認知症の理解

【①介護福祉職の支援】介護福祉職の離職理由:「職場の人間関係」の背景とは? vol.607

2022-02-10

こんにちは 介護ラボのkanaです。『介護福祉職の支援』について5回に分けて書いていきます。今回は1回目です!

介護関係の仕事を選んだ理由と仕事の満足度

今回は介護福祉職の支援について、介護現場で遣り甲斐をもって、「安心して働き続けられる環境を整備する方法」と、「認知症のケアモデルと実践するための方法」について5回にわけて書いていきます。

働きやすい職場環境の整備

認知症の人の尊厳を支えるケアを実現するためには、介護者である家族の支援が必要なように、介護福祉職への支援も必要不可欠です。

介護福祉職にとっては働きやすい職場環境整備と、ケアモデルを実践する環境整備の両者が必要です。今回はこの2つの側面から介護福祉職への支援について考えていきます。

1⃣介護関係の仕事を選んだ理由と仕事の満足度

介護福祉職が「介護関係の仕事を選んだ理由として、半数以上の人が、「働き甲斐のある仕事だと思った」ことを1位にあげています。

介護関係の仕事を選んだ理由(複数回答可:令和3年度(2021年度)・公益財団法人介護労働安定センター)は、

❶働き甲斐のある仕事だと思った:50.6%

❷資格・技能が生かせる:37.1%

❸人や社会の役に立ちたい:30.6%

❹今後もニーズが高まる仕事:30.3%

❺お年寄りが好きだから:22.3%

となっており、約3割前後の介護福祉職が「資格・技能を生かせる」「人や社会の役に立ちたい」と考え、介護の仕事を選択したことがわかります。

また、現在の仕事の満足度(令和3年度(2021年度)・公益財団法人介護労働安定センター)は、

❶仕事の内容・遣り甲斐:46.3%

❷職場の人間関係・コミュニケーション:34.3%

❸職場の環境:23.7%

❹雇用の安定性:28.8%

❺労働時間・休日等の労働条件:17.5%

となっており、仕事を選んだ理由と同様に「仕事の内容・遣り甲斐」が1位にあげられています。

この結果から、介護福祉職の多くが介護の仕事自体に遣り甲斐や魅力を感じて就労していることが見えてきます。

仕事の満足度の「仕事の内容・遣り甲斐」は、仕事を選んだ理由の上位にあるように、専門職として「資格や技能を生かせること」、利用者の「役に立つこと」、高齢者が「好きであること」と関連しています。

仕事の満足度に続いて、「職場の人間関係」や「職場の環境」があげられているように、職場の環境が関係しています。

この2項目は離職理由も関連していますが、自分1人では解決できない問題を含んでいます。

介護現場では運営者側が、介護福祉職の専門職としての遣り甲斐間を充足し、職員間の関係性を含む職場環境を整備する必要があることを示しています。

2⃣介護福祉職の離職理由と離職防止対策

(1)介護福祉職の離職理由:「職場の人間関係」の背景

介護関係の仕事を辞めた理由(令和3年度(2021年度)・公益財団法人介護労働安定センター)は、

❶職場の人間関係に問題があった:25.3%

❷結婚・出産・妊娠・育児のため:13.3%

❸法人や施設・事業所の理念や運営の在り方に不満があった:19.1%

❹他に良い仕事・職場があった:17.6%

❺自分の将来の見込みが立たなかった:14.8%

❻収入が少なかった:17.1%

となっており、「職場の人間関係」が離職理由の1位にあげられています。

この「職場の人間関係」は、現在の仕事の満足度とも深く関係し、人間関係の良さが介護福祉職の定着率に繋がることを示しています。

また、職場の人間関係等の悩み、不安、不満等(令和3年度(2021年度)・公益財団法人介護労働安定センター)は、

❶部下の指導が難しい:19.2%

❷自分と会わない上司や同僚がいる:20.2%

❸ケアの方法等に関する意見交換が不十分である:18.3%

❹経営層や管理職等の管理能力が低い、業務の指示が不明確、不十分である:17.7%

❺上司や同僚との仕事上の意思疎通がうまくいかない:14.7%

となっています。この❶の「部下の指導の難しさ」は、2016年度(平成28年)以降、キャリアパスや研修制度の普及など国の施策が進み、「部下の指導」の重要性が認知された結果と考えられます。

ケアの方法に関する意見交換が不十分な状態で、部下の指導は困難であることが伺われます。

(2) 介護福祉職の離職防止施策:施設内研修プログラムの確立

介護福祉職の離職を防止するには、「仕事の満足度」の充足を図ることが対策となります。

介護福祉職は「仕事の内容」に遣り甲斐や満足感を最も感じていますので、離職理由に上げられている「ケアの方法を話し合う機会」をつくり、チームケアを実現できる環境を整備する必要があります。

そのためには、「尊厳を支えるケア」の方法について学習できる『施設内研修の機会』や、本音で話し合える会議を定期的に開催する必要があります。

また、チームケアのもととなるケア・業務マニュアルや、施施設サービス計画等を全職員が共通して実践できるような体制を整備する必要があります

このような学習や会議の機会を定期的に開催するのは、法人や施設等の運営者の責任になります。研修担当者をおき、計画的に施設内研修が進められるような環境を整備することが必要です。

また、介護福祉職が法人の理念や運営の在り方への不満を理由に離職することを考えると、新任時だけでなく繰り返し理解を深める研修の機会を設けることが、運営者側に求められていることがわかります。

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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