大脳
読み方:だいのう
大脳は、前から「前頭葉」「側頭葉」「頭頂葉」「後頭葉」に分割されます。
大脳は、左右の半球からなり、脳梁(のうりょう)で左右がつながれています。
- 左脳(左半球)には言語中枢があり、理知的に考えることが得意な傾向があります。
- 右脳(右半球)は、非言語的な感性を大切にする脳といわれます。
脳は全体が1つのシステムとしてはたらくので、それぞれの部位が完全に分業しているわけではありませんが、脳が壊れると、その壊れた部位に特有の症状があらわれることから、その特定部位が特定の機能と密接に関係していることが分かります。
前頭葉、特に前頭前野といわれる頭頂葉の前方半分は、ヒトで高度に発達した部位で「人間らしさ」と密接に関係した領野です。
前頭葉の後方半分は身体の運動に関係した部位で、この運動野が壊れると、基本的に反対側の半身の運動麻痺を生じます。左の前頭葉には運動性言語中枢のブローカー野があり、発語(話す機能)に関係しています。
側頭葉には聴覚野があり、音声情報が集まり分析されます。ヒトの声の意味理解は、感覚性言語野(ウェルニッケ野:聞いた言葉を理解する)がある左側頭葉が担当します。
側頭葉には過去の体験(エピソード記憶)や、意味記憶が蓄えられ、たくさんの経験や学習が知識として詰まっています。そして、見たものが何かわかる、顔から誰か分かるなどの働きをしています。
頭頂葉の前方には感覚野があり、反対側半身の感覚情報が集まり分析されます。視覚情報は頭頂葉に送られると、見たいものが三次元空間の中のどの位置にあるのかや、どの方向に動いているのかが分析されます。
後頭葉には視覚情報が届く視覚野があり、見たものの形や色や動きが分析され、ほかの部位に送られます。