脊髄損傷の食事支援について
読み方:せきずいそんしょうのしょくじしえん
脊髄損傷のなかでも頚髄損傷は、下肢だけでなく上肢機能も障害される四肢麻痺となります。そのため、箸やフォークを持つことが難しく、食事動作に介助が必要となります。食べたいものが目の前に用意されていても、それらを自分の好きな順番で口に運び、自由に食べるということが困難になります。
また、テーブルに飲み物が入ったコップが置いてあっても、それを片手で持ち、口に運ぶことができません。
上肢機能が障害されていても、C5~C8レベルであれば食事用の装具を装着し、食べ物をフォークに刺すなどして口に運ぶことができます。この場合、介助者は利用者の手首に装具を装着し、利用者がフォークを指しやすい位置に一口大にカットした食べ物をおくことが求められます。C4レベル以上は全介助となりますが、食べたい順番や一口量を確認し、利用者の好みやペースに合わせておいしく食べることができるような配慮が求められます。
麻痺の程度によって使いやすい自助具が異なるため、作業療法士や理学療法士との連携も必要に応じて行います。
- 脊髄損傷のレベルと食事動作の自立度
- ●C4レベル
肘関節を動かせないため食事は全介助。水分摂取はストローが口に届く場所にあれば可能
●C5レベル
手首を固定することで自助具を装着し、その先にフォークをつけて食物を指して口に運ぶ
●C6レベル
コップを両手で挟むようにして持ち上げ、口に運ぶ
●C7レベル
握力が弱いため柄の太いフォークなどの自助具を持ち食事可能
●C8レベル
手指の巧緻動作(指や指先による細やかな操作、道具を正確にスムーズに使用する事。例えば、洋服のボタン止めや靴紐結びなど)が難しいがリハビリテーションにより箸を使用し食事可能。