こんにちは
介護ラボ・kanalogのカナです。睡眠についてですが・・・
今回は2回目、全3回(【レム睡眠・ノンレム睡眠】休息のしくみと睡眠の質を高める方法 vol.60、【睡眠障害】不眠症の4種類と、7つの睡眠障害 vol.62)に分けて書いていきます!
心身の機能の変化が睡眠に及ぼす影響
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加齢による睡眠の変化4つ
睡眠は加齢に伴って変化します。
❶睡眠時間
一般的に、年齢を重ねるごとに必要な睡眠時間は短くなる傾向があります。
高齢者の場合、運動量が低下してエネルギーの消費が少なくなるため、必要な睡眠量も減少すると考えられています。無理に長い時間眠ろうとすると、睡眠が浅くなり、熟睡感が得られません。
❷睡眠比率
布団に入っていた時間のうち、実際に眠っていた時間の比率を「睡眠比率」といいます。10~20歳代では睡眠比率はほぼ100%ですが、その後徐々に飛空なり、80歳代には70~80%までに低下します。
❸概日リズム
加齢により体内時計が変化すると、概日リズムにも変化が生じます。60歳代では実際に眠れる長さが短くなるため、早朝に覚醒することが増え、早寝早起きが極端になる場合もあります。
❹睡眠リズム
加齢により、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの分泌が減少します。
その結果、深いノンレム睡眠が減り、浅いノンレム睡眠が増えるため、夜中に何度も目が覚めたり、ちょっとした物音で目覚めたりするようになります。
心身の機能の変化が睡眠に及ぼす影響
睡眠に影響を及ぼす原因には、「加齢による睡眠の変化」のほかに、
- 身体的要因
- 心理的要因
などがあります。
①からだの予備能力の低下
加齢とともに腎機能が変化すると、睡眠中にトイレに起きる回数が増えます。
若い人の場合、睡眠中にトイレに行かなくても大丈夫なように、夜間は尿が濃縮されて量が減りますが、高齢者では、夜間の量の濃縮が不十分になるため尿量が多くなります。
睡眠中にトイレに起きる回数が増えると、睡眠が妨害され眠りが浅くなります。
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睡眠を妨げる身体疾患
高齢者では、慢性の病気が障害がある人も多く、それらの症状によって睡眠が妨害されることがあります。
また、ステロイドホルモンや消炎鎮通剤、気管支拡張剤、降圧剤など、身体疾患の治療のために服用する薬剤の中には、副作用として不眠を引き起こすものがあります。
睡眠を妨げる主な身体疾患
・狭心症や心筋梗塞による胸苦しさ
・前立腺肥大症や膀胱炎による尿路系の刺激
・腰痛や神経痛、関節リウマチなどによる痛み
・COPD(慢性閉塞性肺疾患)や気管支喘息による咳、呼吸困難
・皮膚炎や疥癬、糖尿病による掻痒感(かゆみ)
老年期に直面しやすいこころの問題
睡眠は、こころの問題とも関連しています。
日常生活上の問題やストレスが原因となって、一時的に不眠になることがあります。また、眠れない経験を繰り返すと不安になり、眠れないことに対する心配が不眠を引き起こしていることがあります。このような状態を精神性生理性不眠症と呼びます。
老年期に直面しやすいこころの問題
・老化に対する不安や戸惑い
・病気に対する悩みや苦しみ
・様々な喪失体験(社会的な地位や役割、配偶者との死別など)
・心気障害(心気症)
※身体的異常がないにもかかわらず、身体の変化を重篤な病気だと思い込んで異常なほど心配し、身体的訴えを繰り返す神経性障害)
睡眠不足が及ぼす影響
必要な睡眠が不足したり、睡眠の質が低下したりすると、こころとからだは十分に休息することが出来ず、その結果こころとからだに様々な影響を及ぼし、QOL(生活の質)が低下します。
❶生活への支障
夜間睡眠の不足や質的低下によって必要な睡眠がとれないと、心身の疲労が回復せず、翌日はからだがだるく、日中でも寝受けが残ります。
そのような状態が長く続くと、疲労が蓄積され、不調感、情緒不安定、注意・集中力の低下などが生じて、日常生活に支障をきたします。
❷生活習慣病のリスク
必要な睡眠が不足すると、病気に対する抵抗力が弱くなり、からだにも様々な影響を及ぼします。
必要な睡眠が十分にとれていないと、肥満を招く原因になり、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の危険を高め、またその症状を悪化させることが分かっています。
❸こころの問題
睡眠による休息感は、こころの健康にも重要です。
睡眠不足によって、心身の不調が現れ、意欲が減退すると、うつ病のようなこころの病に繋がる場合もあります。
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