ケアマネジメントセンター方式の5つの視点
読み方:けあまねじめんとせんたーほうしきの5つのしてん
利用者本位のケアマネジメントを展開していくためには、センターケア方式を使いさえすればいいというものではありません。ケアにたずさわる関係者が、認知症の人の立場に立とうとする「姿勢」を兼ね備えている必要があります。
その姿勢を支えるのがケアマネジメントセンター方式の共通の5つの視点です。
具体的には、
①その人らしいあり方:例えば、認知症の人の問題行動が、判断力が低下しているから修正しないといけないと考えるのではなく、その人独自の、その人らしいあり方をとらえようとしているか、その人なりの理由や特徴を探っているかという視点が求められます。
②その人の安心・快:認知症になると、認知機能の低下によって安心して落ち着いて暮らすことが難しくなる場合があります。認知症が進行すると、自宅に居ても自宅だとわからなくなる場合もあります。その人の馴染みの場所だからいいということではなく、その人にとっての安心・快はどういったことかを探る視点が求められます。
③暮らしの中での心身の力の発揮:認知症があってもなくても、人は社会の中で力を発揮することができることにより、自分を認め、満足することができます。例えば料理の全ての工程は出来なくても、野菜を刻むなどの手続き記憶は保たれていて早く刻めるといった場合もあります。出来ないことではなく、出来る部分を見つけて暮らしの中で発揮されていくことが重要です。
④その人にとっての安全・健やかさ:介護者目線で展開されることにより、逆に本人を危険にさらすこともあります。例えば、認知症の人が外に出て行方不明になるからと、玄関の鍵を閉めれば、窓から外に出ようとして怪我をしてしまうというケースもあります。認知症の人の視点に立って安全や健やかさの見極めを行う視点が重要です。
⑤なじみの暮らしの継続(環境・関係・生活):馴染みのある暮らしの継続は、上記4つの視点をあらためてとらえなおす視点です。自宅や地域には、様々な資源が隠されていることもあります。