記憶の種類
読み方:きおくのしゅるい
記憶は、❶言語であらわすことができる「エピソード記憶」(出来事の記憶:記憶という言葉はこれを指すことが多い)と、「意味記憶」(物の名前や意味など百科事典のような記憶)と、❷言葉では言い表らせられない「手続き記憶」(自転車の乗り方など体で覚えた記憶)と「プライミング」(無意識に刷り込まれた記憶)に分けられます。
エピソード記憶は、記憶している時間により、即時記憶、近時記憶、遠隔記憶に分けられます。
上記の図のように、短期記憶と長期記憶という分類もありますが、その場合の短期記憶は1分以内の記憶です。よって、10分前のことを覚えていないのは短期記憶障害ではなく長期記憶障害になります(近時記憶障害でもあります)、少し前のことを覚えていない症状は、近時記憶障害という用語が適切になります。
今から100年以上前にリボー(Ribot,T.A.)という研究者が、記憶の法則を示しました。
記憶は近いものが先に失われ、遠いものほど記憶に残っているという法則です。アルツハイマー型認知症のを発症すると、新たな出来事を覚えること=記銘(きめい)が難しくなりますが、発症前に記憶した昔のことは記憶に残っていますし(保持)、思い出すこと(想起)ができます。