アルツハイマー病の全経過
読み方:あるつはいまーびょうのぜんけいか
アルツハイマー型認知症発症から25年さかのぼると、大脳皮質のごく一部にβたんぱくが老人斑として蓄積し始めます。この沈着は徐々に範囲を広げていくのですが、はじめの20年くらいは無症状です。
それは、認知機能に余力があるので、すこしくらいのダメージでは症状が出ないのです。
βたんぱくの異常蓄積が始まって10年以上経過すると、タウたんぱくの異常蓄積が徐々に始まり、量を増やしていきます。こうしてβたんぱくの沈着開始から20年くらいすると、物忘れが目立つようになります。
しかし、物忘れが強くなっても、生活管理能力が保たれていれば認知症ではないので、MCI(Mild Cognitivu Impairment:軽度認知症状)となるのです。
そして、MCIが5年ほど経過すると、生活管理に破綻が生じて、いよいよアルツハイマー型認知症を発症します。
このころにはβたんぱくとタウたんぱくの異常蓄積が大脳全体に広がっています。
発症した後は、徐々に症状が重度化し、10~15年の経過で燃え尽きるように亡くなります。