こんにちは(^▽^)/ 介護ラボのkanaです。今日は「介護の基本」の中から『生活とは?』について3回に分けて書いていきます(本日3回目)。
生活を構成する重要な要素とは?
Contents
1.生活の特性
1⃣いつもの暮らしがある
2⃣生活者本人が選択するが様々な影響を受ける
3⃣他者との関りが不可欠
4⃣連続性の中で変化する
5⃣住んでいる地域により暮らし方は変化する
6⃣1人ひとりが人生という歴史を刻んでいる
7⃣生活習慣の違い
1.生活の7の特性
生活の考え方や構成要素から、生活の特性について整理すると、次項からの7つについて考えることが出来ます。
1⃣いつもの暮らしがある
生活活動には様々な種類がありますが、置かれた状況や志向により何をどう選択するか、またどのような場で行うのかによって、人それぞれ異なったものになります。また、そこにどのような思いを持っているかについても人それぞれである事を考えると、生活にはいくつもの形があるということを踏まえておかなければなりません。
2⃣生活者本人が選択するが様々な影響を受ける
生活の営みは、その人の自由意思によって選択されるものですが、全てが思うようになるわけではありません。
生活の営みは、
- 経済状況や身体能力
- 住まいの状況
- 周囲の糸たちとの関係
などの影響を受けるため、意に沿わないことや十分でないこともあります。自分の置かれている状況において、生活行動についての取捨選択を行っているといえます。
3⃣他者との関りが不可欠
生活行動は個人の行為だけで成り立つものばかりではありません。他者との共同作業として行われることや、自身の力だけでは不十分な場合に、誰かの助けを借りて行うこともあります。
そこでは、自分の思いだけを主張するのではなく、周囲の者への配慮や気遣いといったものが必要となります。周りを無視した行動によって、周囲との関係性が悪化したり、壊れたりし、それにより生活行動に制限を受けたり、満足のいかないものになったりしてしまうこともあります。
4⃣連続性の中で変化する
人は誕生から始まり、亡くなるその瞬間まで、生活行動を繰り返しています。生活行動は一見同じことを繰り返しているようでも、その時々の思いや感情は一定ではありません。
自分の置かれた状況や、周囲の人や環境が変わることによって、行動が大きく変化することもあります。
行動の変化は、関係性の変化に影響します。その中でどのような関係を結んでいくかによって、更に行動の変化が生じます。人は時間の流れの中で変化するものであり、固定された行動や関係性の中で理解しようとするのは困難です。
5⃣住んでいる地域により暮らし方は変化する
私たちは生活に必要な様々な物やサービスの多くを、暮らしている地域の中で手に入れています。交通網が整備され物流が盛んな現代社会では、スーパーや商店、デパートに行けば必要なものの殆どを手に入れることが出来ます。
日本は国土が南北に長いため、同じ季節でも地域による差が大きく、特に冬場に雪の多い地域では、住環境の整え方において他の地域とは大きな違いがあります。
例えば、冬の北海道は、シャツ1枚ですむほど暖房が効いた室内で過ごします。衣類を何枚も着込んで生活する人からすると考えられない光景ですが、それが日常で当たり前の生活環境なのです。
住環境や衣食住の違いだけでなく、地域ごとの自治会活動や祭りなどの行事にも大きな違いがあります。
日本を代表するような有名な伝統行事の中には、祭りの日は地域の小・中学校が休みとなり、子どもや若者から高齢者まで地域総出で祭りをも盛り上げるなど、その地域の人たちにとってなくてはならないものとして、生活に根差したものになっています。
以上のことから、気候や風土、文化の違いなどで日々の生活に大きな違いがあることが分かります。
都会と田舎、工業地と農村では、手に入れられる物や場が異なり、古くからある町と新しくできた住宅地では、町内会の行事や住民同士の付き合いも異なってきます。地域で生活するということは、その地域が持つ特性を理解し、適応していくことであるといえます。
6⃣1人ひとりが人生という歴史を刻んでいる
生活の営みは生活行動の繰り返しであり、年齢とともに変化していきます。人の一生は「誕生→成長→成熟→老化→死亡」という一般的な生活周期を持っていますが、この過程の変化はその人の生きてきた環境や時代背景によって大きく異なります。
高齢者は、第2次世界大戦中の厳しい生活環境で、食べ物や物を粗末に扱うことが出来ないなど辛い生活を体験し、その経験が現在の生活に大きな影響を及ぼしています。
その後、日本が高度経済成長を遂げる過程では、
- 女性の社会進出
- 家族構成の縮小(3世代家族から2世代家族へ)
- 第2次産業が第1次産業を上回り産業構造の変化
- 生活スタイルの欧米化
- 都市部への人口集中
など、日本の発展と繁栄の中で生活を営んできました。
繁栄の象徴ともいえる東京オリンピックが1964年(昭和39)に開催され、人々がテレビの前に集まって放送を見ている光景は高齢者にとっては戦後の何もない時代からは考えられない夢のような出来事であったかもしれません。
また、電気冷蔵庫や電気洗濯機、電気掃除機など家事を助ける電化製品の登場は女性の社会進出の手助けをし、生活に大きな変化をもたらしました。
人の一生は、政治、経済、教育、三条、物の考え方や価値観など、生きてきた時代の影響を大きく受けており、その人の育った社会を反映しているものであるといえます。
その人の生活史を理解するということは、1人ひとりが生きてきた時代との繋がりの中で生命を営み、社会との関係性を作ってきた人生という「歴史」を理解することであるといえます。
7⃣生活習慣の違い
生活習慣は、子どもの頃の家庭でのしつけや、育った家庭、地域の環境に大きく影響を受けます。兄弟姉妹の世話や家事を分担する祖父母から教えてもらった伝統的な行事などを必ず行うなど、子どもの時に身に付いたものもあれば、学校や職場、地域の活動を通して身に付けてきたものもあります。
いずれも、より良い生活を継続し、目標や目的を達成するために、日々の生活を積み重ねる中で築き上げられるものです。他の人には理解しづらいことであっても、本人にとっては「自分らしさ」を表現し、快適に生活するためになくてはならないものといえます。
長年の生活によって培われた生活環境が損なわれることは、自分らしさを失うことにも繋がりかねません。そのためにも自分らしく生活できる環境はとても大切なものになります。
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