脊髄損傷の排泄支援について
読み方:せきずいそんしょうのはいせつしえん
脊髄損傷の人は、膀胱や肛門周辺の神経も麻痺しているため、尿や便がある程度たまっても脳への指令が出ず、尿意や便意を感じることが困難になります。しかし、自律神経過緊張反射として頭痛や血圧上昇の変化を尿意や便意として学習することもあります。
自律神経過緊張反射とは、脊髄損傷の人にみられることがある自律神経の異常反射のこと。膀胱に尿がたまったり便秘などによって発生する。血圧上昇、頭痛や感覚的な違和感として感じられ、尿意や便意に相当するサインとして生活に応用されている。
下半身が麻痺している場合は、左右両足の支持性がないか、または低い状態の為、トイレへの移乗や立位動作が困難になり、上半身にも麻痺がある場合には、手すりを握ることや座位のは保持、清潔動作が困難になります。
腹筋軍も麻痺しているため、腹圧をかけて排泄することも困難となり、カテーテルを挿入して排尿したり、定期的に座薬などによる排便を促して、排泄のコントロールを行います。
排尿・排便をコントロールする部位は、仙髄(S2~S4)にあたるため、脊髄損傷者の多くが排泄機能に障害があると考えられます。利用者は急性期や回復期のリハビリテーションにおいて、排泄コントロールの方法を学習しています。
排尿方法には、下腹部に腹圧をかける腹圧排尿、間欠導尿、尿道から膀胱内にカテーテルを入れた膀胱留置カテーテル、下腹部に孔をあけてカテーテルを直接膀胱に入れた膀胱瘻などがあります。介護福祉職は、その手順や方法を利用者や他職種と共有し、必要に応じて支援を行います。
間欠導尿とは、本人または介助者がカテーテルを挿入し、膀胱内にたまった尿を排出する方法。
麻痺のために十分な腹圧が欠けられないため、排便コントロールも必要となります。排便を促すために、下剤や座薬、敵便、浣腸などの手段が用いられます。また介護福祉職が腹部のマッサージや腹圧をかけることもあります。