回想法
読み方:かいそうほう
回想法とは、1960年代、アメリカの精神科医バトラー氏(Butler,R.)が、構成者の回想の意味の問い直しを提唱したことを契機に実践されるようになった非薬物療法の1つです。自分の過去や昔の話を語ることで脳に刺激を与え、認知症の予防や進行抑制の効果が期待できます。
バトラー氏は、当時、精神医学や心理学の論文で、
「高齢者の回想は、単なる過去の繰り言」
「高齢者の回想は、現実逃避に過ぎない」
と記されていたものの、教養ある元気な高齢者も含め、多くの高齢者がとてもうれしそうに、そして楽しそうに回想している様子から、「高齢者の回想は、否定的なものではなく積極的な意味を持つものではないか」と考えました。
それ以降、対人援助の技法として、高齢者の回想を積極的に活用する回想法の取り組みが始まりました。回想法には、
- 認知症などの疾患等のない元気な高齢者を対象とした実践
- 認知症などの何らかの疾患等のある高齢者を対象とした実践
があります。