介護ラボのkanaです♡ 今回は、1番小さな社会である「家族」について。家族にまつわる色々をまとめていきます!
「核家族」「複婚家族」「拡張家族」とは??
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家族の概念とその変容
(1)家族の定義
人はみんな、どんな形態にせよ、家族を構成する一員となっています。
「家族」という言葉はあまりにも日常的過ぎて、あらためて考える機会はなかったと思います。
そんな「家族」について、構造や形態、役割などについて書いていきます。
では、家族とは何か??というと・・・
実は・・・家族についての法律的定義は見当たりません。 そこで、家族と似たような言葉として、「親族」、「家庭」、「世帯」、などがありますのでその説明をします!
ではそれぞれについて書いていくと・・・
家族:夫婦の配偶関係、親子・兄弟などの血縁関係によって結ばれてた親族関係を基礎にして成立する小集団のこと
・親族:①6親等内の血族(血が繋がっている)、②配偶者、③3親等内の姻族(義理の家族)
・家庭:夫婦・親子などが一緒に生活する小さな集まり、又は家族が生活する場所
・世帯:住居及び生計を共にするものの集まり、又は独立して住居を維持し、もしくは独立して生計を営む単身者をいう
と定義されています。
下記に簡単な「親族図」を書きましたが・・・
・赤丸 ⇒ 自分
・オレンジ丸 ⇒ 血族(親族)
・ブルー丸 ⇒ 姻族(親族)
になります。
そして、もっと詳しく書いていくと・・・
- 親族については、民法第730条に「直系血族及び同居の親族は、お互い扶け合わなければならない」と定められている。
- 世帯とは、「住居及び生計を共にする者の集まり」とされ、「国民生活基礎調査」の定義によれば、世帯を構成する者は、親族は勿論、親族以外の者でも「住居及び生計を共にする者」であれば「世帯」となります。
- 家族とは、「夫婦関係を基礎として親子、兄弟などの近親者がその主要な構成員で、相互に愛情やわれわれ感情によって強く結ばれ、共同の生活を営んでいる福祉共同集団」のこと。家族は、親族や世帯とは異なり、単に範囲などを示したり、生計を共にしたりということだけでなく、相互に愛情や「われわれ感情」によって強く結ばれることで、重要な日常生活の基盤となっています。
- われわれ感情とは?
-
お互いが仲間であるという気持ち、共通の立場に立ち、利害が一致し、相互に好感を持ち、同一視しあっている時の感情のこと。
(2)家族と世帯の変容
「世帯数」と「平均世帯」の人数をみてみると・・・
・1953年(昭和28)では、1718万世帯、平均世帯人数は、5.00人
・2019年(令和元)では、5178万5000世帯、平均世帯人数は2.39人
・2022年(令和4)では、5431万世帯、平均世帯人数は2.25人
となっていて、世帯数は増加していますが、平均世帯人数は減少しています。※厚生労働省「世帯数・構成割合」より参照
次に、「65歳以上の者のいる世帯の世帯構造」は、
1986年(昭和61)では・・・
・三世代世帯:44.8%
・夫婦のみ世帯:18.2%
・単独世帯:13.1%
2017年(平成29)では・・・
・夫婦のみ世帯:32.5%
・単独世帯:26.4%
・三世代世帯:11.0%
2021年(令和3)では・・・
・夫婦のみ世帯:32.0%
・単独世帯:28.8%
・三世代世帯:9.3%
このように、65歳以上の者のいる世帯構造が大きく変容しています。
世帯の規模が縮小していることから、世帯もしくは家族の中で、介護を要する高齢者の介護をする担い手が少なくなったということがわかります。
その結果、介護の機能が社会に求められるようになりました。
このことは一般的に『介護の福祉化』と呼ばれています。
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家族の3つの区分と、定位家族と生殖家族(創設家族)
アメリカの文化人類学者マードック(Murdock,g.)は、家族を「核家族」,、「複婚家族」、「拡張家族」、の3つに区別しています。
①核家族
「核家族」とは・・・
夫婦と未婚の子女という基本形態の家族です。
※「国民生活基礎調査」においては、
- 「夫婦のみ世帯」
- 「夫婦と未婚の子のみの世帯」
- 「ひとり親と未婚の子のみの世帯」
を『核家族世帯』と位置付けています。
②複婚家族
「複婚家族」とは、日本では認められていませんが・・・、一夫多妻あるいは一妻多夫のような、複数の婚姻が1人の男もしくは女を中心に2つ以上結びつけられた家族形態のことをいいます。
③拡張家族
「拡張家族」とは、既婚の成人の核家族が、両親のそれに結び付けられることによって連なった2つ以上の核家族によって構成されている大家族のことです。
我々は一般的に2つの家族を経験するといわれていますが、今は一生のうちに1度も結婚しない未婚者も増えていることから、今まで普通だと思われていた社会の概念が変わりつつあります。
◉定位家族と生殖家族(創設家族)
では次に、「定位家族」と「生殖家族=創設家族」について。
「定位家族」とは、自分が親の子どもとして家族の一員である時期のことで、これは、実際に生まれたときの家族の状態のことをいいます。
そして、結婚し、子どもが生まれて自分が親となり家族を作る時期、新しく作った家族のことを「生殖家族」といいます。同じ意味で「創設家族」ともいいます。
家族の機能とその変化
家族は日常生活を営む上で重要な基盤となっています。
家族の機能として、子どもを生み、育てるという「生殖と子供の養育」としての機能があげられますが、家族の機能は多様であり、かつ時代によって変化しています。
家族観の多様化
かつては、「女性は家庭、男性は仕事」という家族観が一般的でした。
しかし、近年では、
- 「三世代世帯の減少」
- 「単独世帯や夫婦のみの世帯の増加」
- 「夫婦の共働き家庭」
- 「単身赴任」
- 「離婚などによる1人親の増加」
など、家族観が多様化しています。
家族観が多様化している中では、家族を一括りとして見るのではなく、家族を構成している1人ひとりを見る視点が重要になります。
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