相談援助と福祉住環境整備

【福祉住環境整備におけるアセスメント】相談支援体制について vol.173

こんにちは 介護ラボ・カナログのカナです。今日は福祉住環境の中から・・・

ケアマネジメントにおける相談体制の理解

Contents

1.ケアマネジメントにおけるアセスメントの視点
 1⃣生活を見るアセスメントの視点
 2⃣動作を見るアセスメントの視点
 3⃣介護予防のアセスメントの視点
2.関連職との連携と重要性
 1⃣介護支援専門員(ケアマネージャー)と福祉住環境コーディネーターとの連携
 2⃣他サービスとの連携
3.住宅改修を進める上での相談支援体制
 1⃣福祉用具・住宅改修支援事業
 2⃣地域リハビリテーション支援体制整備推進事業
 3⃣訪問看護・訪問リハビリテーション

1.ケアマネジメントにおけるアセスメントの視点

要介護者の自立を支援し、効果的に住宅を改修するために、ケアマネジメントにおける相談支援体制を理解し、福祉住環境整備のアセスメントについてまとめていきます。

アセスメントとは、利用者の自立を支援するために、「何が起こっているのか」を見極め、状況を改善するカギとなる事柄を発見し、援助の方向性や目標を把握することです。

1⃣生活を見るアセスメントの視点

生活全般の機能を捉えるために、アセスメントの視点は3つのレベル「❶生物レベル」「❷個人の生活レベル」「❸社会や人生のレベル」に整理することができます。

  • 生物レベル:人間が生きていく上での基礎となる機能と構造の「心身機能・身体構造」。
  • 個人の生活レベル:人が生活を営んでいく上での様々な行為の「活動」。
  • 社会や人生のレベル:社会的存在である人間が社会と関わり、その中で各自の役割を遂行する「参加」。

上記の生活機能は、人々が生活している物的な環境や社会的環境、人々の社会的態度による環境を構成する因子である「環境因子」との間で、相互に作用しあっています。

2⃣動作を見るアセスメントの視点

  • 移動動作:例えば、屋外では歩行車、屋内では杖歩行、浴室ては伝い歩きというように、場所ごとの移動動作の把握が必要。
  • 立ち座り動作:床と椅子からの両方を確認する。トイレの便器、居間のなどの椅子または床、浴室の入浴用椅子と浴槽、玄関の上がり框など、場所によって生じる動作も確認することが必要。
  • 段差昇降動作:階段の昇降及び敷居などの跨ぎ動作がどうか確認することが必要。
  • 姿勢保持:椅子座位、トイレでのズボン・下着の着脱、玄関での靴の着脱、など。
  • 排泄動作:トイレまでの移動、敷居の跨ぎ動作、行為時の姿勢保持、便器への立ち座り動作、便器での姿勢保持など。

3⃣介護予防のアセスメントの視点

❶2006年の介護保険制度改正により、介護予防が重視され、2次予防事業の対象者を選定する基本チェックリストが示されています。

基本チェックリストとは?

要介護・要支援状態には該当しないが、そうなる可能性の高い高齢者を選定するための質問項目として、厚生労働省から示されている。チェック項目は運動器の機能向上、栄養改善など。2014年の制度改正では基本チェックリストを活用した新しいサービス利用手続きの仕組みが導入されました。

❷転倒予防のための住環境整備:過去に転倒したことがある場合「いつ」「どこで」「何を」していて、どのように転んだのかを把握する必要があります。従来の住環境アセスメントに加え、転倒予防のアセスメントを行います。また、以下の動線上の確認も重要となります。

  • 夜間、寝た状態からの点灯方法やベットの高さ
  • 夜間、動線上の廊下の点灯の方法又はスイッチの位置
  • スリッパの着用、滑りやすい床材の有無
  • 移動の動線上のコード、絨毯敷きの有無

外出を支援するための福祉住環境は、閉じこもりを予防するために、外出について把握した福祉住環境整備が必要になります。下記のよく利用する出入り口と道路までの動線上の確認が必要です

  • 杖歩行の場合、段差のあるところに手すりを設置
  • 歩行者利用の場合、段差の解消、歩行者の保管スペースを確保
  • 専門家や本人に、上がり框への式台の設置、腰掛け用の椅子の必要性を確認

2.関連職との連携と重要性

1⃣介護支援専門員(ケアマネ)と福祉住環境コーディネーターとの連携

・介護支援専門員がアセスメントの中で住宅改修が利用者の「手立て」として必要であると判断し、福祉住環境コーディネーターが相談を受けた場合、協働してどのような改修が必要かを検討します。
・介護保険制度の利用前に、利用者から福祉住環境コーディネーターに住宅改修の相談があった場合、制度の利用について、介護支援専門員に話を繋げます。

2⃣他サービスとの連携

・ケアプラン作成の際、介護支援専門員はサービス提供者と共に、サービス担当者会議を開催し、最も効果的なプランを立案
することが求められます。
・サービス担当者会議などには福祉住環境コーディネーターも積極的に参加し、住宅改修および福祉用具も含めた全体的な福祉住環境整備プランを提案することが望ましい。
・福祉樹環境コーディネーターは、外出時の福祉住環境整備についても積極的に提案します。

3.住宅改修を進める上での相談支援体制

  1. 介護保険制度で住宅改修を進めるためには、介護支援専門員との連携が最も重要になりますが、実際に住宅改修プランを立案する上では、市町村担当職員との連携も必要になります。
  2. 介護保険制度以外にも、自治体ごとに取り組んでいる住宅改修の補助制度や、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、保健師などのチームによる住宅改修の相談受付など、様々な相談支援制度があります。
  3. 認知症などの疾患を持つ高齢者の住宅改修については、利用者のみの意向で改修した結果、改修費が払えないなどのトラブルが怒っており、家族との意見調整や、市町村担当職員との連携は欠かせません。
  4. 住宅改修を効果的に実施するために、利用者の疾患や障害の特性を理解し、基本的身体動作能力を把握するPTや、ADL能力や認知症はじめ、精神面について把握できるOTなどによる次項の相談支援体制があります。

1⃣福祉用具・住宅改修支援事業

福祉用具・住宅改修に関する相談・情報提供や、住宅改修費に関する助言、住宅改修費の支給の申請に係る理由書を作成する場合の助成を行う事業のこと。
※市町村担当者に問い合わせます。

2⃣地域リハビリテーション支援体制整備推進事業

2次医療圏域(市町村単位より広い範囲)ごとに地域リハビリテーション広域支援センターを医療機関等に設置し、PT・OTなど専門職の技術的相談や指導などが受けられる事業のこと。

※各都道府県で取り組みが異なるので、関係する課に問い合わせて確認します。

3⃣訪問看護・訪問リハビリテーション

介護保険サービスでリハビリテーション指導を実施している病院・老人保健施設に併置された訪問リハビリテーション事業の理学療法士(PT)や作業療法士(OT)と連携し検討します。

退院時の在宅訪問指導では、看護師やPT・OTが。病院の退院を前に、本人の在宅への適合を目的に利用者宅を訪問して行う「家屋調査」や退院に向けて必要なリハビリテーションを指導します。

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
よろしくお願いします♡

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