アドバンス・ディレクティブ:事前指示書
読み方:あどばんすでぃれくてぃぶ・じぜんしじしょ
アドバンスディレクティブとは、意思決定能力を喪失した場合の治療に関する意向を、前もって口頭又は書面で意思表示したもの。日本では法制化されていないため、一定の様式は決まっていません。
たとえば、経管栄養に限らず、医療的な処置を実施するか否かの選択は認知症の人の終末期においては非常に重要な課題です。
認知症の人の場合、自己決定に代わる
「推定意思」
「代理意思」
「事前意思」
に基づいて決定していくことになります。
高齢労働省による「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」や、日本老年医学会の「立場表明2012」においても、
❶本人の意思が確認できない場合には、家族の意見などから本人の意思をできるだけ推定して尊重すること
❷本人の意思を推定することも困難な場合には、関係者間での十分な話し合いに基づいて、本人にとっても最善の方針を決定すべきである
ことが示されています。
また、本人の意思よをり明確にする1つの方法として、アドバンス・ディレクティブ(事前指示書)や、認知症が重度化する前に本人と家族と専門職が事前に話し合い、本人の価値観を共有するプロセスを重視するアドバンス・ケア・プランニングの取り組みも進められてきています。