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介護ラボkanalogのカナです⭐今回は・・・
利用者の権利に基づく8つのサービス指針について
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利用者の権利に基づく8つのサービス指針
長期入居型高齢者施設における「利用者の権利に基づくサービス指針」として、下記の表に示された権利の保障が求められることになります。※大きく分けて❽つあり、具体的な内容が提示されています。
- ✅利用者の権利に基づく8つのサービス指針
- ❶【地域社会で生活する権利(地域社会とのつながりを維持する権利)】
本人の意思・希望に耳を傾けながら、以下の機会を提供する。
・買い物・ドライブ・旅行などの外出の機会をもつ。
・自治会活動や地区の行事に参加する。
・施設近郊の老人クラブに参加する。
❷【個別ケアを受ける権利】
・毎日、担当の利用者と個別にかかわる時間を確保する。
・個別ニード(欲求)を把握し、ニードに見合ったケアプランを作成する。
・多様な好みに対応し、生活全般に選択肢の拡大に努める。
・集団活動への参加を強制しない。
・言葉かけは個人名を用いて行う。
❸【質の高いサービスを受ける権利】
・不安を抱えている利用者に対して即座に対応する。
・職員全員が共感的対応など、カウンセリング、相談援助の技術の習得に努める。
・医療・保健サービスとの連携のもとに、利用者の疾病、傷害に対し、迅速かつ適切な措置を講じる。
・日常のバイタルチェックを欠かさない。
・残存能力の維持と豊かな生活を保障するために、回想法、園芸療法、音楽療法などの技術の習得に努める(見よう見まねでなく研修を受ける)。
❹【自己決定・自己選択する権利】
以下の事柄について、本人の意思を確認し、選択できる状況にする。
・起床(どのように起こされたいか、声掛けは必要か、いつ起きたいか)
・トイレ(好みの型、どのような援助を望むか)
・着替えと身だしなみ(何時ごろ着替えたいか、何を着たいか、アクセサリーを着けるか、化粧をするか)
・食事(選択メニューの実施、食事時間を柔軟に設定、食事介助の方法に関する意向)
・入浴、どのような援助を望むか、いつ入るか、だれに援助してほしいか)
・余暇、レクリエーション、生涯学習(いつ、どのような活動に参加したいか)
・部屋(個室、家具、じゅうたんなど希望するものは何か)
❺【わかりやすい情報提供を受ける権利】
・わかりやすい表現、わかりやすい方法で記された施設パンフレットを作成し、入居希望者及びその家族に配布する(例:カタカナ文字を分かり易く解説、イラストや図を用いて一目で内容が分かるように工夫)。
・職員会議で決まったことを利用者にわかるように提示する(プライバシーに関する件は本人だけに伝える)。
・旅行を企画する際は職員だけで決めるのではなく、わかりやすく記された旅行パンフレットを利用者に配布したり、提示して意見や希望を聞く。
・施設内行事、諸活動の内容について、十分な情報提供を行い、本人が選択できるようにする。
・分かり易く記された週間(月間、年間)スケジュールを利用者に提示(配布)する。
・希望者には新聞、週刊誌などの個人購読の手配をする。
・利用者にとって必要と思われる情報は、伝える努力を惜しまない。
❻【意見・質問・苦情を表明する権利】
・どのような些細な質問、意見、苦情に対しても、耳を傾ける。
・言葉では表現できない利用者の場合は、表情や行動から本人の訴えを読み取る努力をする。
・行動障害は施設の住環境、援助環境が不備なために引き起こされることがあるので、そのような行動を見かけた場合は、本人が何らかのメッセージを職員に送っているのではないかという視点で見守り、それを読み取るよう努力する。
・利用者は第三者に本音を漏らすことがあるので、そのようなことがあった場合には報告してもらい真摯に受け止める。
・オンブズマン制度を導入し、意見や苦情を拾い上げるシステムを作る。
・利用者(家族)からの質問、苦情、意見は、必ずノートに記載する(どのように対応したか、どのように対応する予定化などを記す)。
❼【プライバシーの保護に関する権利】
・利用者の個人情報を保護するため、守秘義務及び情報管理を徹底する。
・利用者の共同生活スペースで、他の利用者のケア、医療、看護、家庭環境等、プライバシーにかかわる話をしてはならない。
・利用者が一人で過ごせる空間を確保する。
・入浴介助、トイレ介助、おむつ交換などの場面では、本人のプライバシーを最大限に尊重したケアを心掛ける。
・個別入浴を望む場合、その希望を叶えるよう努力する。
・プライバシー確保のために個室化を推進する(洗面、トイレ、入浴設備も付設する)。
❽【自己尊重の念と尊厳を維持する権利】
・年齢に応じたサービスを提供するよう心掛ける(子ども扱いするようなサービスを提供しない)。
・「〇〇しなさい」「だめよ!」「どうして〇〇するの?」などといった命令後、禁止語、叱責は用いない。
・「〇〇しないと、△△してあげないよ」といった交換条件による対応(脅し的な対応)をしない。
・利用者をプラスの存在、かけがえのない存在としてとらえ、常に敬意を払った言葉かけ、かかわりを心掛ける。
・利用者の過去の経験談、思い出話に対しては、共感的な姿勢で耳を傾ける。
以上です。
とても細かく権利について提示されています。
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1⃣人間観とは?
前項の8つの権利の保障を踏まえて、その人らしい生活を支援する介護福祉職が念頭に置かなければならないこととは何でしょうか??
それは「人間とはどういう存在なのか、人間の生活とはどういうものなのか」についての考え方、つまり
『人間観』
を持つことです。介護福祉の理念のすべてに基本的なところで共通性があるのが、この人間観です。
人間とはどのいう存在なのかを理解しているから、1人の人間として尊厳を保持することの意義や必要性を考えることが可能になります。それらのことが分かるからこそ、その人らしい生活を支援する事の意義、介護福祉職としての役割や仕事のやりがいを見出すことができます。
対人援助職である以上、人間について理解することは大前提といえます。
自分自身も利用者と同じ人間であることを自覚し、豊かな人間観をもっていること、そのことが介護福祉の理念と相まって、利用者に対する質の高いかかわりを可能とすると考えます。
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