こんにちは💚 介護ラボのkanaです。今回は「福祉住環境」の中から『介護予防のスクリーニング』について書いていきます。
特定健康診査・特定保健指導
Contents
1.生活機能評価と特定検診
1⃣生活機能評価
2⃣特定健康診査・特定保健指導
2.介護予防のスクリーニングと改善方法
1⃣介護予防のための健診システムの意義
2⃣老年症候群の早期発見
3⃣老年症候群に対する改善
1.生活機能評価と特定検診
2006年(平成18年)に、「介護保険法」が改正されたのに伴い、新たに地域支援事業が創設され、それまでの「老人福祉法」に基づく様々な老人保健事業が地域支援事業に再編されました。
1⃣生活機能評価
介護予防の視点から、老人保健事業の中の基本健康診査において、新たに65歳以上の高齢者には「生活機能評価」を実施し、その結果に基づいた介護予防サービスへと繋げていきました。
2⃣特定健康診査・特定保健指導
2008年(平成20年)4月から、新たに特定健康診査・特定保健指導が創設されました。
この施策では、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群:MetS)の概念を活用し、健診受診者等の保健指導対象者を選定及び階層化し、効果的で効率的な保健事業を実施することにより、生活習慣病の有病者あるいは予備軍を適切に減少させることを目的としています。
この場合、特定健康診査・特定保健指導の主たる対象者は、「高齢者の医療の確保に関する法律(高齢者医療確保法)」に基づき、国民健康保険、健康保険組合等の医療保険者にあっては、2008年度から40歳以上75歳未満の被保険者、被扶養者となっており、いわば前期高齢者までが対象であり、原則として後期高齢者は含まれていません。
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【高齢者に多い通風(高尿酸血症)】メタボリックシンドロームとは?? vol.241
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2.介護予防のスクリーニングと改善方法
1⃣介護予防のための健診システムの意義
前項のように、わが国のこれまでの健診(検診)は、主として中高年齢層を対象として、生活習慣病の早期発見、早期治療を目的として行われています。
このような効率的な検診システムを発展させ実施してきたことが、国民の健康の総合的な改善と、世界に冠たる長寿国を生み出してきたという誇るべき実績に繋がっています。
このこと自体は高く評価すべきであり、今後とも生活習慣病制圧に向けて一層受診率を向上させ、疾病把握のために敏感度と特異度を上げ、制度の高い検診が行われるべきことは明白です。
2⃣老年症候群の早期発見
平均寿命を超えて生存した高齢者の死亡の大きな要因は必ずしも疾病ではなく、全身的な心身の虚弱にこそ大きな問題が存在します。
高齢期の健康と生活機能の維持、そしてQOLくの向上のためには、現在の疾病だけを対象とする健診だけでは不十分です。
高齢期には、日々の生活での障害要因、すなわち老年症候群を早期に発見し、早期に対処し、総合的な健康を維持するための、新しい検診システムの構築が必須の状況となっています。
このような観点から、例えば東京都老人総合研究所では、高齢者の介護予防と健康長寿を目的とした「お達者健診」を開発し実施しています。
一般的にこのような高齢者の生活機能に着目した介護予防のための健診では、罹患率の高い慢性疾患についても当然確認されますが、より重点的な取り組みとして、要介護状態となる原因として頻度の高い老年症候群すなわち、
- 転倒
- 低栄養
- 失禁
- 生活機能低下
- 軽度の認知機能の障害
- うつ病
- 睡眠障害
- 口腔内清潔と咀嚼能力などの口腔機能
について、簡便かつ効果的な検査によるスクリーニングを行います。
このような高齢者に対する包括的健診においては、受診者よりも非受診者において高い死亡率が観察されることも明らかになっています。
3⃣老年症候群に対する改善
健診によりハイリスク高齢者を抽出した後、それぞれの老年症候群に対する改善を目的とした介入を展開することになります。
その例として、
- 転倒リスクの高い高齢者に対しては「転倒予防教室」において、3~6か月間のプログラムによる下肢筋力を中心とした身体づくり
- 失禁経験者には3か月間の骨盤底筋トレーニングを基本とした「失禁予防教室」に参加を促す
- 低栄養(アルブミン値≦3.8g/dl)の高齢者に対しては、地域で調理設備のある施設を利用し、「介護予防料理教室」の参加を促す
- 加齢性筋肉減少症(サルコペニア)に対する筋肉量の増加や筋力の改善
- 認知症予防のための取り組みを開催
など、科学的根拠に基づいた様々な改善プログラムを提供し、確実な改善を目指さなければなりません。
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