徘徊
読み方:はいかい
徘徊とは、何か要因があって歩きまわる行動のことで、一見目的もなく歩きまわっているように見えますが、多くの場合は何らかの理由があります。
認知症の人の場合、さまざまな心理の変化や環境による影響(社会的状況の要因)がみられます。
歩く理由をアセスメントしたうえで、認知症の人の思いを受け止めて、困っていることを見つけ出し解決することが大切です。
歩くという気持ちが強い時には、会話しながら一緒に歩く、散歩などに出掛け、歩かずにはいられない理由を探ります。
また、
・行動を否定する
・行動を抑制する
・ここが居場所だと無理にわからせようとする
といったことを行うとかえって混乱やストレスを招き、状況が悪化します。
いかに周囲の安全を確保し、本人が歩いてもよい状況にしていくと同時に、本人が安心して過ごせる状況・居場所にしていくケアを行います。
- 認知症の人が歩く要因
- ・ここがどこで、なぜここにいるのかが認知できない為、どうしてよいかわからず不安になっている
・急に見慣れない場所・施設へ連れてこられ、知らない人たちに囲まれて、混乱し自宅へ帰りたいと思っている
・現実が辛くて、現在を記憶に残る古き良き時代(例:子ど建てをしている時、主婦としての役割を担っている時、仕事をしていた時)と読み替えて、その記憶にある光景を探している
・閉じこもった生活を強いられており、外に出掛けたいと思い出かけたらどこに進んだらよいかわからなくなった
・孤独感が強くなり、家族に会いたくなった
・便秘や発熱など体調が悪く落ち着かない
上記のように、もしも現在を古き良き時代と思い込んでの行動であれば、その時代の生活歴をしっかりと把握して、今の思いを受け止め、付き合います。決して「今は違う」と否定してはいけません。
また、一緒に散歩や話をする仲間がいるなど、よい人間関係を築き、孤独感を解消していくことも重要です。