コミュニケーションの2つの側面
読み方:こみゅにけーしょんの2つのそくめん
コミュニケーションには、他者との交流という側面と、自分自身の内的な対話という2つの側面があります。
通常、多くの人がコミュニケーションとして認識しているのは、他者との交流という側面です。
この他者との交流という側面も、さらに2つに区分することができます。
・1つ目は「焦点の定まった相互行為」といい、1対1であれ、1度に複数の人を相手に交流するのであれ、意図的にコミュニケーションを図ること。
・2つ目は「焦点の定まらない相互行為」といい、同じ空間に2人以上の人が存在するときに自然と発生するコミュニケーションのこと。この焦点の定まらない相互行為とは、通常意図的に行うものではないためコミュニケーションとして認識されることは少なくといえます。しかし、同じ空間に2人以上の人が存在しているときには、意図していなくてもコミュニケーションは自然と発生しています。
もし、他者の存在をうっすらとでも感じたら、独り言を言うのを止めるかもしれません。また、相手との距離を測り、適度に離れて立ち位置を変えたりします。
このように、自分以外の他者の存在があるときは、自然と相互に影響を及ぼし合っています。
自分自身との内面な対話とは、いま、この瞬間に「何に焦点を合わせるか」を無意識であれ自分自身で選択するところから始まります。
そして、その「焦点を合わせたこと」に対し、「どのように意味解釈するか」を繰り返し、自分自身の意味付け(物語の形成)を行っていくのです。
コミュニケーションというと、つい他者との交流という側面に意識が向き、「焦点の定まった相互行為」のことだけで考えてしまいやすいですが、それだけがコミュニケーションではありません。