(食事)失認に対するケア
読み方:しつにんにたいするけあ
認知症の人は、ご飯やおかず、みそ汁などを混ぜ合わせてしまい、食べようとしないことがあります。こうした状況を「食事をもてあそぶ」と表現することがあります。その原因として、食事だと認識できなくなっている「失認」や、一連の動作をうまく行えない「失行」があります。
いつも「食事をもてあそぶ」行為がみられ、全く食べていないのであれば、低栄養や脱水に繋がり、最悪の場合は生命にかかわる状態になっているはずです。
もしそうでないならば、必ず食べたり飲んだりしている場面があるはずです。「食事をもてあそぶ」場面に着目するのではなく、どういう状況だと食べたり飲んだりするのかに着目することが解決策になります。
「空腹である」または「便秘していない」に加えて、好物を用意してみる、気心知れた人と食卓を囲むことも大切です。
他にも、
・テレビの音や食器がぶつかる音などの耳障りな音がしない
・食事中に目の前を他の人が横切ったりしない
・過度に「食べてください」などの声掛けをしない
といった、その人のペースで食事に注意や関心・興味を向け続けられる状況を作る・環境を整えることが必要です。
また、器が自分のものか、他者のものか識別がつかないことがあり、他者のものを自分の物だと思い込み食べることがあります。お膳を活用し識別しやすくする、食卓を囲む糸との距離感を調整する、介護者も一緒に食事するなどの工夫をすることが大切です。