こんにちは。介護ラボのkanaです。「人間の理解」の中から『介護実践におけるチームマネジメント』について7回に分けてまとめていきます。今日は6回目になります。
人材育成・自己研鑽の取り組み
Contents
1.人材育成・自己研鑽のためのチームマネジメント
1⃣人材育成・自己研鑽とチーム
2⃣人材育成・自己研鑽の取り組み
3⃣OJT、Off-Jtとチームマネジメント
(1)介護現場におけるOJT、Off-Jtの長所と短所
(2)OJTとチームマネジメント
1.人材育成・自己研鑽のためのチームマネジメント
1⃣人材育成・自己研鑽とチーム
ケアの展開プロセスをチームで1つひとつ確実に積み重ねることで、介護福祉職は多くの気付きを得ることが出来ます。
- 「このケアは利用者の希望に沿ったものか」
- 「利用者の体調に変化はないか」
- 「利用者は苦痛や不安を感じていないか」
など、ケアの提供によって生じる利用者の反応や変化を確実にキャッチすることが出来れば、利用者の望む暮らしに向けた、より効果的で効率的な介護を行うことが出来ます。
また、いくら丁寧なケアを行ったとしても、根拠のないケアは利用者の望む暮らしの実現や自立支援には繋がりません。
「変化をキャッチする力」を高めるため、根拠のあるケアを行うために、介護福祉職には「学び」が欠かせません。チームとしての人事育成、介護福祉職としての自己研鑽は介護の質を高めるための重要な取り組みです。
2⃣人材育成・自己研鑽の取り組み
人材育成・自己研鑽は、現場で実際の仕事を通しての学びであるOJTと、研修会や通信教育等、介護の現場を離れての学びであるOff-JTの2つに分けることが出来ます。
体系的に知識の整理や土台作りを行うためには、Off-JTや効果的ですが、介護福祉職として仕事に就くと時間劇な制約も生じて、その機会は限られてしまいます。
一方、仕事に就くことによって、OJTで学びを得る機会は飛躍的に多くなります。
OJT、Off-JT、どちらも人材育成と自己研鑽のために必要な取り組みですが、OJTは実際の仕事を通して学べるので、その内容と仕事のずれは少なく、効率的な方法といえます。また、継続的なOJTを通じて、新任者やメンバーのサポートがなされたり、人間関係が構築されたりとチーム作りも促進されます。
しかし、OJTは、業務を行いながら指導に当たる担当者の負担が大きくなりがちです。また、マニュアルや研修計画の充実度によって指導内容にバラつきが生じることもあります。業務に合わせた訓練のため、断片的になりがちで全体を通しての学びや整理が難しいといった短所もあります。
効果的な人材育成をするために、2種類の教育訓練をそれぞれの長所を生かし、短所を補いながら組み合わせていく事が求められます。
他の『OJT』記事はこちらから・・・
【❺組織におけるコミュニケーション】ティーチングとコーチングの違いとは? vol.361
3⃣OJT、Off-Jtとチームマネジメント
日々行われているOJTの短所を補うには、チームでの取り組みが有効となります。チームで効果的にOJTに取り組むことが出来れば、指導者の負担は軽減され、指導内容のバラつきが減る等の大きな効果を得ることが出来ます。
(1)介護現場におけるOJT、Off-JTの長所と短所
OJT、Off-JTの長所と短所
【OJT:on-the-job training】➡仕事を通した訓練・学び
●長所
・学びと仕事のズレが少ない
・チームの人間関係づくりが進む
・指導する側、チーム全体を育成できる
●短所
・指導者の負担が大きい
・指導者によって内容に差が出る
・業務に合わせるので、体系的になりにくい
【Off-JT:off-the-job training】➡仕事を離れての訓練・学び
●長所
・知識の整理や土台作り、現場にない新しい取り組みに向く
・学びのメニューが豊富でタイミングも選ぶことが出来る
●短所
・費用や時間が掛かる
・実践とのズレが生じやすい
・効果が出るまでに時間が掛かる
(2)OJTとチームマネジメント
チーム内で、指導内容の検討や研修・訓練計画、訓練マニュアル、介護マニュアルの作成や見直し等、OJTに体系的に取り組む組織では、指導する側やチーム全体へ与える教育的な効果も期待出来ます。
自らの介護手順や方法を見直したり、その根拠を説明するための言語化、文章化を通して、指導する側も自己研鑽のチャンスを得るのです。
最近では、介護実践現場での学習やレポート作成を通じた学習が含まれる研修や、上司と習得目標を協議すること、現場のチームでの振り返りを行うことを要求するような研修もあります。
また、多くの施設や事業所では、研修会での学びを文書にしてチームメンバーで共有していたり、学んだ内容を元に発表や伝達研修を実施していたりします。
どのような形態での学びも人材育成と自己研鑽に繋がりますが、その学びをチームで共有・活用することで学びの効果はより大きなものとなります。効果的な人材育成・自己研鑽に、チームの力は不可欠なものだと言えるでしょう。
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