状況や観察からわかること
Contents
1.健康な状態とは
2.生活行動の中での観察
(状況からわかること)
3.身体・生活状況の観察
(観察の視点とわかること)
4.バイタルサイン5つ(vital signs)
❶体温
❷脈拍
❸呼吸
❹血圧
❺意識状態
(急変状態)
1.健康な状態とは
健康とは、「自分らしい日常生活を送る事ができること」です。
自分らしい日常生活を送るための行動を動機づけるのが意欲です。健康的であることが意欲を生み出すことになります。
健康でない状態は、意欲を失う状態にもなるという事を理解する事が必要です。
「健康状態」が良いということは、その人に意欲があり、自分らしい日常生活が送れているということになります。
他の『健康とは何か』記事はこちらから・・・
【健康とは何か?】健康には3つ定義がある vol.4
2.生活行動の中での観察
測定用具を使わなくても、
🔸その人と話をする
🔸外観や行動をよく見る
この2つを見るだけでも多くの情報を得る事ができます。
3.身体・生活状況の観察
入浴や排泄、衣類の着脱など介護福祉職が行う生活支援場面で、行動や姿勢などを観察することは、利用者の状態を知ることになり、転倒や転落などの事故を未然に防ぐ介護行為に繋がります。さらに、利用者の生活行動を見る中で、いつもと異なる点やちぐはぐな点が無いかも確認します。
もし問題がある場合には、「認知症」や「高次脳機能障害」などが疑われます。
認知症や高次脳機能障害の有無は社会生活を健康に暮らす上で大きく影響するものです。
介護福祉職の日常生活における観察が、他職種への報告に繋がり、利用者の生活を支える際の重要な情報になります。
観察の視点と分かること
【顔】(観察する点)
(観察する内容)
・顔貌が仮面のように表情が乏しくないか
・顔全体に浮腫みはないか
・顔色が紅潮していないか、蒼白ではないか
(わかること)
・意欲の状態
・健康状態
【食事の場面】(観察する点)
(観察する内容)
・食欲はあるか
・食事に口を運ぶ順番
・箸が使い辛そう
・手に震えがある
(わかること)
・心身機能の衰え
・ストレスの有無
・筋・骨格系や神経系の状態
【皮膚の状態】(観察する点)
(観察する内容)
・皮膚の張りやつやはあるか
・乾燥していないか
(わかること)
・栄養状態
・水分摂取状態
4.バイタルサイン5つ(vital signs)
バイタルサインは、人が生きていく上で最低限必要な生体情報です。
人間を「生物として生きている存在」と考えるならば、呼吸によって取り入れた酸素が血液によって全身をめぐり、さらに体外からの異物に抵抗できる能力がある事が「健康」と言えます。
その観察項目がバイタルサインです。
Vital signs = 生命(vital)徴候(signs)
バイタルサインは生きている私たちが外に向けて発しているサイン全てが含まれます。異常の早期発見のための重要な観察項目であり、一般的には、
❶体温
❷脈拍
❸呼吸
❹血圧
を指し、場合によっては❺「意識の状態」も含めます。
バイタルサインを測定する目的は、
- 健康状態や平常状態の把握
- 異常の発見
- 異常の程度の把握
になります。
❶体温
体温とは生体の温度のことです。
体温は、脳の視床下部にある体温調節中枢のはたらきにより、体内で産生された熱(熱産生)と、体外へ放出する熱(熱放散)によって一定にコントロールされています。
正常体温(腋下温)は、
- 成人:36.0~37.0℃未満
になります。
体温は基礎代謝の影響を受け、乳幼児は高く、高齢者では低めになります。
また外気温にも影響を受け、午後2~6時が最も高くなり、食事や運動、精神的興奮によって上昇する傾向にあります。
腋下で測定する場合、発汗している時加熱に予定実際の体温より低く測定されてしまうので注意が必要です。
高齢者や、痩せている利用者の場合は、正確に腋下に密着せず不正確な測定値になることがあるので、介護福祉職は腋下に密着しているか、角度は正しいかを確認する必要があります。
悪寒や戦慄がみられた際は、全身を十分に保温し体温上昇を手助けする必要があります。一方体温下降期には着替えを頻回に行って発汗を助けるとともに、失った水分と塩分を十分に補う必要があります。
悪寒や戦慄の症状がある時は、感染が疑われるのでそのままにせず早急に医療との連携を図ることも重要です。
❷脈拍
心臓の収縮により血液が動脈に送り出され、体表近くの血管壁がその弾性によって拍動し、脈拍として触れることができます。
一般には、橈骨動脈や上腕動脈に沿って第2~4指の3指を触れて観察しますが、緊急時には総頚動脈で確認することもあります。
正常は成人で1分間に60~80回程度ですが、運動や入浴、食事のあとには増加するので注意が必要です。
- 脈拍の異常
- ・頻脈 ⇒ 脈拍が100回以上
・不整脈 ⇒ リズムが乱れる
❸呼吸
呼吸とは、肺において酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出する働きであり、外呼吸(肺呼吸)と内呼吸(組織呼吸)からなります。
1分間に12~18回程度の規則的な呼吸が正常の目安とされています。
但し、呼吸は本人の意思で回数が変えられるので、観察しているということを意識されないように測定することが重要です。
なお、換気(空気を吸って吐く)が不十分となると、肺胞から血中に入る酸素の量が減るため、低酸素状態になりますが、こうした状況を把握する手段として、チアノーゼ(口唇や爪床が青紫になる)の有無を観察します、
医師の指示に基づき、経皮的に(皮膚表面から)測定する機器であるパルスオキシメーターを用いて、動脈の血液中の酸素の量(動脈血酸素飽和度)を調べる方法があります。
パルスオキシメーターで測定した値を「経皮的動脈血酸素飽和度(spo2)」といい、基準値はおよそ100~95%です。測定値は医師・看護師に報告します。
❹血圧
血圧とは、心臓が全身に血液を送り出すときに動脈壁を押す圧力のことです。
左心室の収縮によって生じる圧力が、大動脈を経て全身の動脈へと伝わり、これが血圧として測定されます。
心臓の収縮力や血液の量、血液の粘り気及び末梢血管の抵抗が血圧に影響を及ぼします。血圧には個人差や1日の中での変動があり、その人の正常値を知ることが何より重要です。
WHO/国際高血圧学会ガイドラインでは、
収縮期(最大)血圧が140mmHg以上または、拡張期血圧(最小)血圧が90mmHg以上を高血圧としています。
❺意識状態(急変状態)
急変状態とは、急激に意識の状態が悪くなる、呼吸が浅くなる、脈拍が弱くなる、それまでにない強い痛みを訴える、苦痛の行状が強くなるなど、通常の介護では対応しきれない状態です。
救急車、もしくは医師や看護職にすぐに連絡をしなければならないようなものを指します。
その中でも、意識がない、呼吸をしていない、脈拍が触れないなどは、生命に直結する重大な変化です。観察方法と応急手当について熟視しておくことが重要になります。
早期発見のために観察項目を明確にしておくことや、急変時にできる対策や緊急時の連絡網など、日頃から利用者にかかわる人々で話し合っておくことが必要です。
能力や経験の有無にかかわらず、少なくとも身体に関わるわずかな変化であっても、必ず担当の医師・看護職に連絡する事が重要です。
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