こんにちは💚 介護ラボのkanaです。今日は「福祉住環境」の中から『社会福祉施策の整備と地域福祉』について、昨日と今日の2回に分けて書いていきます!
地域住民の位置づけの変化
Contents
1.社会福祉施策の整備と地域福祉
1⃣社会福祉施策における地域住民の位置づけ
(1)社会福祉事業法(社会福祉事業法制定時)
(2)社会福祉事業法(1990年の改正)
(3)地域住民の位置づけの変化
(4)地域住民の参加の拡大
(5)NPO法の制定
1.社会福祉施策の整備と地域福祉
1⃣社会福祉施策における地域住民の位置づけ
今回は、社会福祉事業経営者による社会福祉の推進(社会福祉事業法制定時)から遡ってまとめていきます。
(1)社会福祉事業法(社会福祉事業法制定時)
1951年(昭和26年)に制定された「社会福祉事業法」は、第1条で、
- 「社会福祉事業が公明かつ適正に行われることを確保し、もって社会福祉の増進に資することを目的とする。」
と明記しています。これは、同法第2条を限定列挙され、強い公的関与の下で行われる入所施設などの社会福祉事業が、公明かつ適正に行われることこそが社会福祉の増進になるという考え方を示したものになります。
法律の名称「社会福祉事業法」に象徴されるように、当時は、社会福祉は社会福祉事業経営者や関係者のみによって進められるものという考え方が明確にあり、そのため「社会福祉事業法」のどこにも地域社会や地域住民という言葉は登場してきません。
(2)社会福祉事業法(1990年の改正)
1970年代から徐々に拡大していた在宅福祉サービスの整備や、補助金の整理・合理化の推進、そして高齢化の進展でより身近な行政主体によるきめ細かなサービスの計画的実施が必要になったことから、1990年(平成2年)に「社会福祉事業法」を含む「福祉関係八法改正」が行われました。
これにより、市区町村(以下「市町村」)に、大幅に権限が移譲され、老人保健福祉計画策定の義務化や、在宅福祉サービスの法定化などが行われました。
また、「社会福祉事業法」の改正では、第3条の2「地域等への配慮」の項が新設され、「社会福祉事業を経営する者」に対し、社会福祉事業を実施するにあたって、「地域住民等の理解と協力を得るよう努めなければならない」という責務を課し、「地域住民」という言葉が登場しました。
ここでの地域住民の位置づけは、社会福祉事業経営者が行う社会福祉事業の周囲にいて理解や協力をする立場、言い換えれば、客体的な立場ではありますが、それまで法の中に「地域住民」が全く登場しなかったことに比べれば大きな転換です。
地域性や共同性という福祉コミュニティの要素を社会福祉制度が具体的に取り込み始めた第1歩がこの時に記された、ということになります。
(3)地域住民の位置づけの変化
(4)地域住民の参加の拡大
1990年代、社会福祉に対する住民参加が拡大しました。
1992年(平成4年)には、市町村社会福祉協議会の事業として「社会福祉に関する活動への住民の参加のための援助」が法定化され、社会福祉協議会によるボランティア活動の推進の取り組みが強化されました。
1993年(平成5年)、厚生大臣は「社会福祉事業法」第70条の2第1項の規定を受け、「国民の社会福祉に関する活動への参加の促進を図るための措置に関する基本的な指針」(厚生省告示第117号)を策定しました。
その中の促進にあたっての考え方の柱の1つに「みんなが支え合う福祉コミュニティづくり」を掲げ、従来、ボランティア活動は一部の献身的な人が少数の恵まれない人に対して行う一方的な奉仕活動と受け止められがちであったが、今後はこれに留まらず、
- 高齢化の進展
- ノーマライゼーションの理念の浸透
- 住民参加型互酬ボランティアの広がり
等に伴い、地域社会の様々な構成員が互いに助け合い交流するという広い意味での福祉マインドに基づくコミュニティづくりを目指す、という考え方を示したうえで、福祉活動に対する理解の増進策や福祉活動の条件整備の方策などを打ち出しました。
(5)NPO法の制定
1995年(平成7年)1月に発生した、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)は、未曽有の被害をもたらしましたが、この時に全国から駆け付けたボランティアの活躍が、改めてボランティアへの注目度を高めることになりました。
同時に、活発に活動する任意の組織が、法人格を持たないために活動を進める際に様々な不都合が起こることも明らかになりました。
そのため、ボランティア団体などが比較的緩やかな条件と簡便な手続きによって法人格を取得できる制度として、1998年(平成10年)に、
- 「特定非営利活動促進法(NPO法)」
が制定、施行されました。
福祉分野に限られた制度ではありませんが、同法によって地域で活動する団体が法人格を取りやすくなり、コミュニティづくりの中核となる組織が「特定非営利活動法人(NPO法人)」として法人格を持つ例が増えました。
これらの組織は、法人格を持つことで、事業の円滑な実施と共に委託や補助が受けやすくなるなどのメリットもあり、「NPO法」の制定は、コミュニティ活動の推進に大きく貢献しています。
他の『NPO』記事はこちらから・・・
【❶社会資源】地域包括支援センター・福祉事務所・社会福祉協議会・NPOとは? vol.310
⭐気になるワードがありましたら、下記の「ワード」若しくは、サイドバー(携帯スマホは最下部)に「サイト内検索」があります。良かったらキーワード検索してみて下さい(^▽^)/
ADL QOL グループホーム ケーススタディ コミュニケーション ノーマライゼーション バリアフリー ブログについて ユニバーサルデザイン 介護の法律や制度 介護サービス 介護予防 介護保険 介護福祉士 介護福祉職 他職種 住環境整備 入浴 入浴の介護 医行為 喀痰吸引 地域包括ケアシステム 多職種 尊厳 感染症 支援 施設 権利擁護 社会保障 福祉住環境 福祉住環境整備 福祉用具 経管栄養 老化 脳性麻痺 自立支援 視覚障害 認知症 誤嚥性肺炎 障害について 障害者 障害者総合支援制度 障害者総合支援法 食事 高齢者
に参加しています。よかったら応援お願いします💛
Twitterのフォローよろしくお願いします🥺