスなど心理的影響によって生じるもの
(例:適応障害、パニック障害)
●【内因的精神障害】
➡外因性や心因性では明らかな原因を説明できず、遺伝的素因や身体的基盤の存在で生じると疑われているもの
(例:統合失調症、双極性障害、気分障害)
2⃣ICDのストレスー脆弱性モデル
現在、指針障害の診断分類として国際的に使用されている診断基準は、ICD(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems:国際疾病分類)と、DSM(Diagnositic and Statistical Manual of Mental Disoeders:精神疾患の診断基準と統計マニュアル)です。
●ICD:国際疾病分類
正式な名前を「疾病及び国連保険問題の国際統計分類」という。
●DSM:精神疾患の診断と統計マニュアル
アメリカ精神医学会によって出版された書籍で、最新版(第5版)が2013年に出版されている。
ICDは、WHO(世界保健機関)によって作成され、これまでは第10版が使用されていましたが、2018年6月に第11版が公表され、今後ICD-11の適用に向けて検討されることとなります。
DSMは米国精神医学会によって開発され、現在第5版が発刊されています。統合失調症をはじめとした精神障害の原因や理論として、近年では「ストレスー脆弱性モデル」が一般的になってきています。
ズービン(Zubin,J.)とスプリング(Spring,B.)は、
- 生態学
- 発達
- 学習
- 内部環境
- 遺伝
- 神経整理
の6領域で統合失調症の発症にかかわるかもしれない要因に関する研究を行いました。その結果、其々の要因が単一では統合失調症の発病に関する条件を満たさないとし、其々の要因が相互に影響し合って統合失調症が発症するという「脆弱性モデル」を提案しました。
3⃣ラザルスによるストレスモデル
ラザルス(Lazarus,R.S.)によるストレスモデルでは、精神障害が発症する要因として、個人が持つ素因である遺伝や性格と、ストレスとの関連が指摘され、「ストレス反応」として精神障害が発症するストレス理論を提唱しました。
2⃣や3⃣の議論を通して、現在の「ストレスー脆弱性モデル」は、ある個人が持つ様々な素因となる脆弱性である「もろさ」や「傷つきやすさ」を「病気のなりやすさ」に置き換えて表現されることもあります。限界を超えたストレスを受けた場合に、精神障害を発症したり、再発したりするという理論となっています。
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【思考とは何か?】妄想6種類について vol.12
2.障害の種類
1⃣ICD-10 Fコードにおける診断分類
前項に記載したICD-10における精神障害の種類をこれから説明します。ICD-10において、精神障害は、「F:精神及び行動の障害」コードで示されており、多くは11のコードに分類されています。
ICD-10 Fコード「精神及び行動の障害」における判断分類
【コード:F00-F09】
・分類:症状性を含む器質性精神障害
・代表的な疾患例:認知症
【コード:F10-F19】
・分類:精神作用物質による精神及び行動の障害
・代表的な疾患例:薬物依存症
【コード:F20-F29】
・分類:統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害
・代表的な疾患例:統合失調症
【コード:F30-F39】
・分類:気分・感情障害
・代表的な疾患例:うつ病、双極性障害
【コード:F40-F48】
・分類:神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害
・代表的な疾患例:不安障害、強迫性障害、解離性障害
【コード:F50-F59】
・分類:生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群
・代表的な疾患例:摂食障害
【コード:F60-F69】
・分類:成人の人格及び行動の障害
・代表的な疾患例:人格障害=パーソナリティ障害
【コード:F70-F79】
・分類:知的障害(精神的遅滞)
・代表的な疾患例:知的障害
【コード:F80-F89】
・分類:心理的発達の障害
・代表的な疾患例:学習障害、広汎性発達障害
【コード:F90-F98】
・分類:小児(児童)期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害
・代表的な疾患例:多動性障害
【コード:F99】
・分類:詳細不明の精神障害
・代表的な疾患例:ICU症候群
※Fは精神障害のカテゴリーになります。
血管性認知症やアルツハイマー型認知症などは、F0圏に分類されており、薬物依存に関する障害はF1件に含まれます。また、統合失調症とうつ病、双極性障害などの気分障害はそれぞれF2圏とF3圏に分類されています。
近年注目を集めることが多い「広汎性発達障害」や「学習障害」などはF8件に分類されます。なお、日本ではてんかんも精神障害の関連制度の対象となる傾向にありますが、ICD-10では「G:神経系の疾患」コードであるため、精神障害としての位置づけではありません。
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【②認知・行動障害】発達障害(AD・ADHD・LD)とは? vol.157
3.まとめ
今日は、精神障害の種類とその特性についてまとめてみました。精神障害は1回ではまとめきれないので、次回は精神障害の特定の理解、そして3回目は障害の特性に応じた支援方法をまとめようと思っています。
精神障害は多岐に渡る項目があり、実際の症状などを知ることによって支援方法も変わってきます。なるべく分かり易くまとめようと思っていますので良かったら次回以降も見に来て下さい!
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【③認知・行動障害】知的障害の4段階、精神障害の3分類について vol.158
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