アルツハイマー型認知症治療薬
読み方:あるつはいまーがたにんちしょうちりょうやく
アルツハイマー型認知症の保険適用がある薬剤は、ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチンの4剤で、メマンチン以外の3剤は、コリンエステラーゼ阻害薬といい、アセチルコリンを分解する酵素をはたらかなくすることで、アセチルコリンのシナプス濃度を高める薬剤です。
アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症では、アセチルコリンを産生して大脳皮質や海馬に届けている神経細胞が減ってくるため、アセチルコリンを増やす薬剤が有効で、認知機能の若干の向上や生活力の向上(ADL:調理をするなど)が期待されます。
1年くらい進行遅らせる効果はありますが、根本的治療薬ではないので、内服していても進行します。
ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンの3剤は、アセチルコリンを増やすだけでなく、脳外のアセチルコリンも増やすために副交感神経系が活性化して、腹痛・下痢・食欲低下などの胃腸障害、徐脈、喘息といった副作用が出る可能性があります。
また、脳が活性化されると同時にイライラが増して易怒性があらわれたり、過活動になる事例がありますが、薬の減量・消失します。
これは副作用というより、効きすぎ症状ですので、減量投与で落ち着くことがあります。
なお、3剤の中ではドネペジル(アリセプト)のみが、レビー小体型認知症に保険適用となっています。
残る、メマンチンは、興奮性アミノ酸であるグルタミン酸の受容体を部分的に阻害することで、神経細胞の過剰な興奮による神経細胞死を防ぎます。
どちらかというと易怒性や過活動なのを抑える方向にはたらきます(開始量の5㎎で興奮する事例も時にあります)。
高齢者では20㎎を継続すると過鎮静になる場合があり、減量で回復します。メマンチンは、めまいの副作用やあり、転倒・転落に注意が必要です。頭痛、血圧上昇などの副作用もあります。