環境的圧力
読み方:かんきょうてきあつりょく
人と環境との関係を示すものとして、老年学者「ロートン氏(Lawwton,M.P.)」によるモデルがあります。
横軸を「環境的圧力」といわれるものでその人が環境から受ける圧力を、そして縦軸を「その人が持っている環境に適応するための能力」を表します。
当然、認知症の人は環境への適応能力が弱い状態にあります。したがって、大切なことは「環境的圧力」をどのように考えるかということになります。
例えば、自宅で暮らしていた人が、介護施設に移ったとします。その状況や環境がそれまで暮らしてきた場所と大きく変われば圧力を感じます。
一般の人であれば感じない、若しくは乗り越えられるような圧力であっても、認知症の人にとっては大きな脅威になります。その圧力が、その人の適応できるレベルである範囲に収まらなければ、不適当な行動や感情。BPSDを誘発してしまいます。
環境的圧力が小さすぎても、つまり何も刺激がない状態でも同様です。
その人に合った適切な圧力である心地よい刺激を与えることも大切になります。
もちろん、環境への適応力を高めることで、その環境的圧力を乗り越えられる、若しくは適応することが出来るようになります。
しかし、認知症の特性を考えるとそれは難しく、いきつくところ、環境側からの対応、つまりはその人に適切な環境を整えることが重要だといえます。