(食事)人間関係のケア
読み方:にんげんかんけいのけあ
介護施設やデイサービス(通所介護)などでは、家族以外の人と食事をします。本来、他者と一緒に食べる会食は、人間関係を深める時間でもありますが、認知症の人は、食事の途中で我慢ができず急に立ち上がり席を離れることや、イライラしはじめて興奮して他者とトラブルになることがあります。
これは、前頭葉に障害がある場合、感情のコントロールがうまくいかないことが原因です。
多くの場合、他者からの命令・指示といった刺激や孤独といった「社会心理的状況」が主な原因となります。
例えば、下記のような場面がみられます。
・自分のペースで食事をしている認知症の人に、介護者が「おかずがここにも残っていますよ」と言葉を掛けながら器の位置を変えた時に急に怒り出し席を立った。
・食卓を囲む周りの人から「こぼさないで食べてください」と食べ方の指摘をされたら怒りだした。
これは、他者からの言葉や行為が、その人にとっては指示・命令されたことで起こります。
また、食卓を囲んでいた周りの人が食べ終えてそそくさと席を離れ、1人ぼっちになり孤独を感じると、じっとしていられなくなり席を離れるということもあります。
このように、原因を探り、取り除くことがカギとなります。
「食事中に介護者が不用意に器の位置を変えない」
「食べこぼしや食べこぼしがあっても注意されない」
「周りの人が自分は食べ終わっても待ってくれている」
「食事を共にする仲間として受け入れられている」
など、安心して食事を向き合える人間関係作りが大切です。