認知症の人の終末期の定義
読み方:にんちしょうのひとのしゅうまつきのていぎ
認知症の診断基準にはICD-10やDCM-Vなどがありますが、そこには終末期の定義は示されていません。
一方、アメリカのホスピスの導入基準には、アルツハイマー型認知症のステージ分類を示す「FAST」で最重度分類である7に含まれる、
- サブグループc(歩行能力の喪失)
- サブグループd(着座能力の喪失)
- サブグループe(微笑む能力の喪失)
- サブグループf(混迷及び昏睡)
の状態で、合併症を発症した場合に認知症の終末期と考えると示されています。ここでいう合併症とは、
- 誤嚥性肺炎
- 尿路感染症
- 多発性の重度な褥瘡
- 抗生物質投与後の繰り返す発熱
などが含まれます。
その他、全米ホスピス・緩和ケア協会(NHPCO)などにも、基準が示されています。それらを踏まえると、認知症の人との終末期は、
❶1人では移動できない
❷意味のある会話が出来ない
❸ほぼ全介助を要する
❹尿失禁や便失禁がみられる
❺誤嚥性肺炎、尿路感染症などの合併症を発症している
などが主な基準と考えることが出来ます。