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介護ラボ・kanalogのカナです(^-^) 。今回は・・・
リハビリテーションの意味、4つの分類について
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リハビリテーション
(1)リハビリテーションとは
リハビリテーション(rehabilitation)は、更生、社会復帰、機能回復訓練などと訳されますが、これらの訳は極めて一面的な訳でしかありません。
語源は、接頭辞のre-(再び)と、語幹はラテン語の形容詞に由来するhabilis(適した、fitと同義)-ation(~にすること)からなっており、「再び適したものにすること:to make fit again)」を意味します。
つまり、リハビリテーションとは・・・
「人間たるにふさわしい権利・資格・尊厳・名誉が何らかの原因によって傷つけられた人に対して、それらを回復すること」を意味しています。
歴史的には中世のヨーロッパで、王が一旦剥奪した臣下の地位・身分を回復することや「破門の取り消し」っという宗教的な意味で使われました。
近代に入って宗教関連ではない意味でも使われるようになり、名誉の回復、特に「無罪の罪の取り消し」を指すようになりました。
リハビリテーションという語が障害者について用いられるようになったのは、1910年代から1920年代にかけての英米で、障害者のための医療・福祉の活動を、統合的にリハビリテーションと呼ぼうということが提唱されてからです。
リハビリテーションとは、個々の身体部位の機能回復のみを目的とするのではなく、障害を持つ人間を全体としてとらえ、その人が再び「人間らしく生きられる」ようになること、すなわち『全人間的復権』を目標としています。
リハビリテーションの定義については、1969年に世界保健機関(WHO)が、「リハビリテーションとは、医学的、社会的、教育的、職業的手段を組み合わせ、かつ相互に調整して、訓練あるいは再訓練することによって、障害者の機能的能力を可能な限りの最高レベルに達せしめることである」とし、4つの専門的分野を明確にしました。
その後、国連が1982年の「障害者に関する世界行動計画」のなかで、「リハビリテーションとは身体的、精神的、かつまた社会的に最も適した機能水準の達成を可能にすることによって、各個人が自らの人生を変革していくための手段を提供することを目指し、かつ時間を限定したプロセスである」と定義しました。
(2)リハビリテーションの展開
1939年から始まった第2次世界大戦は多くの戦傷者を生み出しましたが、その人たちに対する治療や社会復帰に加え、障害がある一般市民へのリハビリテーションも実施されるようになり、運動機能の回復を中心とした治療技術が発展しました。
第2次世界大戦以降、リハビリテーションの対象は、戦傷者だけでなく、高齢者や疾病や事故による障害者、精神障害者などに広がりました。
1960年代にアメリカで起こった自立生活運動(IL運動)は、世界に大きな影響を与えました。これはアメリカのカリフォルニア大学バークレー校の学生だったロバーツ(Roberts,E.)らが中心になり起こった運動です。「重度の障害があっても自分の人生を自立して生きる」という考えのもと、自己決定できるように必要な社会サービスの構築を求めていきました。
IL運動により、リハビリテーションの主体は障害者本人にあることが強調され、さらにノーマライゼーション理念の影響も受けながら、障害のあるなしに関わらない社会の実現を目指すようになりました。
その結果、障害者自身が運営し、障害者の権利擁護(アドボカシー)や、地域における自立生活に必要なサービスを供給する自立生活センター(Center for Independent Living:CIL)が設立され、その活動は世界に広がっていきました。
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(3)リハビリテーションの4つの領域
リハビリテーションとは、障害のある人が1人の人間として社会の中で充実した生活が営めるように、身体的、精神的、教育的、社会的、職業的、経済的機能を最大限に回復させることを目的としており、目的達成の為には、福祉や医療など、様々な専門職の連携が必要です。一般的に以下の4つの分野に分類されます。
- 医学的リハビリテーション
- 社会的リハビリテーション
- 教育的リハビリテーション
- 職業的リハビリテーション
❶医学的リハビリテーション
「医学的リハビリテーション」とは、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など、おもに医療職種によって行われるリハビリテーションの一過程で、病気の治療や機能回復訓練などを行うことです。
❷社会的リハビリテーション
「社会的リハビリテーション」とは、社会の中で生活する力(social functioning ability:SFA)を身につけることを目的としたリハビリテーションの一領域です。
具体的には、様々な社会的な状況の中で、自分のニーズを満たし、可能な限り最大限の豊かな社会参加が実現出来るように援助する過程です。
❸教育的リハビリテーション
「教育的リハビリテーション」とは、先天性(生まれつき)の原因や、発達途上における後天的な原因により障害を持つことになった児童に対して、日常生活活動の獲得や学校教育、進路指導などを行うことです。
❹職業的リハビリテーション
「職業的リハビリテーション」とは、身体的及び精神的障害のある人が、適切な職業につき、かつそれを継続することが出来るようにするための職業上の援助を行う、継続的で総合的なリハビリテーションの一過程です。
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