こんにちは(^▽^)/ 介護ラボのkanaです。『介護福祉職のキャリア』について、前々回から3回に分けてまとめていきます。今回は最終の3回目になります。
SDS(自己啓発援助制度)
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Off-JT(職務を離れた職業訓練)
1⃣Off-JTとは
「Off-JT」とは、実際の業務を通して現場で行うOJTとは違い、現場を離れて行う教育訓練のことをいいます。Off-JTのうち、職務命令で行われるものは、体系的・継続的な人材育成と組織開発を目的に、事業所の研修ニーズに応じた年間研修計画に基づいて計画的に行われます。
Off-JTは、
- 講義形式
- 討議方式
- 事例研究
- ロールプレイング
- 教育ゲーム
- 理解促進討議法
- 自己診断法
- 見学や実習
など、目的に合わせて多様な形式・方法で行われています。
Off-JTの内容は、
- 基本的な知識や技術の伝達をするもの
- 全体で理念などの理解促進をはかるもの
- 職位や職務内容に応じて行う階層別・職種別研修
- 専門的知識を技術を学ぶ専門研修
- 特定のテーマについて行う課題別研修
など様々なものが設定されています。
最近では、通信教育や、e‐ラーニングなどの利用も増えています。
私も、回復期のリハビリ病院で、e-ラーニングの受講が必須で、「基本的な知識や技術の伝達」「職務内容に応じて行う研修」「専門的知識や技術を学ぶ専門研修」「特定のテーマ(主に医療系が多い)」など、沢山習熟しました。なお、期限やテストなどもあり・・・締め切りに追われたりもしていました😅
2⃣Off-JTの役割
Off-JTはOJTに比べ、新しい知識や技術を集合教育で一斉に伝達できる点で優れています。また、新たな介護の知識・技術の導入や標準化、更には現場で発生する組織・チームの運営上の課題改善に向けた手法の導入を目的とした研修プログラムが定期的に行われています。
Off-JTには、
- 「職場内で行われるもの」
- 「職場外で行われるもの」
の2種類があります。
「職場外で行われるもの」は職員を派遣し、新しい知識が技術を導入するという役割があり、「職場内で行われるもの」はその導入した知識・技術の定着化を図るという重要な役割があります。
また、職場外の集合研修では、他の職場から来た受講者との交流や情報交換などによって相互啓発や視野の拡大に繋がります。更に、現場から離れることでリフレッシュ効果も期待できます。
課題を発見し、課題を解決するためには、OJT、Off-JT双方の仕組みを整え、キャリア支援や開発として上手くはたらかせていく事が大切です。
キャリア支援・開発は1人で行われるものではなく、介護福祉職が、管理・指導するという立場にも、それらを受ける立場にもなり、自ら双方の経験を通して実践されていくものです。
このような双方の経験が自らのキャリア開発に繋がっていくのです。
自己研鑽を支える体制
自己成長をし続けていくには、キャリアステージに合わせ、OJTによって質の高い経験学習を積み、Off-JTによって効果的に体系的な知識・技術の習得をしていくことが重要になります。
また、同時に介護実践を通じ「自己研鑽」する専門職として自立することが重要です。
介護現場では、学ぶ気持ちがあれば自分自身の能力開発をする機会は数多くあります。
そして、それを支援する仕組みとして、
- スーパービジョン(SV)
- コンサルテーション
- SDS(セルフ・ディベロップメント・システム:自己啓発援助制度)
などがあります。
次項から項目別にまとめていきます。
1⃣スーパービジョン
スーパービジョンとは、簡単にいえば、介護福祉職などの対人援助を専門とする職種が指導者から受ける指導機会、指導過程や指導関係のことです。指導する側を「スーパーバイザー」、指導を受ける側を「スーパーバイジー」と呼びます。
スーパービジョンは、職場内外の指導関係を元に定期的に面接や指導訓練を行うことで、対人援助実践に必要な技術の習得や業務に必要な能力の開発を行うことを目指します。
職場の上司と部下がそれぞれ「スーパーバイザー」と「スーパーバイジー」になることもありますが、スーパービジョンの指導関係は職場の中に限られるものではありません。
なお、スーパービジョンと類似のものとして「コンサルテーション」があります。
コンサルテーションは、人材育成に限らず、組織体系や事業運営全般に及ぶ課題や問題の解決にかかわる、専門的な相談、助言、指導やその過程のことをいいます。
そのため、特定の領域の専門家などの異業種による関りが多いことも特徴になっています。
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(1)介護実習とスーパービジョン
介護実習は、まず実習を行うために必要な基礎的学習を学校の教員との指導関係の中で行っていきます。そして、実習を始める前には、教員との個別の指導の中で、実習課題を明確にしたり、実習のために理解しておかなければならないことを確認したりします。
そして実習先では、実習指導者といわれる現場職員の指導の下で、実習課題達成のための様々な経験をしながら支援や指導を受けることになります。
実習後には、実習経験を教員や学生全体と共有し学びを深めることになります。
(2)スーパービジョン3つの形態と特徴
スーパービジョンは単独で行うものではありません。介護実習を例にとっても、学習段階に応じた様々な指導関係を通して行われていくことが特徴です。
そのため、必ずしもスーパービジョンにおけるスーパーバイザーは、教員や実習指導者に固定されるわけではありません。
学習状況に応じて必要な関りは変わり、同じ実習仲間や職場の同僚などがスーパーバイザーとなる場合もあるのです。
例えば、教員と学生という関係では、学習内容の理解が出来ているか確認する、介護実践に対する不安を相談・確認する、など「指導する」「指導される」関係が明確な個別のかかわりが有効といえるでしょう。
また、介護現場での実習指導者と実習生の関係では、実習指導者1人から、実習生数名が同時に指導を受けるグループ形式のかかわりが有効な場合があります。
更には、同じ実習メンバー同士など、疑問や悩みを共感しやすいメンバーで集まり、そこに指導者などを交えずに行う関りが問題解決や学習に有効な場合があります。
- ◉スーパービジョンの3つの形態と特徴
- 【個別スーパービジョン】
・スーパーバイザーとスーパーバイジーが1対1で行う形態のスーパービジョン
・個別の面談形式で行うことが多く、スーパーバイジーの自己覚知を含む個別の課題を深く掘り下げて展開できる
【グループスーパービジョン】
・スーパーバイジーが複数となるグループ形式のスーパービジョン
・複数のメンバーで行うことから、個人の課題を深めることなどが難しい反面、参加者からの多様な意見や考え方を取り入れることが出来る
【ピアスーパービジョン】
・他のスーパービジョンと異なり、指導者が参加しないタイプ
・学生同士や仲間関係で行うことから、上下関係が生じず、率直な意見交換などの対話を展開しやすい
(3)スーパービジョンの3つの機能
スーパービジョンは、概ね「教育」「管理」「支持」という3つの機能で整理されています。この3つの機能が人材育成を図るうえで効果的だと考えられているのです。
ここでは、介護実践の指導を受けるスーパーバイジーの立場から、3つの機能の目的や狙い・視点をまとめました。
- 教育的機能:介護を実践するために必要な、知識が技術についての不足や課題を発見し、スーパーバイザーである指導者と共に課題解決に向けて一緒に考えていく
- 管理的機能:職務や職責などに応じた役割を理解し、業務を自らが主体的に計画・実行・評価していく
- 支持的機能:自らの課題や疑問をスーパーバイザーに共有してもらうことで、介護実践の中で発生、経験する様々な不安や葛藤を軽減・解消していく(自己覚知を促したり バーンアウト を防止するなど、スーパーバイジーを支える機能)
スーパーバイザーとスーパーバイジーが互いに信頼関係を持って関り、自らの経験や失敗を振り返る勇気を得て、自己研鑽をはかる力、前に進む行動を生み出していくのです。
2⃣SDS(自己啓発援助制度)
自己研鑽は、本人の研究心や問題意識に直結するため、職員の主体性や満足度が高められ、職場の活性化や学びの環境作りに役立ちます。その一方で、職務命令ではなく自主的に行うものであることから、研修費用の負担や研修会場や学習室の用意、勤務調整などが個人に任されることになります。
そこで職場では、SDS(自己啓発援助制度)、セルフディベロップメントシステムと呼ばれる、自己啓発・自己研鑽を組織的に支える体制を整備し、個人の学習を支援しています。
SDSとしては、外部研修の時の賃金を保障したり、研修費用を施設で負担したりするなどの経済的支援が行われます。
また、個人や仲間同士で行う学習サークルのための会場が学習室を用意するといった物理的支援が行われます。
さらに、研修時間を業務時間として保証する時間的支援、職員が外部研修に参加しやすいように勤務調整などを行う業務調整支援など、様々な支援が行われています。
その他、
- 施設で専門書やDVD教材を購入すること
- 資格取得を推奨すること
- 特徴のある研修を案内すること、
- 通信教育やe-ラーニングなどを紹介すること
など、個人のキャリアパスや関心・目的に合わせて職員が活用できる研修資源の提供、情報の提供をすること等がSDSとして重要になります。
SDSでは、介護福祉職の自己啓発・自己研鑽意欲を高めること、また仲間同士で学び合う共同体を形成していく事を支援していくのです。
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