ヴィラントの4分類とは
読み方:ヴィラントの4ぶんるい
ヴィラントは成熟度に沿った4分類を示しました。防衛機制の種類をできるだけわかりやすく下記で説明します。
- ✅ヴァイラントの4分類と代表的な適応機制/防衛機制の例
- ❶【精神病的防衛】
●投射(投影):自分の容認しがたい欲求や感情を他者の中にあると考えて、それを指摘・非難する機制
例)本当は好きだけど、相手が自分のことを好きと言いふらす
❷【未熟な防衛】
●退行:より以前の発達段階に逆戻りして、甘えるなどの未熟な行動をとる機制
例)4歳の子供が、母親に赤ちゃんが生まれたことから、指しゃぶりやお漏らしをするようになった
❸【精神症的防衛】
●抑圧:容認しがたい欲求や感情を意識の表面にあらわれないように抑えつけ、意識に上らせないように(無意識のうちに忘れてしまう等)する機制
例)辛い失恋をしたことを、思い出そうとしても思い出せない
●補償:ある一面での劣等感情を、他の面での優越感情で補おうとする機制
例)走るのは遅くて体育は苦手だけど、勉強なら負けない
●置き換え:ある対象に向けられた欲求や感情(愛情・憎しみなど)を他の対象に向けて表現する機制
例)いじめられても仕返しができず、自分の妹をいじめる
●代償:本来の目的が得られないとき、獲得しやすい代わりのものに欲求を移して我慢する機制
例)ブランド物のお財布が欲しいけど、偽物で我慢する
●反動形成:知られたくない欲求や感情と正反対の行動をとることによって、本当の自分を隠そうとする機制
例)大好きなのに嫌いなふりをしたり、意地悪をしてしまう
●逃避:不安、緊張、葛藤などから(白昼夢・空想や疾病などに)逃げ出してしまうことによって、自己の安定を求める機制
例)学校に行きたくなくて、お腹が痛くなる
●合理化:自分に都合のより理屈付け・言い訳をすることで、自分の失敗や欠点を正当化する機制
例)テストの日にお腹が痛かったから仕方ない、お腹が痛くならなかったら合格していたはず
❹【成熟した防衛】
●昇華:社会的に承認されない欲求や情動(性的・攻撃的)を、社会的に認められる形で満たそうとする機制
例)抑圧された感情を、音楽や絵で表現する
●同一化(同一視):満たせない願望を実現している他者と自分とを同一化することにより、あたかも自分自身のことのように代理的に満足する機制
例)うちの長男は現役で芸大に入学したと自慢する、好きなタレントのファッションをまねをする
「介護ラボ」の人気の記事
介護に困ったときに知っておきたいこと(相談窓口・手続き)
介護保険で利用できる『7つの介護予防プログラム』を使って自立した生活を継続しよう!
【ピアジェ、エリクソン、ハヴィガースト】発達段階と発達課題 vol.77
【比較】エンパワメントとストレングスとは?介護福祉職による支援方法 vol.45
【老年期】ハヴィガースト、エリクソン、ペック、レヴィンソン、バルテスの発達理論 vol.283
【介護福祉の基本理念・ポイント3つ】最も大切な理念とは? vol.8
【障害受容の5つの段階】障害者を取り巻く4つの障壁(バリア)vol.49
【発達理論】ピアジェ、エリクソン、バルテスの発達論を理解する vol.76
【アセスメントの3つの視点】情報の解釈、関連付け、統合化とは? vol.195