こんにちは 介護ラボ・カナログのkanaです。今日は認知症の「血管性型認知症」について書いていきます。
血管性認知症の人の抱える困難とは?
Contents
1.血管性認知症
1⃣血管性認知症の病態
2⃣血管性認知症の症状
3⃣血管性認知症の経過
2.血管性認知症の人の抱える困難
1.血管性認知症
1⃣血管性認知症の病態
血管性認知症は、脳に血液を送る血管の狭小化・閉塞や心筋梗塞などによる脳血流低下によって生じる脳梗塞、脳血管の破裂による脳出血などが原因で生じる認知症です。頸動脈~中大脳動脈など、太い血管の閉塞では広範囲の梗塞を生じて脳卒中となります。
主症状は半身の「運動麻痺」や「失語症」ですが、このような大きな脳卒中発作を何度か繰り返すと、脳のあちこちが壊れるので認知症になる確率が高くなります。
但し、このように大血管の梗塞を複数回生じて階段状に悪化する例は全体の少数派です。大部分は、大脳深部の小血管が詰まることで、大脳基底核を中心に生じる小さな脳梗塞の多発による認知機能の低下、また大脳白質の血流不全に伴う認知機能低下によるものです。
2⃣血管性認知症の症状
少数派の複数回の脳卒中発作で発症した場合、高次脳機能障害が見られ、症状は脳梗塞部位によって大きく変わります。また発作のたびに階段状に症状が悪化します。一方、多数派である大脳基底核の多発性脳梗塞や大脳白質虚血による症状は、アルツハイマー型認知症のようにゆっくりと進行するのが特徴です。
多数派である大脳基底核の多発性脳梗塞や大脳白質虚血では、記憶障害など認知症全般で見られる症状が見られますが、特徴的な点は、
- 思考の鈍麻:考えるスピードが遅くなり、間を置いて返答し、会話もゆっくりである
- うつ・アパシー:やる気がなくぼーっとしているアパシーの症状や、悲観的になるうつの症状が目立つ
- 構音障害(ろれつが回らない)や嚥下障害(むせる)など、偽性球麻痺と言われる症状を伴う
- パーキンソニズム(手足の筋が硬くなり動きにくくなる)や、立位バランス障害(転倒しやすい)など、運動障害を伴う
- 脳梗塞の危険因子である糖尿病や心房細動などの不整脈が合併症としてみられる
などの傾向があります。
- 高次脳機能障害とは?
-
ここでの高次脳機能障害は、遂行機能障害、失行、失認、失語などの症状を指す。その一方で行政用語としては、身体障害者手帳で障害名として用いられ、進行性でない障害を指している。認知症の人に通常出現する高次脳機能障害は進行性なので、この用語は血管性認知症以外ではあまり用いられない。
3⃣血管性認知症の経過
未治療では徐々に進行していきます。しかし、脳循環改善薬や脳梗塞を防ぐ薬の投与に加えて、運動や食事などのライフスタイルの改善で短期的には認知機能が改善する可能性があります。よって、経過はまちまちとなります。
アルツハイマー型認知症では嚥下障害は終末期の症状ですが、血管性認知症では初期から嚥下障害が現れる場合があり、胃ろう(PEG:経皮内視鏡的胃ろう造設術)を含めた適切な対応が必要になります。
他の『血管性認知症』記事はこちらから・・・
認知症の人の心理【不安・喪失感を抱く理由】vol.91
2.血管性認知症の人の抱える困難
血管性認知症の人の抱える困難は多岐に渡ります。項目に分けまとめていきます。
- 精神機能:自発性低下、うつ、感情失禁、強制泣き、覚醒レベルの変動、夜間せん妄
- 注意障害:見えども見えず
- 合併症:不整脈、狭心症、高血圧症、糖尿病。脂質異常症など
- パーキンソニズム(パーキンソン病ではなく、パーキンソン病のような症状のこと):小刻み歩行、バランス不良、筋固縮、動作緩慢
- 運動麻痺と感覚障害:動作不良、ADL介助
- 遂行機能障害:家事困難(炊事・片付け・やりくり困難)
- 偽性球麻痺:嚥下障害(むせる)、構音障害(ろれつ)
⭐気になるワードがありましたら、サイドバー(携帯スマホは最下部)にサイト内検索があります。良かったらキーワード検索、もしくは下記をクリックしてみて下さい(^▽^)/
ADL QOL グループホーム ケーススタディ コミュニケーション ノーマライゼーション バリアフリー ブログについて ユニバーサルデザイン 介護の法律や制度 介護サービス 介護予防 介護保険 介護福祉士 介護福祉職 他職種 住環境整備 入浴 入浴の介護 医行為 喀痰吸引 地域包括ケアシステム 多職種 尊厳 感染症 支援 施設 権利擁護 社会保障 福祉住環境 福祉住環境整備 福祉用具 経管栄養 老化 脳性麻痺 自立支援 視覚障害 認知症 誤嚥性肺炎 障害について 障害者 障害者総合支援制度 障害者総合支援法 食事 高齢者
に参加しています。よかったら応援お願いします💛
Twitterのフォローよろしくお願いします🥺