こんにちは 介護ラボ・カナログのカナです。今日は「障害者の理解」の中から『難病』について、昨日から3回に分けてまとめていきます。
パーキンソン病の4大症状とは?
Contents
1.主な4つの難病の理解
1⃣筋萎縮性側索硬化症:ALS
●症状
●治療
2⃣パーキンソン病
●症状
●治療
●パーキンソン病の4大症状
●パーキンソン病の進行度の指標
3⃣悪性関節リウマチ
●症状
●治療
●悪性関節リウマチの症状
4⃣筋ジストロフィー
●筋ジストロフィーの病態プロセス
●症状
●治療
1.主な4つの難病の理解
1⃣筋萎縮性側索硬化症:ALS
筋萎縮性側索硬化症:ALSにおける2016年度(平成28)の特定疾患医療受給者保持者数は9557人です。医療受給者証とは、「指定難病に罹患した対象者が、住所地を管轄する保健所へ申請し、認定を受けることで発行され、医療費の助成を受けられるもの」である。
筋萎縮性側索硬化症:ALSは、脳の末梢神経からの命令を筋肉に伝える運動ニューロン(運動神経細胞)が、散発性・進行性に変性脱落する「神経変性疾患」です。
日本における有病率は、10万人あたりおよそ1~2.5人であり、男性患者が多く女性に比べて1.2~1.3倍です。好発年齢は60~70歳台で、家族歴のある患者の割合は約5%を占めます。
●症状
箸が持ちにくいなど上下肢の筋力低下から始まります。進行により下などの筋委縮により嚥下障害や構音障害、呼吸筋の萎縮により呼吸困難を生じます。感覚障害や排尿障害はあらわれにくく、視力や聴力、内臓機能なども正常であることが多いです。
●治療
治療の基本は、筋肉や関節痛に対する対症療法や、症状の進行を遅らせる薬物療法、リハビリテーションなどが中心となります。
他の『筋萎縮性側索硬化症』記事はこちらから・・・
【❹肢体不自由:ALS・筋萎縮性側索硬化症】進行性疾患の福祉住環境 vol.136
2⃣パーキンソン病
パーキンソン病における2016年度(平成28)の特定疾患医療受給者証保持者数は12万7327人である。
パーキンソン病は、脳幹にある黒質線条体の神経細胞が減少し、運動を調整する働きを担うドーパミンが減少することにより生じる「神経変性疾患」です。
日本における有病率は10万人当たりおよそ100~150人で、好発年齢は50~70歳台です。
●症状
- 初発症状は手足が震える「安静時振戦」が最も多くみられます。
- 筋肉がこわばる筋強剛(固縮)、
- 立位や歩行中に前方に重心が傾き前傾姿勢になりやすい「姿勢反射障害」、
- 動作がゆっくりとなる「無動・寡動」、
いられます。これらの4つは「パーキンソン病の4第症状」と言われています。
姿勢反射障害や無動・寡動に伴い、
- 歩行中に前方に重心が傾き止まりにくくなる加速歩行、
- 小股で歩行する小刻み歩行、
- 歩き始めにすくんでしまうすくみ足
が見られます。
無動・寡動により表情の変化が乏しくなる「仮面様顔貌」など、活動・参加に影響を及ぼします。運動症状のほかに、自律神経障害による起立性低血圧や便秘、神経症状としてうつ症状をきたす場合もあります。
パーキンソン病の症状の進行度の指標として、主に「ホーエンヤール重度分類」と「生活機能障害度」が用いられます。
●治療
治療の基本は、減少したドーパミンを補充、受容、分解抑制するなどの薬物療法が中心となります。
近年効果的な治療方法も開発され、仕事や日常生活を継続しやすくなりました。進行を緩やかにするために、前向きな気持ちで生活することも効果的です。
●パーキンソン病の4大症状
●パーキンソン病の進行度の指標
パーキンソン病の進行度の指標
★ホーエンヤールの重症度分類
・ステージ0
パーキンソニズム(症状)なし
・ステージⅠ
一側性(片側上下肢)の軽微な機能低下
・ステージⅡ
両側性又は躯幹の障害、平衡障害はない
★生活機能障害度
・Ⅰ度
日常生活、通院にほどんど介助を要しない
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⭐特定疾患医療費助成制度の対象範囲
【ホーエンヤール重症度分類】
◉ステージⅢ
姿勢反射障害の初期症状などがみられる。身体機能は軽度からちゅとうどの軽減するが、労働可能で、日常生活動作は介助を必要としない。
◉ステージⅣ
日常生活動作の低下が著しく、自力による生活は困難となるが、立つことや歩くことはどうにかできる
◉ステージⅤ
立つことは出来なくなり、車いすやベット上での生活になる。日常生活は全介助。
【生活機能障害度】
◉Ⅱ度
日常生活、通院に部分的に介助を要する
◉Ⅲ度
日常生活に全面的に介助を要し、歩行・起立が不能
※ホーエンヤールの重症度分類:パーキンソン病の症状により、日常生活または社会生活に支障があると判断する基準。ステージ0~に分類されている。
※生活機能障害度:生活機能の障害度に応じてⅠ~Ⅲ度の3段階に分類したもの
他の『パーキンソン病』記事はこちらから・・・
【パーキンソン病】4つの代表的な症状・住環境整備の留意点 vol.128
【指定難病:パーキンソン病とは?】主要な4つの症状とホーエンヤール重症度分類表 vol.222
3⃣悪性関節リウマチ
悪性関節リウマチにおける2016年度(平成28)の特定疾患医療受給者証保持者数は6067にんである。
関節リウマチとは、体内に侵入した病原菌や異物に対して排除する能力としての免疫が、自己に対して攻撃してしまう「自己免疫疾患」です。
指定難病である悪性関節リウマチは、関節の痛みや腫れ、変形を生じる関節リウマチに、「血管炎」「内臓障害」などの関節外症状を認め、難治性または重症な臨床病態を伴う場合の疾患です。
2016年度(平成28)の国民生活基礎調査によると、関節リウマチの通院患者数は男性が人口1000人当たり3.3人、女性は9.3人と、男性より約3倍女性に多く発症しています。好発年齢は、30~50歳台です。
悪性関節リウマチの発症は60歳台が多く、男女比は1:2で女性に多く発症しています。
●症状
関節リウマチの初期症状として、起床時の手指などの関節が動きにくくなる「朝のこわばり」があります。その後、
- 関節の腫脹(腫れ)
- 疼痛(痛み)
生じます。
関節の腫脹や疼痛は、左右対称に出ることが多く、進行すると肘や膝の関節にも広がります。また、関節の骨や軟骨が破壊されるとともに筋肉も委縮することにより変形し、関節可動域が制限されます。関節以外の症状では、
- 疲れやすさ
- 微熱
- 食欲低下
などがみられます。悪性関節リウマチの症状では、「関節炎」や「皮下結節」などの関節外症状や臓器症状として間質性肺炎を生じる場合もあります。
- 皮下結節とは?
-
皮下結節とは、局所的に皮下が丸く盛り上がった状態をさします。
●治療
治療の基本は、リウマチの症状の緩和、関節外病変を抑制するために、ステロイドなどの薬物療法、血漿交換療法などになります。
●悪性関節リウマチの症状
4⃣筋ジストロフィー
筋ジストロフィーには、症状の特徴や発症年齢、遺伝形式等に基づいてデュシェンヌ型などに分類される(最も発症率が高い)。筋ジストロフィーにおける2016年度(平成28)特定疾患医療受給者証保持者数は2784人である。
筋ジストロフィーは、筋繊維の変性・壊死を主病変とし、進行性の筋力低下をみる「遺伝性筋疾患」です。遺伝子に変異が生じることにより、たんぱく質の機能が障害され、筋肉の変性や壊死が起きる病気です。
●筋ジストロフィーの病態プロセス
運動機能が軽症な人は、受診率が低いため正確に把握することが困難ですが、日本における有病率は10万人当たりおよそ17~20人と推測されます。
●症状
主な症状は筋力低下による運動機能障害です。デュシェンヌ型の症状では、歩行開始遅延が30~50%にみられます。歩行時のふらつきや登はん性起立(Gowers徴候)、ふくらはぎ(腓腹筋)の仮性肥大が見られます。
進行すると、10歳前後で歩行不能となります。20歳前後で呼吸機能が低下した場合、人工呼吸器が必要となります。
- 登はん性起立とは?
-
登はん性起立(Gowers徴候)とは、筋力低下により下肢の力だけでは立ち上げることが難しいため、まず手を床につき、臀部が持ち上がったところで手を膝に当てて立ち上がる動作のこと。
●治療
現在根本的に治療法がありませんが、症状の進行を少しでも遅くすることが治療の基本です。症状に応じた薬物療法、嚥下訓練などのリハビリテーションを行います。
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【❷肢体不自由:筋ジストロフィー】進行性疾患の福祉住環境とは vol.134
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