発達と老化の理解

【言語発達】言語の3つの過程(発生・語彙・文法の発達)について vol.594

2022-01-28

こんにちは 介護ラボのkanaです。今日は「発達と老化の理解」の中から『言語発達』について書いていきます。

クーイングとは?

Contents

1.言語発達
 1⃣言語発達の理解(チョムスキー、トマセロ)
 2⃣言語発達の過程
 (1)発生の発達(クーイング)
 (2)語彙の発達(語彙爆発)
 (3)文法の発達
2.まとめ

1.言語発達

1⃣言語発達の理解(チョムスキー、トマセロ)

乳幼児期における母国語の習得は「言語獲得」と呼ばれています。言語獲得のためには、言語的な経験が必要です。

しかし、生育環境による経験の個人差があるにもかかわらず、乳児から幼児になる短い期間に同じように母国語を獲得することができます。

また、どの言語にも共通に同様の獲得過程があり、乳児は世界のどの言語でも獲得することが可能だと考えられています。

言語学者のチョムスキー(Chomsky,N.)は、人は種として遺伝的に言語獲得装置が備わっており、それが乳児期から幼児期に接触した言語経験に応じて発現し、母国語の獲得が図られるという「遺伝的要因」を重視する言語発達の理論を提案し、広く受け入れられています。
※チョムスキー(1928~):アメリカの言語学者。1950年代から文法の理解や獲得について、生成文法や普遍文法といった新しい理論を展開し、その理論は言語学の一大潮流となっている。

一方で、言語特有の生得的な獲得装置を仮定していない言語獲得理論を提案している研究者もいます。

例えば、比較行動学者であり発達心理学のトマセロ(Tomasello,M.)は、人間は他者の行動の背後にある意図を推測し模倣できるということが特徴であることに着目して、周囲と人と社会的な関係を形成する経験の中で言語が獲得されるという「経験的要因」により重点を置いた理論を提案しています。

トマセロ(1950~):アメリカの心理学者。比較行動学や発達心理が学が専門。言語獲得について、チョムスキーの理論を批判し、社会的コミュニケーションの役割を重視している。

2⃣言語発達の過程

(1)発生の発達(クーイング)

乳児は産声を上げて出生しますが、泣くという音(叫喚音:きょうかんおん)しか発することができません。

生後2か月頃になると『クーイング』と呼ばれる、「あー」「くー」といった音を発し始めます。

しばらくするとクーイングの複合も見られるようになり、6か月頃には「ばーばー」「だーだー」といった明確な発音である『喃語(なんご)』を発するようになります。

(2)語彙の発達(語彙爆発)
初語とは?

徐々に発生できる音が増えていき、個人差はありますが1歳前後になると最初の単語を発し始めます。最初に発する語を「初語」と言います。

日本語の初語は、「まんま」「まま」「ぶーぶー」などであり、多様です。

この時期の子どもが発生する単語は大人が用いるのと同じ意味で使われているのではないと考えられています。

例えば、外で知らない男性に「ぱぱ」と発語するなど、指示している対象が広い「過剰拡張」や、「わんわん」を特定の種類の犬にしか用いないような対象が狭い「過少縮小」という場合もあります。

やがて、こうした誤用は徐々に減り、語の指し示す範囲は大人と一致していきます。

また、1語で「まんま」と言っても実際には「ご飯をちょうだい」というように述語を伴っているような使い方も多く、この時期の1単語の発語は「1語文」と呼ばれています。

初語の出現誤、しばらくは発声できる単語数はそれほど増えていきません。

1歳半位になると発語できる単語が約50語に達すると、急激に単語数が増加します。この状態を「語彙爆発」と呼びます。個人差もありますが、2歳頃までに300語程度に達します。

(3)文法の発達

1歳半位になると語彙爆発とともに、2つの単語を繋げた2語文の発語が始まります。2語文では、「わんわん きた」「ぱぱ すわる」というように行為者+行動や対象物+行為などの形式をとっており、助詞などが省略されている電報の分に似ていることから電信文と呼ばれることもあります。

やがて、語の数が増える多語文の時期を経て、個人差がありますが、2歳前後頃から「が」「を」「に」のような格助詞を使うことができるようになっていき、母国語の文法が獲得されています。

2.まとめ

このように、どのような遺伝的要因が必要なのか、環境的要因がどの程度強く影響するかということは議論がありますが、言語獲得には人間特有の「遺伝的要因」と、言語に接する「環境的要因」の相互作用が必要だということは一致しています。

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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