こんにちは💚 介護ラボのkanaです。今回は「福祉住環境」の視点から『老年症候群予防』について書いていきます!!
適切な介護予防とは?
Contents
1.介護予防の中心は老年症候群予防
1⃣老年症候群の3つの特徴と解決すべき3つの対応
2.介護予防に関する評価
1⃣適切な介護予防
2⃣介護予防のターゲット
1.介護予防の中心は老年症候群予防
男女ともに不健康寿命を増大させる原因として「老年症候群」を挙げることができます。老年症候群とは元来、高齢者医療あるいは老年医療の領域で用いられた概念であり、必ずしも疾病というわけではありませんが、「日常生活動作=ADL」を障害し、日々の「生活の質=QOL」を低下させる状態のことを言います。
一方、地域で比較的健常に生活している高齢者、特に75歳以上のいわゆる後期高齢者においても、これまでのわが国の様々な調査研究から、容易に要介護状態あるいは不健康寿命の長期化を招く症候や障害が確実に存在することが明らかになっています。
これらは、
- 転倒
- 低栄養
- 失禁
- 生活機能低下
- 閉じこもり
- うつ病
- 睡眠障害
- 軽度認知障害(認知機能低下)
- 口腔の不衛生状態
- 機能低下
- 足のトラブル
など、多項目にわたり、これらもまた、老年症候群の範疇に入るものになります。
1⃣老年症候群の3つの特徴と解決すべき3つの対応
地域在住高齢者を中心とする高齢者全体での「老年症候群予防」のために、大規模で包括的な対策・施策が必要になります。
地域在住高齢者を対象とした老年症候群の特徴を3つにまとめると、
- 明確な疾病ではない(「年のせい」とされる)。
- 症状が致命的ではない(「生活上の不具合」とされる)。
- 日常生活への障害が初期には小さい(本人にも自覚がない)。
これらのことから、老年症候群を有する高齢者であっても医療機関への受診は少なく、また医療側での対応も一定の水準がなく困難であるのが現状です。
このような老年症候群に対する対策は病気の治療とは異なっていることに困難性が存在しています。
これらを解消するためには、以下の3つの対応が必要になります。
- 対応すべき対象者の明確化。すなわち、危険因子であるリスクファクターの明確化と効果的検診であるスクリーニングの実施。
- 通常の臨床で行われる薬物治療の可能性が少ない。しかし比較的長期間にわたる身体機能改善により症候の改善や抑制が十分に可能である。
- 治療効果や評価が困難である。しかし最も重要なことは対象者である高齢者本人が減衰した機能の改善を実感し、ADLの拡大とQOLの向上が実感できることである。
他の『老年症候群』記事はこちらから・・・
【廃用症候群】老化とは?高齢者の身体的特性について vol.168
【高齢者の疾患7つの特徴】廃用症候群の3種類と老年症候群の3分類 vol.588
2.介護予防に関する評価
適切な介護予防(科学的根拠に基づく介護予防)は、「評価なくして成立しない」といっても過言でないほど、評価は大切です。
どのように優れた介護予防のスクリーニングやプログラムを有していても、それらを適用した結果を評価しなければ、その介護予防が有効なものかどうかはわからないし、かけた費用に見合った結果・効果が発生しているかどうかも検討できません。
1⃣適切な介護予防
適切な介護予防は「適切な対象者に適切な介護予防を行うこと」といえますが、適切な、
- 「対象者の選定」
- 「提供した介護予防サービスの効果判定」
の主に2つの過程での評価が特に大切になります。
「評価」は、単に物差しをあてがって測るだけでなく、測定されたことの意味付け・価値づけを行うことです。すなわち、なぜ評価(測定)が必要なのか、その背景を考えること、与えられた時間的・物的環境を照らし合わせて実行可能性がある測定法を選択すること、できるだけ正確に測定すること、対象者にその結果を還元することなどが評価に含まれます。
地域において、様々な機能状態にある地域在住高齢者から、介護予防(事業)の目的にかなった対象者を選定することは、効率の良い適切な介護予防を行っていく上で必須となります。
2⃣介護予防のターゲット
介護予防のターゲットは、要介護状態をもたらす原因となる『老齢症候群』、すなわち、
- 「虚弱」
- 「転倒」
- 「骨折」
- 「認知症」
- 「低栄養」
などの生活の不具合をきたす心身の機能低下を有するハイリスク高齢者といえます。
介護予防に関する評価は、
❶「地域から要介護に陥るリスクを保持する高齢者を選定すること(スクリーニング)」と、
❷「介護予防によってもたらされた効果判定を行うこと」
の2つに大別されます。
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