遂行機能障害
読み方:すいこうきのうしょうがい
遂行機能障害とは、作業の段取りを考え、効率よく作業することができなくなることをいいます。認知症の中核症状の1つになります。わかりやすい例は、夕食の準備です。まず、残ってる食材をチェックして、それを活用しながら献立を考え、不足しているものがあれば買い物に行き、ごはん、みそ汁、おかずが同時に仕上がるように並行していくつかの作業を進めます。この段取りがうまくできなくなるのが遂行機能障害です。
遂行機能には、前頭前野(前頭葉前半部)の外側面が中心的役割を担っています。作業の遂行にはワーキングメモリ―(作業記憶(短期記憶))を働かせます。
同時並行で作業を進めるには、作業記憶をフルに使う大変な作業です。よって、アルツハイマー型認知症になると複雑な工程の調整が難しくなります。
さらに、アルツハイマー型認知症では、作ろうと思った献立をすぐに忘れてしまい、当初の計画とは異なるおかずが仕上がるといったように、遂行機能障害だけでなく記憶障害も調理に大きく影響します。