人間の理解

【❶ケアの展開】介護実践のためにかかわる3つのチーム vol.369

2021-06-17

こんにちは。介護ラボのkanaです。「人間の理解」の中から『ケアの展開』について4回に分けてまとめていきます。今日は1回目になります。

チームメンバーとの相互関係

Contents

1.ケアを展開するために必要なチームとその取り組み
 1⃣ケアを展開するための3つのチーム
 2⃣ケア実践の場や内容に応じて変わるチーム
 3⃣チームメンバーとの相互関係
 4⃣介護福祉士がかかわるチームの取り組み

1.ケアを展開するために必要なチームとその取り組み

ケアを展開するためにはどのようなチームが必要なのか、チームにどんなメンバーがいるのかを整理していきます。

1⃣ケアを展開するための3つのチーム

介護福祉士が介護実践のためにかかわる「3つのチーム」について、下記でまとめます。

❶【同職種チーム:介護福祉職】
◉主なメンバー例:介護福祉職
◉実際の取り組みの例
・介護施設、通所施設での介護福祉職チーム
・特定の業務や取り組みを行う介護福祉職チーム
(例)入浴ケアチーム、排泄、食事、研修委員会、レクリエーションチーム

❷【多職種チーム:地域包括ケア、地域ネットワークを含む】
◉主なメンバー例:介護福祉職、医療職、相談職、地域の関係者等
◉実際の取り組みの例
・在宅の利用者を支えるケアチーム
・施設での看護職やリハビリテーション職、ケアマネージャーとのチーム
・特定の業務や取り組みを行う多職種チーム
(例)リスクマネジメント委員会、感染症対策委員会、身体拘束廃止委員会等
・地域ケア会議、支え合いの地域会議(協議体)、地域見守りネットワーク、医療介護連携の会議等

❸【法人や施設、事業所チーム】
◉主なメンバー例:法人や施設、事業所に所属する職種
◉実際の取り組みの例
・❶❷であげた同職種、多職種チームに加えて、運営管理、事務や調理等にかかわる人を含めたメンバーで、法人や施設全体の取り組みを協議・実施するチーム
(例)新しい事業の検討や行事の実施、求人活動の検討、広報等

❷、❸として示したチームには、規模によっては「チーム」というより「組織」または「ネットワーク」と表現したほうがイメージしやすいものもありますが、その中で実際に中心的な役割を担い、協議や活動をするメンバーは「チーム」と呼べる規模で活動していることも多いため、チームの1つに含めて整理しました。

2⃣ケア実践の場や内容に応じて変わるチーム

チームや組織には、つくられた目的や果たすべき機能・役割があります。ケアを展開する場は、介護施設や病院、利用者の居宅など実に様々ですが、場所が違えば使える道具も違い、配置されている職種も違います。つまり、その場ごとの特性があるということです。

そして、場の特性が異なるということは、利用者の心身の状況に応じてケアをするだけでなく、ケアを展開する場やそのケアの内容に応じた連携が必要になるということです。

そのため、必要な役割を果たすメンバーが集まり、場の特性に適応したチームがつくられます。

3⃣チームメンバーとの相互関係

チームメンバーとの相互関係

チーム・組織の規模等とも関係しますが、チームで活動する際にチームメンバーである個人の行動や発言は、無意識のうちにチーム全体からの影響を受けています。

またその反対に、メンバー個人の判断や行動は、チーム活動全体に影響を与えるという「相互関係」にあり、互いに影響を与え合う存在です。

チームとメンバーはプラスの影響を与え合うこともあれば、その逆にマイナスの影響を与え合うこともあります。

【メンバー ➡ チーム全体へ】

  • プラスの影響:利用者の思いを大切にして、生き生きと仕事に励むメンバーは、チーム全体にやる気や充実感を与えるプラスの効果を与える。
  • マイナスの影響:自分本位でやる気のない態度は、他のメンバーに悪い影響を与える。

【チーム ➡ メンバーへ】

  • プラスの影響:相手のことを思いやり支え合うことのできるチームは、困難な課題に対応するときも、メンバーに大きな安心感と力を与える。
  • マイナスの影響:まとまりのないチームは、メンバーの能力を引き出すことが出来ない。

チームワークはメンバーの活動がチーム全体に影響を与え、チームの活動がメンバーに影響を与えるという「グループ・ダイナミクス」の関係にあります。グループ・ダイナミクスをはたらかせられるかどうかが、ケアの展開の質の高低に大きく大きくかかわってきます。

グループ・ダイナミクスとは?

心理学者のクルト・レヴィンによって提唱された集団力学のこと。集団力学とは、人の行動や考え方は集団によって影響を受け、また個人の行動や考え方も集団に影響を与えるという特性のことである。クルト・レヴィンはこのような集団特性のはたらきは、人の行動や考え方に影響をあたる「場の力」の分析が重要であることを指摘している。

また、

  • 「目標を達成する機能(Preformance function)」 
  • 「集団行動ー人間関係を維持する機能(Maintenance function)」

の2つを軸として、これらがチーム内にどのように機能しているのかを確認していく事が、チームマネジメントに有効な方法であるとして理論化されています。

この理論は、2つの頭文字を取ってPM理論と呼ばれています。

PM理論とは?

PM理論とは?
三隅 二不二(みすみ じゅうじ)が提唱したマネジメント・リーダーシップの理論。
①組織の目的を達成させる「職務を遂行させる機能」Preformanceと、②メンバー間の摩擦や葛藤を回避し、チーム意識を醸成させる「集団を維持させる機能」Maintenanceの2つで整理し、この2つを「場の力」を良い状態に保つために必要な要素として捉えている。

チームの役割や機能は、文章化されてメンバーに共有されていることが理想ですが、必ずしも理想的なチームばかりではありません。メンバーとして与えられた業務や役割を果たしながら、チーム全体の業務や役割を理解しなくてはならない場合もあります。

チームや組織そのものも、メンバーとの相互関係を通じて成長したり変化したりするものだと考えておくことが大切です。

4⃣介護福祉士がかかわるチームの取り組み

介護福祉士は利用者の暮らしを最も身近で支える専門職であることから、様々な規模のチーム、様々な目的を持つチームのメンバーとして幅広く仕事をする機会があります。

介護施設におけるチームの取り組みですが、リーダー1人で行うことは出来ません。チームメンバーの理解と協力によりお紺われることで、チームとしての力が高まり、介護の質の向上に繋がっていくものです。

また、介護現場において、これらの取り組みは介護チーム内の担当委員会や係が担う場合もあります。チームの取り組みをリーダーだけの業務と考えるのではなく、チーム全体の役割として全員で取り組むものだと考えることが必要です。

いずれの取り組みも、より良いケアを行うために、介護チームに必要不可欠なものであることをチームのメンバー全員が理解することが重要です。

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
よろしくお願いします♡

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